アウトライン |
発売日:1999.11.26 / ぷちX |
◇ あらすじ
大学の夏休みを利用し、山間の温泉地へとやってきた主人公、鹿島真一ら『鉄道同好会』一行。
楽しい撮影旅行を続ける彼らの前に現れる謎の幽霊『櫻』。
彼女は何故、真一達の前に姿を現したのか?そして櫻の妹であるという少女『島崎瑞穂』との出会いの意味は?
『出会い』『別れ』『伝説』そして・・・『縁』。
今、終わろうとする夏を舞台に、様々な要素の織り成す『アウトライン』が真一の前に描きだされていく・・・
(「アウトライン」パッケージ裏より抜粋)
◇ ゲーム概要
マルチシナリオのミステリーADV。
シナリオは大きく別けて4つのハッピーエンドへのルートが存在するのですが、最初はメインヒロインである「島崎瑞穂」のシナリオを半ば強制的に見る事になり、彼女のエンディングを一度見た後に別ヒロインのシナリオへ分岐する選択肢が追加されるようになってるようです。
『痕』をプレイされた事のある方はああいう感じと思って良いと思います。
「瑞穂」以降の順番に関しては未検証なので不明。
ゲーム事体は2〜3択の選択肢を選んでいく事で進行していき、場合によっては即バッドエンドとなる事もあります。
1つのハッピーエンドまでのプレイ時間は大体3時間と言った所でしょうか。
◇ システム
インストール時には最小(5MB)、標準(350MB)、最大(430MB)の中から選択でき、更にDirectX版とノーマル版を選択する事が可能(DirectX版の方が若干軽い)です。
操作系のカスタマイズはメッセージ速度/スキップの設定や画面エフェクトのon/off指定、音声/BGMのon/off等がありました。
操作感は従来のアセンブラージュ系と同じですが今回はメッセージのバックログ機能が備わっていたのが嬉しいです。
Mac版に関しては持ってないのでわかりません。
◇ グラフィック
原画は「てんざる」さん、「へりゃ」さん、「宏井増之」さんの3人で、原画が複数人による違和感は某お姉さんで若干感じたくらい。
キャラのデザインや塗りに関しても特に不満点は無く、一枚絵の中にはデフォルメされたギャグCGがあるのも『My Friends』辺りからお馴染みなので、まあアセンブラージュらしいかなという感じでしたが、背景が異様に綺麗なのには驚きました。
特に山や樹や川といった自然物(?)は実写と見間違うほど綺麗です。
それに画面構成もメッセージ欄がフィルムの形状になってたり、背景が机の上の写真のようなイメージ(なんか上手く説明できませんけど)で表示されるのも面白いですね。
枚数はゲームのボリュームやイベント数を考えると無難な数があり、特に少ないとも多いとも感じませんでした。
CGモードはゲーム中やトップメニューからいつでも確認できますが、エロシーンの回想モードはトップメニューからのみとなってます。
◇ サウンド
BGMはMIDIのみの全15曲。
個人的にはもう少しインパクトのある曲だと嬉しかったですね。
悪くは無いと思いますがなんとなく物足りないというか…。
ただ今回はXG音源のみでSoundBlaster32又はXG音源を推奨してるんですが、私はどっちも持ってないので正確な評価では無いと思います。
音声は主人公以外がフルヴォイス、男キャラやちょっとした脇役も全て喋ってくれますし、演技の方もかなり満足いくレベルだと思います。
なんかどっかで聞いた声が異様に多い気もしましたけど。
ちなみにこのゲームは主人公の名前が「鹿島真一」で固定なので主人公は名前で呼ばれるようになってます。
音楽モードはゲーム中やトップメニューからいつでも入る事が可能で、曲名もちゃんと表示してくれます。
◇ 感想まとめ
アセンブラージュブランドの一つ、新生ぷちXの作品で何人かのスタッフがぷちの『冬虫夏草』と同じこともあってか雰囲気は『SweeperS!』と『冬虫夏草』をたして割ったような感じがしました。
このゲームは概要でも書いた通り4人のヒロインとのエンドがあるのですが、4つを全て見ないと物語の全てが判らないような作りになっています。
つまり最初に見る事になる「瑞穂」エンドでは殆どの謎が残ったままとなっていて他にシナリオを進めていくうちにだんだんと真実が明らかになっていく…といった感じ。
4つのシナリオ全て物語の本筋が同じで、特に矛盾点も無くまとまっているのは流石と感じましたし、各シナリオのメインとなるヒロインの魅力も良く出されていると思います。
各シナリオにはそれぞれ「あて馬」になるサブキャラ(女性)が絡んでくるのですが、どのキャラもメインで展開してるヒロイン並に魅力的で、サブキャラで終わってるのが惜しいです。
それと蛇足ですが某サブキャラのエロシーンで上手い具合にソフ倫理規定の【禁止事項6】をかわしていて「なるほどこういう策もありか」と感じました(謎)
ただ、イベントのインパクトはちょっと弱いと感じたのが残念ですね。
上手くまとまっていて先の展開が気になり、つい連続プレイをしちゃったりはするんですが、鳥肌が立つほどの衝撃を受けたり感動したりする事がほとんど無く、淡々と読み耽ると言った感じ。
それでも下手なノベルゲーよりはよっぽど読み応えはありましたけどね。
ミステリー物と言われるとちょっと疑問符が付きますが、ミステリーやサスペンス物の話が好きな方はプレイしてみて損はないかもしれません。
あとちょっと気になった点があるのですが…「櫻」が月光の元でしか実体化できない事は各シナリオのイベントでわかるけど、何故昼間の電車の前で実体化して矢を射掛けられたのでしょうかね?
何故サークルメンバー中で主人公だけに「櫻」が見えるかとかの謎は勝手に解釈できますが、上に関してはよくわからりませんでした(汗)。
◇ お気に入りキャラ
旅館の一人娘「三倉安芸」ですね。
あの自信の無さそうな表情がなんとも良い感じです。彼女のシナリオやエンディングもお気に入り。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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