Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

るなシーズン 〜150分の1の恋人〜
発売日:2000.11.24 / emu

◇ あらすじ

 主人公「朝宮祥介」は性格やルックスは標準以上の普通の学生だが、今までに女の子に振られてきた人数は149人という極悪に悪い女運の持ち主。 主人公と付き合うと女の子の方まで運が悪くなり、主人公が足掻けば足掻くほどその状況が悪化していき、一人として長続きはしなかった。
 そんな主人公も現在は150人目の恋人「桜野真希子」と一月以上も関係が続き、ついに自室に招き入れるところまで辿り着けた。 …だが、ここで主人公は強引に彼女を襲ってしまい、翌日には彼女にも振られてしまうのだった。
 こうして150回目の失恋を迎えた主人公…彼に明るい未来はあるのだろうか?


◇ ゲーム概要

 基本的には学園内を移動し、女の子と会って好感度を上げていくタイプの恋愛ADVです。 移動は昼休みの1時間のみで、移動する毎に決まった時間を消費する仕様になってますが、移動先に誰かが居る場合は「?」マークが表示されるので、誰にも会えないという状況は免れます。 それでもお目当てのヒロインに会えるまでセーブ&ロードの繰り返しになる場合もありますけどね。
 一応お助けアイテムとしてヒューマンサーチエンジンという何処に誰が居るのか判るアイテムが貰えますけど、普通にプレイしてたらまずお目にかかれません。

 ゲーム期間は10月4日からの約1ヵ月。 攻略可能なヒロインは5人で、各シナリオにはバッドエンドとして陵辱ルートが入っています。 この陵辱ルートはアリスの『SeeIn青』のようにコンフィグでON/OFFを設定できるようになっていて、OFFの場合は陵辱シーンへの選択肢が出てこないようになってました。


◇ システム

 インストールは標準で400MB、最大で600MBの容量を必要とします。 最大インストールしてもゲーム起動にはCD-ROMが必要。
 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通りから選択可能。 メッセージは表示速度を好みで調整可能。スキップは「CTRL」キーでできますけど、スキップの最中でも音声を再生しようとするので音声再生部分で引っかかり、あまり快適ではなかったです。

 セーブやロードは移動場所の選択画面以外で可能です。 先にも書いたように移動先の「?」マークが誰か判らないためセーブ&ロードを駆使する場合もあるのに移動シーンでセーブできないのは不親切だと感じました。 保存領域は10ヶ所。 個人的にはもう少し余裕を持たせて欲しかったところです。


◇ グラフィック

 原画は「甲斐」さん。目が大きめで髪もやたらボリュームがあるのが特徴です。 キャラデザイン的にそれほどヒットした訳でもないし、頭部が大きめなので少々アンバランスに感じてしまいました。

 CGは比較的くっきりとした色使いですが特に惹かれるものは感じませんでした。 枚数もやや少なめで、どちらかと言えば不満が残ります。
 CGモードはトップメニューのおまけから入れるようになっていて、他にエロシーンの回想モードもありました。


◇ サウンド

 BGMは全てWAVファイルでフォルダに転がってました。 曲数は12曲+主題歌となってます。 BGMの方はあまり印象に残ってないんですけど、主題歌「Color of happiness」は良かった。 AKIさんのヴォーカルもなんか久しぶりでしたし(笑)。
 ただこの主題歌、ゲームでは再生されないんですよね…。 ゲームをインストールするとデモも一緒にインストールされ、そちらで主題歌(short版)が再生されるようになってました。 一応フルコーラス版もCD-DAで収録されてます。

 音声は攻略可能なヒロインのみ入ってます。 演技の方はなかなかのレベルだったと思いますよ。 不満があるとすれば音声再生まで多少もたつく感じがすることくらいでしょうか。
 音楽モードはCGと同様にトップメニューのおまけより入れるようになってました。


◇ 感想まとめ

 150回もの失恋という設定から昔の某ドラマのようにトラックの前に飛び出して「僕は死にましぇん!」と叫ぶ展開があるのかと思いきや、主人公は結構モテる奴でした。…ちっ(謎)。
 そんな彼が振られまくる理由が「運の悪さ」なんですけど、この設定がなんとか活かされ、解決してるのが前の恋人「真希子」シナリオだけで、後は殆ど活かされてないのが非常に勿体無いと感じました。 他のキャラは「150回も振られる前になぜ恋人同士になれなかったのか」が不思議に感じてしまうんですけど…。 それにどうせなら全てのキャラに真希子を絡ませ、根本的な解決をさせて更に真希子の心理描写を上手く表現できれば良かったんですけどね。

 シナリオ以外のゲームデザインですが、ホントにCROWDの別ブランドなの?と感じるほど不親切で不安定でした。 移動シーンでセーブできないのは先にも書きましたけど、お目当てのヒロインに会っても挨拶の後に「○○と××について話した」というテキストが表示されるだけで思いっきり手抜に感じるし、他にもミニゲームが2種類、どのシナリオでも強制で発生し、これがまたつまらないことこの上ないんですよ。 はっきり言って進行の妨げになってるとしか感じません。
 ミニゲームはバザーでの売上と人形劇があるんですけど、せめてそれらで高評価が得られたときに好感度の高いキャラのCGを表示するくらいのご褒美がないと単にかったるいだけのイベントでしかありません。

 もう一つ、個人的に合わなかったのがテキスト。 ゲーム本編とは全く関係のないことをだらだらと説明するのはやめて欲しかった。 主人公の部屋のカーペットが安物で静電気が酷いとか部屋の壁紙がくすんでる理由なんて私から見たらかなりどうでも良いことでしたから。 そんなこと説明する容量があったらヒロインとの会話パターンの一つでも増やして欲しいところです。

 エロシーンは終盤に一回。 陵辱シーンをONにしてればそちらもバッドルートとして見れますけど、全体的にあっさりと終わってしまいます。

 まとめると設定やゲームデザインを今ひとつ活かしきれてない作品という印象を受けました。 はっきり言って“良かった探し”に苦労します(苦笑)。 ま、AKIさんのヴォーカル曲が聞けたので、その点では満足なんですけどね。


◇ お気に入りキャラ

 家が貧乏という設定の「津幡かなみ」かな。 シナリオはあまり印象に残ってませんが…。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ1.5〜2時間 × 5回。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO