Rascal・改 − Game Impression
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アルバムの中の微笑み
発売日:1999.09.24 / CureCube

◇ あらすじ

 貿易商の父を持つ主人公「間宮 征一郎」は親の命令で日本の女学院に一年の間、西洋画の講師として赴く事になった。 そして日本での滞在中に世話になる香川家に到着した征一郎は、そこの息女「五月」と許婚の関係である事を明かされるのであった。
 初めてその事を知った五月は猛烈に反対し、征一郎も香川家の当主に一年の猶予を申し出る。 はたして一年の間に五月との仲は進展するのか?それとも…。


◇ ゲーム概要

 マルチエンドの大正時代風恋愛アドベンチャーです。 ゲーム中に出る選択肢の選択内容によって五人のヒロインのエンディングに到達可能。 ゲームの期間は約一年なのですが、「五月」と「霞」以外のヒロインは一年経たずにエンドを迎える事になります。

 構成的には一年の間の各季節毎にそれぞれのヒロインに想いを打ち明けられ、それを受け入れるか否かでエンディングかゲーム続行かが決定されます。 難易度はかなり低めでした。


◇ システム

 インストールの時にDirectX対応版と通常版を選択できます。 容量的には差がないですが描画速度はDurectX版の方が圧倒的に早いです。 アセンブラージュ初のDX対応版ですが以前に「MyFriends」DX版のモニターを募集して念入りにチェックした筈なので実績はある…と思いますが。
 画面サイズはフルスクリーンと640×480窓版の二通りから選択。 メッセージの速度変更やスキップももちろん可能です。 設定画面は最近のアセンブラージュ系(エーテル除く)でお馴染みの画面でした。キーボードでの操作も可能。

 セーブやロードはゲーム中ならいつでもでき、計六ヶ所に保存できるようになっていて更にセーブした時の画面状態まで保存してくれるので有り難いです。 それと修正ファイルがCurecubeのサイトにアップされていますのでDLしておいた方が良いと思います。


◇ グラフィック

 キャラ原画は「逸架 ぱずる」さん。 個人的にはちょっと魅力に欠けるかな?と言った印象ですが、キャラの表情はよく変化しますし、テキスト欄の横に表示されるフェイスCGも良い味出てると思います。 CGも人物、背景共に結構よさげ。枚数もそれなりにあるので満足しました。

 CGモード及びエロシーン回想モードは最初からトップメニューにありますが、ゲーム中でも右クリックで出るメニューから入る事ができます。 ただしこちらはCGのみですけど。


◇ サウンド

 BGMはGM、GS、XGのMIDIから選択。曲数は10曲とやや少な目です。 ゲームの雰囲気に合った落ち着いた曲が多く悪くはないと思いますが、個人的にはイマイチ印象に残らないかな…といったところでしょうか。 ちなみに「五月」エンドの時だけヴォーカル入りの「Celebration」がかかります。 何となく「はぷにんぐJOURNEY」の挿入歌「TO THE JOURNEY」に似ている気がしました。

 CVは男キャラ以外はフルヴォイス。 声優さんはアセンブラージュでお馴染みの方達なので安心して聞いてられました。


◇ 感想まとめ

 プレー前には大正時代風という時代背景ならではの日常やイベント、そして「霞」の使用人としての主人を想う気持ちと、主人公を慕う一人の女性としての気持ちの間で葛藤する様が上手くでてればなぁと期待していたのですが…いや、どちらもそれなりに表現されてたと思いますけど「なんか物足りない…」というのがこのゲームをコンプした時に感じた素直な気持ちです。

 全体的にイベントが少ない…というよりも主人公やヒロインの心理描写に関わる文章が少な目な感じで、ヒロインが主人公に想いを寄せていく課程が不明なまま「気が付けば好かれていた」という展開は恋愛ゲームとしてはマイナスと思います。 もっともこれは大正時代風の設定と更に上流階級の箱入り娘達をヒロインにする事で説明が出来そうですけど。 もしかして大正時代風にしたのは単に箱入り娘が描き易かったからか?などど邪推してしまいました(苦笑)。

 「霞」に関しても「Graffitiの美咲」(こっちは兄妹だけど)のように叶わぬ想いと理解しつつも 他のヒロインに嫉妬するような事があったら個人的にはもっと良かったのですが…。 でもメインヒロインの「五月」なんかは「気になる存在だけど素直になれない」という心情が良く表現されてたし、主人公にフラれた形になった他のヒロイン達が精神的に成長し、主人公達の幸せの為に協力するというのはこのゲーム構成ならではと言った感じで成功してると思います。

 それとHシーンはひたすら男に都合の良いお約束な展開です。 主人公の性格が変わるのもお約束ですね。シーンとしては良いんですけど。

 気に入ってるメーカーのゲームだけに少し酷評になってしまいましたが、『はぷにんぐJOURNEY』や『MyFriends』が肌に合った方なら楽しめるのではないでしょうか。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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