◇ あらすじ
ある日、一人のクラスメートが飛び降り自殺をした。
それからまもなく「飛び降りた理由は世界を破滅から救う為に命を絶ったのだ」という話と「世界は7月20日に滅ぶ」という噂が囁かれはじめる…。
やがて学園という閉ざされた空間でその噂は「真実」として捉えられていく。
世界を破滅へ導くとされる「終ノ空」。はたしてそれは一体なんなのか?
◇ ゲーム概要
「マルチビュー」なるゲームシステムを採用したADVで、物語の流れを4人のキャラクターの視点から描いています。
とは言っても主人公キャラをプレイヤーが任意に選べる訳じゃなく、順番は固定で一度そのキャラでエンディングまで行った後に別キャラの視点で…と言った感じです。
1キャラあたりの所要時間は2時間くらいでしょうか。
◇ システム
HDDへのインストールは無し。
起動に時間がかかるのと、ゲーム中に何度かレスポンスが悪くなるのが気になりました。
画面サイズは800×600固定。フルカラー以外で起動した時のダイアログが結構鬱陶しいですね。
セーブファイルは8ヶ所まで任意のフォルダに保存できます。
セーブやロードは選択肢が“出ていない時”に可能な嫌がらせ仕様となってました。
メッセージは一応「早送り」する事ができますけど、未読のテキストまでしっかりと飛ばしてくれるのでイマイチ使い難かったです。
◇ グラフィック
原画は「<SCA−自>」さん「基4%」さん「にのみー隊長」さんの御三方。
誰がどのキャラを担当したのかまではわかりません。
キャラデザインに関してはパッケ絵にもなってる「琴美」を担当された方の絵が一番気に入っています。
CGもキャラに関しては不満無いんですが、背景がちょっと手抜きっぽいのが残念。
特に教室とか屋上なんか直線のみで描いた所にテクスチャを貼り付けただけって感じでなんか機械的でした。
CGモードは無し(いまどき珍しいです)。
なんとなく枚数は少な目に感じましたが、CGモードが無いので余計そう感じるのかもしれません。
◇ サウンド
PCM再生で曲数は不明。全体的に印象薄かった。
CVもなければ音楽モードも無しなのでサウンド面には力を入れてないメーカーなんでしょうかね。
◇ 感想まとめ
狂気じみた終末思想と妄想世界によって異様な電波を放出してる作品でした。
一言でまとめると「意味不明」。
前半の二人の主人公はともかく、後半の主人公の精神状態が異様で、夜の校舎で廊下の奥から青白くて巨大な顔が覗いていたり、プールの上に巨大な目玉が浮かんでいたりと言った不気味な現象をはじめ、
哲学を交えた難解なテキストで構成された話の流れは私の頭では理解不能な事が多く、すっかり置いてきぼり状態でしたよ(アタマリバースってなんだ?)。
結局最後まで「アイツは何だったの?」とか「何でコイツはこんな事できるの?」等のいくつもの謎が不明なままで終わってしまい、何かクリエイターの自慰にひたすら付き合っていただけという印象を受けました。
サイコでサイケな世界観が好きな人や作り手側の世界観にシンパシーを覚える人なら色々と考察できて楽しめる要素もあると思いますが、そうでないなら作中の世界観を「鑑賞」する目的でネタゲーと割り切るのがよろしいかと。
私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
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