Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

憂淫の虜 〜魔淫の宴より〜
発売日:1999.10.22 / BLACK PACKAGE TRY

◇ あらすじ

 主人公「藤沢 孝弘」は見た目は普通の好青年。 だが彼には女性を犯すことに至上の悦びを感じるという困った性癖があった。 しかしその外見と冷静な性格のおかげで今まで一度もトラブルに巻き込まれることはなかった。
 ある日、そんな彼の元に叔父の経営する神学校「聖華学院」の保険医として迎えるという話が持ちあがる。 全寮制の女子校である聖華学院は彼にとって願ってもない狩猟場であり、主人公は二つ返事で承諾したのだった。 そして主人公が赴任して間もなく平穏な学院生活を送っていた少女達はその悲鳴を響かせることになる。


◇ ゲーム概要

 サブタイトルになってる『魔淫の宴』はこのゲームの前々作ですが、たぶん物語上の繋がりは無いと思います(強いて言えば鬼畜繋がりかな?)。 ゲームはノベルタイプのADVで選択肢の数は少なく、難易度は皆無だし後述するシナリオマップも素晴らしいのでストレスなくサクサク進めるでしょう。

 登場するヒロインは4人でエンディングは各キャラのハッピーエンド(?)とハーレムエンドの計5つ。 他にバッドエンドもありますけど。


◇ システム

 インストールに要求される空きHD容量は約200MB。 一度インストールすればメディアレスで起動可能なのが有り難いです。
 画面は640×480の窓とフルスクリーンが用意されていて、ゲーム中に何時でも切替え可能。 メッセージはノベルタイプですが改頁するという感じではなく、テキストを送る毎に文字行がスクロールしていき、画面の1/3ほどでフェードしていきます。 もちろん表示速度調整や既読スキップも完備で巻き戻し機能もあり…とかなり良い環境でした。

 そして私が最も感心したのがシナリオマップ。 これはシナリオの分岐が一目で解り、自分がどの位置に居るかも良く解るようにチャートで表示されるのですが、チャートではイベント部分が小CGで表示され、内容が一目で判別できるようになってます。 更に現在位置から行けないイベントは×印で表示されるのが非常に有り難かった。

 セーブやロードはゲーム中に何時でも可能で計38ヶ所まで登録できます。 更にセーブ時にそのイベント内容も保存してくれるという充実ぶり。 動作も軽いしシステム面はほぼ満点の出来です。


◇ グラフィック

 原画は「藤原 秋久」さん。 絵によっては目がやたらと大きいんですけど、個人的には結構気に入りました。
 塗りの方がゲームの雰囲気もあってか、やや暗めでわかり辛いのですがマニュアルに挿絵として描かれてるイラストは良い感じ。

 CGは全体の95%くらいがエロシーンですが、これはそういうゲームなので問題無し(笑)。 枚数もやや多めで100枚近くありましたし、塗りも前述したように若干暗めですが雰囲気出てて良いと思います。 難を言えばモザイクが広範囲で鬱陶しかったことくらいかな。

 CGモードは最初からトップメニューにあり、ゲーム中に見たCGは随時登録されていきます。 他にもエロシーン回想モードもあり。


◇ サウンド

 BGMはCD-DAとMIDI(GM・GS)から選択できます。 曲数は11曲でどの曲も雰囲気にあった物ですけど特に印象に残ってる曲は無かったです。

 音声はヒロインの女性キャラ4人がフルボイス。 演技は皆さん良い感じで個人的にはメインヒロイン格の「綾瀬 絵里香」役の方が特に良かったと思いました。 音楽モードもCGと同様に最初からトップメニューにあります。


◇ 感想まとめ

 ゲームを開始して最初に出るテキストと音声が「坂木 美奈」の喘ぎ声で、初っ端からいきなりエロシーンで始まるのにはちょっと驚きました。 ゲーム中のイベントも大半がエロシーンで構成されているんですけど、ヒロインが痛がるシーンは処女喪失時くらいでパッケージから想像されるようなSM的シチュがあまり無かったのは鬼畜系がちょっと苦手な私としては非常に有り難かったしプレイし易かったです。 …というかこのゲームのエロシーンは、リアリティ云々は置いておいて私的にかなり気に入ってしまいました。 一言で言えばヒロインの可愛らしさがよく出てるエロシーンって感じです。

 鬼畜系らしく主人公はもちろん無理やり襲っちゃうわけですが、コイツがかなりのテクニシャンでヒロイン達は一部を除いて嫌がりながらも彼の性技の前に堕ちていき快楽の虜になっていく…といった様が凄く可愛いんですよ(笑)。 もちろん声優さんの演技によるところも大きいんですが。
 加えて冷静さと狡猾さも併せ持っていて「この淫乱な姿がお前の本当の姿だ」といったマインドコントロールを駆使して精神と肉体の両方から虜にしてしまう手腕は半ば尊敬の念を抱きつつも思いのほか主人公に同化できてしまったのが予想外でもありショックでもありました。

 そしてもう一つ注目すべき点はその洗練されたゲームシステムでしょう。 詳細はシステムのところで述べたので省きますが、これほどプレイし易い環境のゲームはそう無いと思います。

 次に不満点ですが…このゲームの趣旨を踏まえた場合、不満が見当たらないんですよね〜これが。 シナリオが薄いなんてのはこの作品で言うべきことじゃないと思うし、変に凝ったシナリオにされると特徴の一つである爽快感のようなものが削がれる怖れがあるので良いのではないでしょうか? 敢えて言えば起承転結の「転」の部分で何かインパクトのあるイベントなりが入っていたら個人的には完璧でしたけどね。

 一応、鬼畜系のゲームだと思いますが残虐系描写は無いので苦手な人も大丈夫だと思います。 というか鬼畜系が苦手でも濃いエロシーンが好きという人にこそお薦めしたいですね。 個人的にはこれ系のゲームでは最高評価に近いです。


◇ お気に入りキャラ

 やはりメインヒロイン格の「綾瀬 絵里香」ですね。 自爆しそうなので多くは語りませんが。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO