Rascal・改 − Game Impression
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お約束LOVE
発売日:2001.06.29 / 林組

◇ あらすじ

 海外出張が多い父親のため、半ば一人暮しをしている主人公。 そんな彼はある日、街中で呼び止められた謎の占い師から、通常は一人につき一本しかないはずの「運命の赤い糸」が主人公には5本も存在することを告げられる。
 しかし、本数が多い故にその糸は非常に細くて切れやすいらしく、もしも全ての糸が切れてしまったら主人公は一生未婚のまま過ごすことになるという…。 それを回避するにはひと月後の主人公の誕生日までに「赤い糸」を一本に絞り、その娘と共に誕生日を過ごさなければならない。 果たして主人公は無事に運命の女の子と結ばれるのだろうか。それとも…。


◇ ゲーム概要

 全6話で構成されたラブコメADV。 ゲームは選択肢を選んでいくことで進行していく定番のもので、殆どの選択肢はシナリオ分岐やイベント内容に密接に関係していてダミーの選択肢は殆どありません。
 登場するヒロインは一応5人。 エンド総数はバッドエンドも含めると7種類です。

 余談ですが、このゲームは1話毎にオープニングとエンディングが流れたり、各章の中盤にアイキャッチが入ったりして、アニメ放映を意識してるっぽい作りになってます。 それは別に良いんですけど、オープニングやエンディングの後に毎回CMや提供のテロップが挿入されるので少々鬱陶しいです(2ndプレイ以降はスキップ可能になりますけど)。 CMの内容は他メーカー(Witch、サーカス、LiLiM、BLACK PACKAGE、UNKNOWNなど)のゲームのCMだったりして笑えるんですけど、毎回見せられてもねぇ(苦笑)


◇ システム

 インストール容量は約1.2GB。 一度インストールすれば以後はメディアレスで起動可能になります。
 画面サイズは800×600の窓とフルスクリーンの二通り。色数も選択可能でした。 メッセージは表示速度の調整、既読スキップ、テキストログの閲覧などに加え、自動送り機能も備わっていて必要と思われる機能は一通り揃ってると思います。 動作も快適で不満はありませんでした。

 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で、計30ヶ所まで登録できます。 セーブした時点の画面状態も登録してくれるのでゲーム再開時にわかり易いです。


◇ グラフィック

 原画は「村上水軍」さん。 立ち絵の表情パターンがなかなか多めで良かったです。 背景やイベントの一枚絵も塗り・枚数ともに及第点で不満を感じることはありません。
 CGモード、エロシーンの回想モード共に最初からトップメニューより入れるようになってました。


◇ サウンド

 音源はWAVで曲数はBGMが20+ボーカル曲3の計23曲。 ゲームの雰囲気に合った明るい感じの曲が多くて良いと思います。 でもお気に入り曲を挙げるならしんみりする「お約束LOVEオルゴールバージョン」かな。 OP曲は某ルート限定で異なるものが再生されたりと結構凝ってますね。

 音声は主人公以外フルボイス。 各声優さんとも演技のほうは良い感じで不満はありません。 特に私は「謎の少女」の声が可愛くてお気に入り。 尚、主人公の名前は「直人」で固定されてる為、ヒロイン達が主人公を呼ぶ場合も声ありです。
 音楽モードは最初からトップメニューより入れるようになってました。

 それと余談ですが、このゲームのボーカル曲の3曲は残念ながらCD-DAでは収録されてなかったんですけど、Disc1のomakeフォルダ内にボーカル3曲のmp3ファイルがあます。
※現在はサントラも発売されているし、林組のボーカル曲集などもあるのでCD-DA版も入手可能です。


◇ 感想まとめ

 雰囲気的にはノリ良いエロラブコメディと言った感じで楽しく、タイトルに偽り無しのお約束な展開がひたすら進んでいきます。 あまりにもベタなので逆に新鮮さすら感じてしまうくらいです(笑)。

 幼なじみの女の子と幼少時代に結婚の約束をしているのはお約束。 転校生の女の子が実は幼なじみである事もやっぱりお約束…。 ということで、幼なじみ+巫女さんの「柳 雛子」と、主人公へのツッコミに上段蹴りを食らわす元気転校生の「彩辻 悠」、それに「謎の少女」を加えた3人は、お約束でノリの良い展開とキャラの魅力もあって気に入りました。

 ただ、このゲームは複数のヒロインのシナリオが同時に進んで行く構成なのに、それぞれのシナリオ間の繋がりが殆ど無かったのが惜しいですね。
 イベント単体では他のヒロインとお弁当を一緒に食べてるところを目撃されたり、抱き合っているところを目撃されたり(これもお約束?)…と言った感じで他のヒロインが絡んでくる事が結構あるのですが、全体の流れを見るとシナリオ間の整合性がとれておらず、主人公は「今はこの娘、今度はあの娘…」って感じでらふらとヒロインに手を出しまくってる優柔不断な男にしか見えなかった。 その為に主人公やヒロインの言動に不整合が生じてしまってるのが残念です。

 エロシーンは1ヒロインにつき2〜4回程度発生します。 最初は処女だったヒロインが回数を重ねる毎になんだかんだ言いながら段々と積極的になっていく様がなかなか良かったです。 声優さんも上手いし、シーン自体は短めながらも描写やシチュエーション共に各キャラに合っていて満足。
 あと、先にも書いたように複数のヒロインのシナリオが同時に進んでいくので、お目当てのヒロイン以外のエロシーンも半ば強制的に発生します。 入れ食い系の展開は好きですけど、なんかゲーム構成上の手抜きっぽく感じて今ひとつ有難みが薄かった。 どうせならこの構成のまま二者択一を迫られるような修羅場を用意したり、ハレーム系の展開を加えたりして欲しかったところですね。 それにヤリ逃げされた形になったヒロインに何のフォローも無いのが残念です。

 ノリの良さとエロシーンの豊富さは長所として楽しめますが、あちこちで色々と細かい不満の残るゲームでした。 まぁ軽くラブコメを楽しむ分には大きく外すことは無いんじゃないかと。


◇ お気に入りキャラ

 幼なじみで巫女さんな「柳 雛子」です。 悠も蹴りを食らわす時の表情が『Canvas』の恋を彷彿とさせてお気に入り。
 ちなみにオタクなメガネっ娘の「倉橋 冥」は「人の話を聞けよオマエは(--;」って感じでムカつきました。


◇ 備考

 所要時間: 1'stプレイ約2時間。コンプリートまで約9時間


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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