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Rhythm 〜恋の律動〜 −Shinc Renewal−
発売日:1997.07.17 / LIBIDO

◇ あらすじ

 冒険者の「ヒロ」はとある城下町にやってきた。 その町は最近になって行方不明者がでたり、郊外にあるガーデンからは不気味な声が聞こえたりといった噂が飛び交っていた。
 ヒロがその噂を追い求めているとガーデンに「いにしえの魔女」のものと囁かれる洞窟が発見された事を聞きつける。 好奇心にかられたヒロは早速そのガーデンに向かう事を決意するのだった。


◇ ゲーム概要

 1本道シナリオの3Dダンジョン探索型RPGです。 ただ単にダンジョン内を探索していってもストーリーは進展しますが、町で知り合う女の子達と親密な関係になるには悩みを解決してあげたり、願い事を叶えてやったりしないとならないので恋愛SLGの要素も強いです。

 登場するヒロインは12人で、一度のプレイで全員攻略する事も可能。 それぞれのヒロインは攻略できる期間が決まっており、フラグも結構厳しいので難易度は高めだと思います。


◇ システム

 CD-ROMをドライブに入れればオートでゲームが起動します。 HDDへのインストールは行なわず、セーブデーターのみ任意のフォルダへ保存する仕様。 保存出来るファイル数は容量の許す限りいくつでもOKで、イベント中でなければ何時でもセーブ/ロードが可能です。 ファイル名も好きなように変更出来るようになっているのは良いですね。

 ただ…動作の方はメーカーが推奨してるマシンスペックよりかなり高くないとキツイと思います。 特にメモリとGAが貧弱だと泣けてきます。 メッセージスキップとかも無いので、ストレスが溜まるのを覚悟する必要があるかも…。
 おまけとしてはCD-ROM内にある「omoide.exe」を実行するとCGモードがみれます。


◇ グラフィック

 これがこのゲームの最大の売りではないでしょうか。 CGのクオリティはものすごく高く、私がプレイしたハイカラーのゲームではトップレベル。 特に人物の肌や衣服の色合いは素晴らしいと思いました。

 それといくつかのイベントではスクロールする巨大CGが表示される事がありますが、これも凄い。 これら巨大CGは17インチモニターで見ると等身大に限りなく近くて仰天ものです。 描画速度も素晴らしく遅いですが。

 ダンジョン内部や戦闘シーンは3Dポリゴンになっていてデフォルメされたキャラがチマチマと剣を振るったりするんですが、こちらの方は正直いらない。 つか私の環境が貧弱なせいもあるんでしょうけど、“剣を振り下ろす”はずの動作が、構えから一気に剣を振り下ろしたポーズに移行してしまって凄く動きがギクシャクして見えた(苦笑)。
 それに…3Dにしたことで二頭身化してしまった上に「あんた誰?」ってくらいデフォルメされてしまい、わざわざ3Dにしたメリットも感じられませんでした。


◇ サウンド

 MIDIかWAVのどちらかが選択できるようになっています。 WAVの方は曲の切り替わりの時にノイズが入る事がありました。
 曲数は14曲で特に良いなぁ…と思った曲はありませんでしたが、そんなに悪くも無かったと思います。


◇ 感想まとめ

 このゲームは平成5年4月9日に同社から発売された『Shinc[シンク]』のリニューアル版らしいです。 4年の歳月を超えてWindows版として復活したこのゲームは一言で書くと……動作の重いRPGがオマケに付いてるCG集です。 そう思ってしまうほどゲーム内容は不満だらけでした。

 まずゲームを開始すると主人公はいきなり街中に放り出されるんです。 物語の背景や、なぜ主人公がそこに居るのか等の説明がマニュアルにもゲーム中にも出てきません。 当然、何をすれば良いのか戸惑いました。
 しかも街を移動してショップなどに入ると初対面にも関わらず、いきなり顔見知りのように会話をはじめてしまいます。 プレイヤー的には「あんた誰?」って感じ。自己紹介も何もありませんでしたし、はっきり言って感情移入度は0でした。

 主人公の性格もめちゃ鬼畜です(本人は全く意識してない)。 このゲームは登場する女の子全てを1度に攻略でき、12人目のフローラを攻略する際「全ての花を受け入れた心の広い人」みたいなことを言われましたが、私にはただの見境ないスケベ野郎にしか見えませんでした(笑)。
 エロシーンのほうもLIBIDOらしくスカ描写などがあって、属性外の私はどう見ても普通のOLにしか見えないお姉さんが「誇り高さ」の証明の為に人前で脱糞するシーンでドン引きですよ。 攻略記事にも書きましたが、何故ピーすることが「誇り高さ」の証明になるんでしょう?

 シナリオの方も吸引力に乏しい感じがしました。ひたすら淡々と進むんで盛り上がりに欠けるんですよね。 さらに前述した通り、このゲームはメッセージスキップなどはなく、しかもかなりのハイスペックを要求するので、私の環境ではものすごくストレスが溜まりました。 もうほとんど意地と根性でクリアしたようなものです。

 そんな訳でプレイ後には達成感よりも、疲労感やら脱力感の方が強く感じたゲームでした。 まぁ、omake.exeのおかげでCGはいつでも見れるので、やっぱりCG集と割り切るべきですな。 とりあえずCGが気に入った人ならそれ目的で逝っても良いかもしれません。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO