◇ あらすじ
遺伝子神経科学研究所へ新米研究員としてやってきた主人公「夏目 慎一郎」。
ある日、いつものように研究所内で過ごして帰宅しようとした処、突然の爆発事故が研究所を襲う。
この非常事態に施設内全ての隔壁を閉鎖しすることになったのだが、脱出しようとする主人公のことを施設内で過ごす謎の少女「紫音」に(通信映像)で呼びとめられ、彼女が施設内の地下に取り残されていることを知る。
そして紫音を救出しに地下へ赴こうとする主人公は、その途中で所長の一人娘「二階堂 美琴」や逃げ遅れた「七草 由梨奈」と出会い、共に研究所の地下を目指すことになった。
◇ ゲーム概要
地下何十階という規模の研究施設内を舞台に、場所移動と途中で見つけるアイテムを駆使しつつ最下層を目指すというADVです。
アイテムはテキスト窓上部に並んでいて、使用したい場面で画面上にドラッグすることで扱えるというもので、ゲームシステム的にはエルフの『遺作』に似ています。
でも難解なトラップとかは無いですし、調べたりアイテムを使用できる箇所は明るく表示してくれるので難易度はかなり低めかと。
ただし途中に唐突にゲームオーバーになるようなイベントがありますのでセーブはこまめにしておいた方が吉です。
登場するヒロインは3人で、エンディング数は私の確認したものでは8種類ありました。
◇ システム
インストールはサイズの指定とかは出来ませんけど、160MBほどと若干小さめなので特に問題はないと思います。
画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンから選択。
デフォルトでは窓になってます。
メッセージは「高速」と「普通」で速度調整可能。
スキップやログの読み返しもできるようになってますが、スキップは未読のチェックはしていませんでした。
それと…文字フォントが異様に読み難いです。
デフォルトではアンチエイリアスがONになっているので、OFFに設定し直した方が読みやすいですね…って普通は逆だと思うんですが…。
ただ、これはユニゾンシフトのサイトからDLできる修正ファイルを当てることで改善されてました。
セーブやロードは移動場所選択画面以外で可能です。
計10ヶ所まで保存でき、その時の画面状態まで保存してくれるのはマルでした。
尚、上記の修正ファイルを当てるとそれ以前のセーブデータは全て消えてしまうので、出来ればプレイ前に修正ファイルを入れることをおすすめします。
◇ グラフィック
原画は「藤原々々」さん。
キャラデザインはともかく、立ち絵などの表情パターンがもう少し欲しかったところですね。
CGは背景なんかがかなり暗めなので地味という印象を受けます。
またキャラの立ち絵なども結構不満が残る塗りでした。
CG枚数は特に少ないとは感じませんが、エロシーン以外で印象に残るよう物は無かったです。
CGモード・エロシーン回想モードは最初からトップメニューにあるのでいつでも見れるようになってました。
◇ サウンド
CD-DA再生の全10曲。
ちょっと少ないですけど曲自体はなかなか良かったです。
1曲がそれなりに長いのにゲーム中では全て聴ききらないうちに別シーンになってしまったりするので音楽モードとかでじっくり聴いた方がいいかも。
またこのゲームにはおまけで前作『Moe』や今回のVocal collectionの音楽CDがついていて結構嬉しかったです。
OP主題歌の「innocent Eye's」はなかなか気に入りました。
音声は主人公以外は一通り喋りますけど…演技はお世辞にも上手とは言えないですね。
場面によっては個人的に聞くに耐えられないレベルのものもありました。
◇ 感想まとめ
このゲームのシナリオ展開を1ヵ月後に詳細に思い出せるかどうか自信が無いってくらい印象が薄いです。
自分達の居る建物内で爆発事故。
しかも全隔壁が閉鎖されて外には出れないという状況にも関わらず緊迫感がまるで伝わってこないし、ピンチになるようなシーンでも自分達で勝手に騒いで勝手に解決してしまい、プレイヤーの介入する余地が無いのもなんだかなぁ…といった感じです。
各キャラの印象も薄いです。
「紫音」と「美琴」なんかは舞台とキャラデザインを見れば設定がバレバレで、しかもその辺りのイベントやテキストが淡々と流れていくのが凄く勿体無く思いました。
偶に入るイベントなんかでは結構各キャラの回想シーンなどを用いてそれぞれの境遇などを語ってくれるんで、後は演出面でもう少し見せてくれたら結構良くなると思うんですけどね…。
あと概要で書いたように、このゲームはアイテムをある程度駆使して進んで行くんですけど…少々ヌルイです。
各階を全てまわって何処に何があったのかを覚えてればサクサク進むので個人的にはかなり物足りなかった。
それと都合のいいように各階層に散りばめられたアイテム群がやや不自然に感じましたけど、この辺りは突っ込まない方がいいのかなぁ(苦笑)。
『遺作』のように黒幕が主人公を悩まそうとしている展開とは違うんだから、この辺りももう少し凝ってくれれば個人的には嬉しかったんですが…。
エロシーンは各キャラに2~3種類あり、そのうちのいくつかがバッドエンド用の陵辱シーンです。
シーン自体は…これも結構淡々と進みますね…。
CG枚数は1シーンにつき2枚くらいで少々少なく感じるかも。
エンディングはハッピーエンドであっても大団円なものは無いのでちょっと納得行かないものがありました。
わざわざ救いの無い展開だけにする必要もなかったのではないかなぁ…と。
しかも哀しい展開にも関わらずエンディングでもくるものが無かったですし。
設定なんかは割と好みだったんですけど、私の期待した展開とは違ったというところでしょうかね。
「貴方を私のものにしてあげる」というコピーにも惹かれましたけど、残念ながらキミのものになれなかったです。
◇ お気に入りキャラ
全体的にキャラへの思い入れとか萌え度は低いです。
敢えてお気に入りキャラを挙げるとやっぱり「紫音」でしょうかね。
◇ 備考
所要時間: 1'stプレイ約2時間 2nd以降は0.5~1時間
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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