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俺の巫女さん
発売日:2000.11.30 / evolution

◇ あらすじ

 家族全員が超能力者で、その能力ゆえに問題を起こしては引越しを繰り返してる主人公「春日野 俊介」。 両親は海外で仕事をしてるため今回も妹の「美夏」と二人で新しい町へ引っ越してきた。
 そんな主人公には一つ大きな野望があった。 それは“街中を自分好みの巫女さんで溢れかえらすこと”。 そんな彼の持つ能力は「物質変換」、この能力を使い巫女さんにするに相応しい女の子を探しに早速街中を探索する主人公。 そして街外れにある神社で正しく自分の理想とする巫女さんを見かけるのだった。


◇ ゲーム概要

 場所移動とと会話中の選択肢によって進行・分岐するオーソドックスな恋愛ADV。 移動は1日に1回、学校内と町内から移動場所を選択することになり、誰が何処に居るのかは顔アイコンが表示されるのでお目当てのヒロインを追いかけること自体は難しくありません(一部例外もありますけど)。 その分選択肢の方が若干シビアに設定されているようで、難易度はやや高めといったところだと思います(一人だけ異様に難易度の高いキャラが居ますけどね)。

 登場するヒロインは5人。 ゲーム期間は12月1日から年末までありますけど誰のエンド条件も満たしていない場合はクリスマスでいきなり終わります。


◇ システム

 インストールサイズは約570MB。一度インストールすればメディアレスで起動可能。
 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンから選べ、デフォルトではフルスクリーンになってます。 メッセージは表示速度を3段階で調整可能。 スキップも「未読制御」にチェックを入れることでしっかり既読テキストのみを飛ばしてくれるので有り難いですね。 これでテキストのバックログ閲覧機能があれば完璧でしたけど、残念ながらこれは装備されてませんでした。

 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で、計20ヶ所まで登録できます。 ヒロインは5人で一人あたり4ヶ所といったところなのでまずまずではないでしょうか。


◇ グラフィック

 原画は「柏木啓吾」さん。 目が少し大きめの可愛い感じのキャラを描かれる方ですね。 キャラの書き分けもしっかりしていて個人的には結構気に入りました。

 CGの質もなかなかで上の下ってとこでしょうか(謎)。 枚数的にはそれほど多くは無いのですけど、ゲームがテンポよく進むので次々にCGが表示されていく感覚がして特に不満は感じません。
 CGモードとエロシーンの回想モードはトップメニューより入れます。


◇ サウンド

 PCMの全18曲に主題歌(これもPCM)を含めた19曲という構成です。 BGMで特に印象に残ってる曲はないですけど、悪くは無かったです。 主題歌「Pray」は曲名は某『恋ごころ』の挿入歌と同じですけど雰囲気は全く正反対の明るい感じの曲で、曲・歌詞ともにゲームによく合っていてお気に入り。 この主題歌は初回版だとフルコーラス版とカラオケを含めたシングルCDがおまけで同梱されています。

 音声はヒロイン5人がフルボイス。 演技の方もまずまずですし、どの声もそのキャラに合っていて良かったと思います。 それと余談ですがCD-ROMのomakeフォルダに各キャラのシステムボイスが収録されてますので気に入った方は設定してみては如何でしょうか。
 音楽モードはトップメニューより入れます。


◇ 感想まとめ

 超能力で騒ぎになって転校を繰り返す…という某「オレンジ☆ロード」そのまんまの設定(そういえば主人公の名前も似てる)で、全体的にもバカゲーというよりラブコメの要素が強いですね。 とりあえず「この町を俺好みの巫女さんで溢れさせてやるぜぃ!」という冒頭の主人公の野望を期待すると外す可能性ありです。

 このゲームの主人公はテストでわざと回答を間違えないと満点を取ってしまうという成績で、スポーツも万能でケンカも強いという設定。 そのためか序盤の会話やイベントなども常に登場ヒロインより優位な(悪く言うと見下した)やり取りで進み、更に「物質変換」の能力を持っているので気に入った娘の服などを勝手に巫女衣装に変換してしまう我侭っぷりが目につきます。 ただ本人にその自覚は無いし、コミカルなノリで進むので主人公に嫌悪感を抱くようなことは無かったです。

 それよりもそんな主人公に翻弄されながらも惹かれてしまったヒロインとのラブコメの部分が個人的にはなかなか気に入ってしまいましたよ。 テキストはやや尻切れ状態な感じはしますけど、テンポよくサクサクと進み、会話のノリも楽しかったです。 ただ、登場キャラに巫女服を着せて「ほうら、巫女さんだよ〜」という展開はちょっと納得いかない…というか巫女さんを安売りすんなよぅと思う自分が居るのも事実ですけどね。最近、他ゲームでも巫女さん増えすぎだし。
 そんな中、メインヒロインの「乙姫紫苑」だけは他のヒロインと展開が異なって生粋の巫女さんで、物語も主人公が巫女フェチになった理由とかも明かされたりするのですけど…はっきり言ってこっちはつまらなかった(苦笑)。 もちろん無いよりはあった方が良いんですけど、もうちょっとインパクトのある展開にして欲しかったです。

 エロシーンは…主人公が勝手に巫女服に変えたヒロインを見て「なんか興奮してきたぞ…」という理由で無理矢理襲う展開が幾つかあります。 そのためエロシーンの殆どが巫女衣装で、ヒロイン1人あたり2〜3回ありました(複数ヒロインに手だし可能)。 他の恋愛ゲームだと即バッドエンドになりそうな強姦シーンですけど、このゲームの場合はそうしないと攻略不可です。 中には「御払い」と称してHするシーンもあって、このおバカなノリは同ライターさんの『淫声』に通じるものがあるなぁ…とか思いました(笑)。

 まとめると結果的には楽しめたゲームですが「巫女さんならでは」の展開というものが殆ど無かったのが残念と言えますね。 まぁあまり深いシナリオを期待せずに巫女衣装のキャラが多数出てくるお気楽なラブコメ物としてならそれなりに楽しめる内容だと思います。


◇ お気に入りキャラ

 巫女さんとして云々は置いておいて、キャラ的に1番気に入ったのは「闇討 雛子」でしょうかね(なんかすごい苗字ですが)。 主人公とのコミカルなやりとりがなかなか楽しかったです。 そいういう意味では妹の「美夏」も気に入ってますが、彼女は義理じゃないから…(以下略)。


◇ 備考

 所要時間: 1'stプレイ2時間、2nd以降1時間前後。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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