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Endless Serenade
発売日:1999.02.26 / DISKDREAM

◇ あらすじ

 両親に先立たれ、兄と二人暮らしをしている主人公「御影 悠二」。 彼は兄の恋人である「観音 皐」に一目見たときから強く惹かれていた。 だが、あくまで“恋人の弟”としか見ていない皐の気持ちを知り、自身の想いを表に出す事なく過ごしていた。
 そんなある日、兄と皐から「二人の夢であるコンビニを経営したい」と持ち掛けられ、主人公は二人に協力する事を誓う。 しかしその数日後、突然兄が交通事故でこの世を去ってしまった。 失意のどん底にいた皐を立ち直らせた主人公は彼女の経営する事になったコンビニでアルバイトをするようになったのだが、突然の人手不足で急遽雇った新人の教育も同時にこなして行くことになるのだった。


◇ ゲーム概要

 二部構成になってるノベルタイプのADV。 第一部はコンビニでの新人教育をこなしつつ、5人のヒロインの誰かと結ばれるまでの恋愛物。 そして第二部は第一部で結ばれた相手と共に、とある事件に巻き込まれていく…といった感じのサスペンス物となっています。 エンディング総数は49種類(かな?)でヒロイン1人あたり約10種類のエンドが用意されてますが、そのほとんどがバッド系のエンドでした。 ハッピーエンドまでの到達時間は大体2〜3時間と言ったところでしょうか。


◇ システム

 画面は640×480の窓とフルスクリーンの二通りから選択可能。 セーブファイルは「栞」として10個用意されていますが、それぞれのしおりで完全に独立しちゃってます。 つまり厳密には1ヶ所しかセーブできないって事で、CGやテキストの既読フラグがしおり毎に別々になっており、しおりが変わると完全に新規ゲームと変わらなくなってしまうので注意が必要。 まぁリーフの『雫』や『痕』と似たような物と考えて良いかと。

 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で、メッセージは既読のみスキップできます。 他に細かい所ではメッセージ速度や画面明度の調整ができたり、第二部に進んだキャラはトップメニューからいつでも第二部から始める事ができたりします。
 なお、PC-98シリーズの場合に描画関連の不具合がありますので修正ファイルを当ててからプレイした方が良いです。


◇ グラフィック

 メインキャラクターデザインに「根須 魂介」さん。 サブキャラクターデザインに「藤ノ宮 由美」さんとなっていました。 デザイン的に特に気に入った訳では無いのですが、エロシーン時の構図とか全体的なCGの雰囲気は良かったかと。
 それと偶に2画面分スクロールするCGが表示される場面があるのですが、私のプレイ環境がPC98だったので修正ファイルの存在を知るまでは鬱陶しかったです。 修正ファイルを当てないとスクロール完了まで10分以上かかってしまうのですよ…。

 枚数はそれほど多くないですが、ゲーム中に特に少ないと感じる事はなかったので妥当な数だと思います。 CGモードは1度何らかのエンディングを見た後にトップメニューから入れます。
 関係ないけどCGモードの最初で「いらっしゃいませ!グラフィックモードへようこそ!!」と言われた時に某ゲームを思い出してしまったのは私だけでは無い…と思いたい(笑)。 更に 関係ないけど美姫の胸のバッジが頻繁に変化するんですが、似たような物を『Silver Moon』でも見た記憶があります。 パクリという訳では無いのでしょうし、これはこれで面白いので別にどうでも良いことなんですけどね。


◇ サウンド

 CD-DA再生の全22曲という構成。 ちょっと控えめな雰囲気の曲が多いような気もしましたけど悪くないと思います。 お気に入り…というより耳に残ってるのは「ひとひらの雪」と「美姫のテーマ」かな。
 OPの「オープンしてます!」と第二部ED曲「そっと…」はボーカル曲です。 個人的には曲は良いけど歌は今一歩と言った印象。 それとちょっと全体的にボリュームが低い感じがしました。 BGMが控えめに感じたのもその為かも知れません。

 音声は一応入ってますけど一部のみのパートボイス。 演技の方は結構良かったので出来ればフルボイスで出して欲しかったところですね。


◇ 感想まとめ

 ストーリー展開はなかなか良い感じかも。 ただ個人的にはあまりヒロインキャラに魅力を感じなかったので、コンビニを舞台とした“恋愛ゲーム”としてはちょっと寂しい感じです。

 それでも第二部に入るとシナリオが大きく動き出し、なかなか引き込まれる展開が多くて楽しめました。 各ヒロインのシナリオは根っことなってる部分に共通点があるのですが、それぞれ上手く練り込まれていたと思います。 特に美姫や和美の心理描写は良かった。

 ただメインヒロインである皐シナリオは第一部、第二部共にいきなりな展開に戸惑ったり膨大なテキスト量にげんなりして今ひとつと言った印象でした。

 エロシーンは結構良かった。 効果音もあってか結構エロい感じがしましたが特にストーリーから浮いてるって感じは無く、違和感は無かったかな。

 シナリオ以外で見るとマウスのクリック連打で意図しない選択をしてしまう事があるのと格闘シーンで画面がカクカクするのが大きなマイナス要因となりました。 もっとも後者はPC98だけで起こる現象かもしれませんけど皐シナリオでは凄く鬱陶しかったです。 とは言え致命的なバグらしき物は無いしゲームのボリュームもそれなりにあって個人的には割と満足度の高いゲームでした。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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