◇ あらすじ
花と共に撒き散らされる災厄を鎮める為に毎年行われる「鎮花祭(はなしずめのまつり)」。
ここ地方都市「葛城市」は昔から特殊な古神道を継承する神楽崎一族が実権を握っており、「鎮花祭」も神楽崎一族の者が中心になって行なっていた。
主人公「秋端 忍」はその神楽崎一族の中でも比較的格式の高い秋端家の長男。
しかし彼は古神道の修行を嫌い、平凡な学園生活を送っていた。
やがて鎮花祭も近づいたある日、主人公は登校途中に葛城市を守護する結界に関係する磐座(いわくら)が破壊されている事を発見。
その前後から彼の回りで不思議な現象や事件が発生しはじめるのだった。
◇ ゲーム概要
ノベルタイプのゲームです。
ゲーム中の選択肢を選ぶ事で分岐するお馴染みのスタイル。
エンディングを迎えないと出現しない選択肢もあるので、最初の頃は到達できるエンディングが限られているようです。
エンディング数はハッピーエンドと呼べるものが8種類、以下バッドエンド多数という構成で、1プレイ時間はスキップ無しで2〜3時間と言った所でしょうか。
◇ システム
インストールに必要な空きは約68MB。最近のゲームとしては少な目ですね。
画面サイズは640×480の窓版とフルスクリーン版の二通りから選択可能。
メッセージは表示速度を「超高速」「高速」「普通」「低速」から指定でき、スキップもCTRLキーで可能なんですが既読のチェックはしていないのでうっかり飛ばし過ぎてしまう事もしばしば…。
メッセージの履歴閲覧も出来ないのは残念です。
セーブはゲーム中の好きな時に好きなファイル名でHDD容量の許す限り幾らでも保存可能。
ただしロードは一旦タイトル画面に戻らないと行なえないのはマイナス。
動作は軽いのですが起動時のOPではマウスによるキーが受け付けず、キーボードからシステムメニューを開いてタイトル画面に移行しなければならない等、細かい所で使い難い点が多かった。
もう少し扱い易くしてもらえると有り難かったです。
◇ グラフィック
原画は「天祥輝」さん。
この人は他にもシナリオの一部を担当されたりプロデューサーされてるみたいです。
キャラクターデザインは四角っぽい大きい目が特徴的。
ちょっと人によって好き嫌いが別れそうですけど個人的には気に入ってます。
CGは割と丁寧に描き込まれていて綺麗ですし、枚数も多くて満足しました。
背景は写真を加工した物のようですけどキャラの立ち絵はパターンが多く、手を抜いてる感じが無かったのも好印象です。
CGモードは最初から入る事ができ、エロシーンの回想モードも用意されています。
◇ サウンド
MIDIとCD-DAから選択可能で曲数は33曲かな。
個人的にはちょっとシーンに合っていない曲が使われていたのが気になりました。
特に序盤に屋上での「緋美子」との会話の時に流れてるTr.18の曲は違和感バリバリ。
でも曲数は結構多いですし、単体で聴いた時に結構気に入った曲も多かったです。
ちなみに音声は無しで音楽モードもありませんでした。
◇ 感想まとめ
古神道を扱ってるだけあって「神」「封印」「輪廻転生」「退魔」などの定番ネタが多く、こういった話が割と好きな自分には結構楽しんでプレイできました。
それに主人公にこの手の知識がない為、ゲーム中の会話などでわかり易く説明や解説がなされているのも有り難かったです。
物語の基本的な流れはどのルートのシナリオでも中盤までは大体一緒なんですけど、後半の展開はシナリオによって黒幕キャラが変わったり、場合によってはキャラ設定までもが異なってきます。
これはこれでマンネリ化しないので良いと思うんですが、そのせいで前半にある伏線が後半意味が無くなったり、全く無視される事になってしまうのが惜しいですね。
特にゲーム開始直後に夢に出てくる謎の少女なんて殆どのシナリオで無視されてるし…。
他にも選択内容次第で矛盾する会話やイベントが多かったのがマイナスでした(例えば会議室を覗いてないのに覗いた事にされてたり、怪談話してないのにした事になってたりと言った具合)。
その他の不満点としてラストがちょっと都合良すぎな気がするのと、メイン級のヒロイン以外はなんか「とりあえず付けました」って程度しか感じなかった事かな。
「ひなた」シナリオなんかは特にオチに納得行きませんでしたよ。
全体的な話自体は結構良い感じでした。
暗くなりがちなテーマに上手くラブコメ要素を盛り込んでいて笑える場面あり、キャラの個性もよく出ていて萌え要素もありでなかなか引き付けられるものがありました。
このゲームを開発したStudioAirは今後もオカルティックな傾向のソフトを作っていくようなので楽しみです。
◇ お気に入りキャラ
なかなかに魅力的な娘が揃っていて四強激戦状態なんですが、天然ボケ幼なじみ「神無月めぐみ」がハナ差リードと言った所でしょうか。
姉の「優依」との会話は笑えて楽しかったですし、あの一途さに久しぶりに巫女属性が反応した気がします(笑)。
次いで「優依」「緋美子」「更紗」と言ったあたりが四強。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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