◇ あらすじ
数ヶ月前にとある探偵事務所を辞め、今では日々の暮らしさえも危うい私立探偵「天城小次郎」。
久しぶりに依頼のあった仕事は紛失した美術品の捜索であった。
そんなある日、小次郎の前に「プリン」と名乗る謎の少女が現れ、小次郎は美術品の捜索から意外な事件に巻き込まれて行くのだった。
同じ頃、久しぶりに日本に帰ってきた国家機関の天才エージェント「法条まりな」はエルディア大使の一人娘「御堂真弥子」のボディーガードの任務に就いていた。
最初はボディーガードを嫌がっていた真弥子だが、度重なる襲撃を撃退していく事で次第にまりなと打ち解けていった。
はたしてこのまま無事に彼女を護り通す事が出来るだろうか。
◇ ゲーム概要
『DESIRE』に続く、主人公2人の視点から見た物語が進展していくマルチサイト第2弾。
「小次郎」と「まりな」、互いに接点の無い2人の主人公が全く別のルートから1つの大きな事件に関わっていく…というもので、ゲームの進行は「見る」などのコマンド選択で進行しますが、途中いくつかの場面で2人の主人公の視点を切り替えてやる必要あり。
例えば小次郎編でとある事件を起こさないと、まりな編が進展しないといった感じです。
◇ システム
3.5”2HD 7枚組。
セーブは6ヶ所に登録できるのですが、DOS版では2人の主人公のセーブデータはそれぞれ個別管理が必要。
つまり小次郎編のファイルの上から、まりな編のデータを上書きすると小次郎編のデーターが消えてしまいます。
もうね、何度も上書きして泣きましたよ…。
ただSS版なんかでは共有できたので、おそらくWindows版もその辺は改善されているのと思います。
後はメッセージスキップが無いのもちょっと不満でした。
おまけ機能としてCGモードと音楽モードがあります。
◇ グラフィック
原画は「田島 直」さん。
SS版を見た後に98-DOS版を見るとキャラの服の色とかがちょっと違和感ありますね。
御堂大使の緑のスーツとかちょっと引く。
ちなみにSS版では随所にムービーが使用されてましたけど98DOS版には当然ありません。
アニメするシーンも氷室恭子がプールに落とされるシーンの1つだけになっています。
◇ サウンド
FM音源のみで約40曲くらい。
「島田竜」さん独特のちょっと低音にインパクトのある曲が多かったですが、「プリシア」のような明るい感じの曲や「安らぎ」のように浸れる曲などもあって幅広く、全体的かなり満足しました。
◇ 感想まとめ
もうゲーム開始からどっぷりと剣乃ワールドに引き込まれていきました。
マルチサイトならではのシーンが随所にあり、中でもハッキングシーンは妙なテンションでプレイしていた記憶があります。
もっともここで何度もセーブデータを上書きして泣くはめになりましたが…(苦笑)。
主人公の2人も凄く魅力的でかっこいいです。
普段はボケていても“ここぞ”という時にはしっかりキメてくる辺り、なんか凄く憧れますよ。
私的には主人公(達)を気に入った数少ないゲームのうちの1本です。
と、ここまで誉めてちぎってますが全く不満が無かった訳ではありません。
その1つがコマンド総当たりを余儀なくされるため、ちょっとストレスが溜まる点でしょうか。
個人的にはこういったゲームではサクサクと進めるゲームが好きなので。
他にはやっぱりセーブファイルの上書きを防止処理を施して欲しかったです。
ゲーム終了後でもすっきりしない謎(血文字など)とかありましたが、間違いなくADVとして名作の1本だと思います。
私的満足度: ★★★★★ ★★★★☆
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