◇ あらすじ
デアボリカ…それは無限の刻を生きるこの世の絶対的支配階級者達。
そのデアボリカの中でも最強のロードデアボリカである主人公「アズライト」は記憶を落とし、人間を虐殺し続けるデアボリカや凶(まがき)を殺しながら旅を続ける同族殺しである。
彼は探している。何かを。それが何か知る事もないまま……。
◇ ゲーム概要
コマンド選択によって進行するADVです。
物語は全部で5つの章で構成されていて、それぞれ時代や舞台が異なりますが物語は一部を除いてほぼ1本道。
感覚的には『アンビヴァレンツ』とほぼど一緒です。
『アンビ』と同じように戦闘シーンがありますがRPGのようにHPやMP、経験値があるわけではなく、全てコマンド選択によって進んでいき、一定ターン以内に決められたコマンドを実行しないとゲームオーバーになるようです。
◇ システム
毎度お馴染みのSYSTEM3.5です。
640×480の窓版とフルスクリーン版からゲーム開始時に選択可能。
セーブ/ロードはゲーム中に「システム」のメニューが表示されている時のみ実行でき、セーブは9ヶ所まで登録できます。
概要で操作感はアンビとほぼ同じと書きましたが、アンビのようにダンジョン移動が無い分、操作性に特に不満はありませんでした。
おまけはCGモード、音楽モード、そしてアリスの館ではスタッフのコメント等があります。
◇ グラフィック
原画は「織音」さん。
枚数がかなり多めな上にイベント絵の背景の隅々まで丁寧に描かれていてクオリティは高いです。
◇ サウンド
ゲーム中に使われているのは全20曲(風の音や太鼓の音、オープニングを除いて)。
お気に入りは「火炎王」の曲。
よく聴いてみると火炎王をはじめ、ロードデアボリカ達の曲は全てアズライトの曲のアレンジになっているのですね。
◇ 感想まとめ
そこはかとなくボーイズラヴ系の香りのする展開ですね(アズライト・火炎王・ゴルドーの関係なんか特に)。
個人的にアズライトの性格をはじめとして生理的に受け付けない場面も度々ありました。
やっぱり私には『アンビヴァレンツ』のシュラのような性格の方が好みです。
物語の方はその『アンビヴァレンツ』とテーマ(輪廻、転生、永遠、時を超えた愛?)は同じなのかな?
私の脳みそでは今一つ訴えたい事がよく判りませんでしたが(苦笑)。
ストーリー展開は3章を除いて「徐々に良い雰囲気になっていき、幸せの一歩手前でどん底に叩き落とされる」というお約束パターンですが、演出の上手さなどもあって解っていてもゲーム中に「怒り」「悲しみ」「喜び」を感じる事ができ、物語に没入できました。
世界観の構築も良い味出してます。
ゲーム性はほとんどありませんけど、電脳小説としては十分な出来かと。
主人公が今ひとつ受け付けなかった自分でも最後まで物語に引き込まれて楽しむことができました。
私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆
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