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Game Impression
想ひ出坂
発売日:1998.09.04 / U・Me SOFT

◇ あらすじ

 懐かしい雰囲気のする風景。その風景の先にある坂にはいつも一人の女性が佇んでいる。
…いつも見る不思議な夢。この夢を見るようになったのは大学生である主人公が教育実習生として自分の母校へ通う為に一時的に実家に戻ってきてからだった。 そして教育実習として訪れた母校で主人公は夢に出てくる女性と瓜二つな「田宮 舞華」という生徒に出会う。
 夢の女性と田宮との繋がりを気にしつつも主人公は学園生活を続けていたが、ある日学校内の美術室で教師の「三田村 昭彦」が何者かに惨殺される事件が発生。 主人公は事件の真相を知る為に調査を始めるのだった。


◇ ゲーム概要

 学園内で起こった殺人事件を調査していく…という推理物のADVのようですが、実際に殺人事件が起こるのはゲームの中盤以降で前半は生徒や他の先生達とのスキンシップ(爆)で後半から事件の調査といった感じになっています。 前半で立てたフラグによって後半の展開が若干変わる事があります。
 ゲームはコマンド選択型でかなりの数の分岐があり、エンディングもバッドエンドが9種類、ハッピーエンドが10種類となってました。


◇ システム

 Director6J上で動いています。てっきり『いまじねいしょんLOVE』と同じシステムだと思っていたのでこれにはガッカリ。
一応「CTRL」によって強制メッセージスキップは出来るし、音声も男女別にON/OFF切り替え可能です(でも一部OFFにしてても喋ってしまうバグ有り)。

 HDDへのインストールは行なわずにCD-ROM上から起動し、セーブデーターはHDDの好きな場所へ保存出来ます。 しかし保存場所を覚えていないので一旦終了して続きから始める時にファイルを開くのが苦労しました。
 また、このゲームはCD2枚組なので途中でCDの入れ替えが必要になります。 1枚目と2枚目ではセーブデーターの拡張子が異なります。
 おまけのメニューとしてCG鑑賞と音楽鑑賞がありました。


◇ グラフィック

 原画は「てつろう」さん。 目元が凄く特徴のあるキャラを描きますね。 CG自体はなかなか奇麗ですし枚数もCD2枚組という事を考えれば、まあこんなもんでしょう。


◇ サウンド

 音源はよくわかりません(笑)。 曲数は30曲以上と結構多いのですが特に印象に残ってる曲というのは残念ながらありませんでした。

 CVは主人公を含めて全てのキャラはフルボイスで喋ってくれるのですが、演技の方はちょっと納得いきませんでした。 特に一部のキャラなんて見事に棒読みです。よくもあそこまで感情込めずに演技出来るもんだと関心しました。


◇ 感想まとめ

 概要でも書いた通りこのゲームはマルチエンドになっているのですが、普通にやって事件解決というのは結構簡単なのに対し、キャラ別のエンディングやCG100%を狙おうとすると超難解になります。 かなりフラグが厳しいのと、例えフラグが立っていてもゲーム中にそれがわかる事は困難で、実際に最後までプレイしないとその成否が不明なのがつらい。 苦労して最後まで行ってもフラグ不足で目的のエンドが見れない事が多々ありましたのでストレスだけどんどん溜まっていきました。

 他にもプレイ意欲を削がれる要因が幾つかあり、その一つがまず動作の重さです。 『いまじねいしょんLOVE』はかなり快適だったのに、開発チームが異なるとこうまで違うものなんですねぇ。
 次に声優さん…これも先に書いたように思いっきり棒読みなのがつらい。誇張無しで中学生の学芸会レベルですし、正直言って音声OFFにしたほうが面白いと感じてしまうほどです。 今まではCVはあまり意識してなかったですが今回初めて「無い方がマシ」と思いました。 これだったらCV無しにしてCD1枚として販売してくれた方が個人的には嬉しいです。

 という訳でこのゲームを楽しめるのは事件の真相を知るファーストプレイからお気に入りキャラとのエンディングを探して到達するまでの間でしょうね。 シナリオは悪くない(というか個人的には面白い)のでもうちょっとプレイしやすい環境を提供して欲しかったと思います。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆