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ゆれる想い −Triangle Love Story−
発売日:1999.01.22 / AirField

◇ あらすじ

 地元の神戸を離れ、単身東京の大学へ入学した主人公。 いつか一人前の男になって神戸に残してきた恋人「藤島初美」を迎えに行くという目標を抱え大学生活を送り続けている。 しかし東京の大学にも「高城えいこ」を始めとして気になる娘がいて…。
 はたして主人公は見事に男を磨き、恋人を迎えに行けるのか? それとも近くの誘惑に負けてしまうのか? 神戸と東京…2つの街をまたにかけた恋愛物語が始まろうとしていた。


◇ ゲーム概要

 ゲーム開始時にプレイヤーは“実業家”“医者”“サッカー選手”の中から主人公が目標とすべき職業を選択してから始めます。 しかしどの職業でも基本的にストーリーは同じで違いはエンディングのみになっています。

 ゲーム自体はコマンド選択型のADVで1日のうち朝と夕の2回に「学校へ行く」とか「外に出る」とかの場所移動があり、そこで移動した先にヒロインが居る場合にイベントが発生する事があります。 ちなみにゲームの期間は9月16日〜12月24日までの3ヶ月強。 ヒロインは全部で8人いてエンディングの数は驚愕の52種類(らしい)です。


◇ システム

 起動すると問答無用でフルスクリーンになります。 この手のゲームはメモが必須と個人的に思うのでテキストエディタを開きながらプレイできるようにウインドウ切り替えが出来ないのがちょっと不満です。

 3つのシナリオ(?)を用意している割にはセーブも5ヶ所にしか登録できないのも不親切と思うし、何より動作や描画が遅いです。 一体何処にそんなパワーが必要になるのかさっぱりわかりません(わざとウエイトかけてる感じですが)。 一応メッセージスキップや、いつでもセーブやロードができるようにはなっていました。


◇ グラフィック

 原画・キャラクターデザインは「鈴木せるぼ」さん。 キャラデザインは個人的にある程度ヒットしたのですが、塗りの方がやや不満でした。 一応ハイカラーを要求してますが、あまりハイカラーの恩恵を受けていないような気がしましたし、キャラの立ち絵と背景の境界が荒くて目立つのも気になりました。 背景はおそらく実写をぼかしたものかと思われます。 CGモードは最初からメニューにありました。


◇ サウンド

 BGM音源はGM規格のMIDIのみで曲数は不明。曲自体は悪くはないと思います。 特にOPやEDで再生される「心のそばで」は結構良かった。 ちなみにOPではカラオケのように歌詞が表示されます。
 ゲーム中のBGMで印象に残ってるのは「松下 夏美」と「大澤 有貴子」のテーマ曲…と言っても良い曲という意味では無く、あくまで印象に残ってる曲という意味です。

 キャラボイスは入っていません。 個人的にはちょっと意外でしたし残念でした。 音楽モードも存在しないようです。


◇ 感想まとめ

 遠距離恋愛と三角関係というテーマに惹かれるものがあって購入し、ゲーム中はさぞ身を引き千切られる思いをするだろうと期待と覚悟をしていたのですが…結論としては残念ながら私の期待通りとはなりませんでした。

 まずイベントの1つ1つが淡白すぎる感じがしました。 にも関わらずゲームの期間がやたらと長いのは正直言ってプレイしていて苦痛です。 下手をすると何もイベントが発生しない状態が延々と1ヶ月も続く場合もありますし…。
 それとイベント間の繋がりも関連性が無さ過ぎ。 例えば、あるヒロインを傷つけてしまった事を理解した主人公が次のイベントでは平然と別のヒロインを口説いていたり、主人公の部屋に弁当を持ってきて貰ったイベントを見ていないのに後になって如何にもそのイベントが発生したような会話があったりして興ざめ。

 それと…個人的にですが最初に恋人との再開シーンからゲームがスタートするのは失敗だったと思います。 初っ端からいきなり登場するので、久しぶりに会った恋人っていう感じがしませんでした。 最初は主人公の回想シーンとかにして、ゲーム中盤でやっと会えたという感じにすれば良かったような気がしました。 …まぁ私はですけどね。

 と言う訳で期待した分、余計に不満点ばかりが目についたゲームでした。 テーマは良いのにそれを生かしきれていない気がしたというのが正直な感想です。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

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