Rascal・改 − Game Impression
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吉亜の丘で寝ころんで…
発売日:2001.07.06 / Mesa

◇ あらすじ

 平凡な生活を送っていた主人公「柊 衛」。 彼の叔父は有名な官能小説家だったが、ここ最近になって性的不能のため小説の執筆に支障が出てきたとの事で主人公に代筆を依頼してきた。
 叔父の用意してくれた環境は山間の温泉街にある旅館の一室。 主人公はここで満足のいく官能小説を書くことができるのだろうか?


◇ ゲーム概要

 ゲーム中の選択肢を選んでいくことで進行していくADV。 実はコンプリートした今でもこのゲームの仕様ってよく解らないんですけど、始めのうちは選択肢に制限が掛かっているようで、どうやら特定のイベントやエンドを迎えると新たな展開を迎える事が可能になるようです。
 新たな展開を迎える事が可能になるとトップメニューに途中からプレイ可能な栞が表示されるんですけど…この場合は前プレイで主人公が起こした行動が物語の中で反映されている場合があります。 例えば前プレイで火事を起こした場合、その家が最初から廃墟となってしまっているという具合。
 判り易く書くと何度も同じ時系列の物語を繰り返すんですけど、条件を満たす度に微妙に初期の頃とは違ってくるという感じでしょうか。

 攻略対象キャラは計7人…かな。 先に書いたように最初のうちは制限があるようで登場すらしないキャラもいます。 難易度はコツさえ掴んでしまえば簡単な部類に入るかと。


◇ システム

 インストールに必要な容量は最小100MB、標準320MB、フルインストールで約520MBほど。 フルインストールすればメディアレスで起動可能です。

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通り。 メッセージは5段階の速度調整可。次の選択肢までの強制スキップがありました。 これでテキスト履歴も見れるようなら文句は無かったんですが、残念ながら履歴閲覧機能は無いようです。
 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で計12ヶ所まで登録できます。 少なく感じますけど選択肢の数はそれほど多くないですし個人的には十分な数だと思います。


◇ グラフィック

 原画は「皇 祐介」さん。 一般受けしそうな可愛い感じのキャラだと思います。 キャラの立ち絵はそれほどパターンがありませんけど、テキスト枠横のフェイスウインドウで表情変化します。

 CGは背景も含めて全体的に綺麗に描かれていて個人的な満足度は高め。 欲を言えばもう少し枚数が欲しかったところですね。
 CGモード及びエロシーンの回想モードはトップメニューより入れるようになってます。


◇ サウンド

 PCM再生の計26曲。曲のほうは何か古臭さを感じました…音数が少ないからかな? 昔のファミコンのADVゲームっぽいと言ったら失礼かも知れませんけどそんな感じ。 お気に入り曲は一応「それゆけ!!変態カーニバル」かな…投げやりな曲名もステキです。

 音声は女性キャラのみ入ってますけどフルボイスではなく、特定のイベントやエロシーンでのみのパートボイス。 喋ったり喋らなかったりするのはプレイしていて気分の良いものでは無いのでやっぱりフルボイスにして欲しかったところです。 演技のほうは割とよさげでした。
 音楽鑑賞モードはトップメニューより入れるようになっています。


◇ 感想まとめ

 パッケージ裏の謳い文句に「ハートフルクロスリンクアドベンチャー」とあったんですけど意味不明なのでメーカーサイトを見てみました。 曰く“主人公の行動とヒロインの行動がリンクしたとき、何かが起こる。「クロスリンクアドベンチャー」。”だそうです。 …それってほとんどのエロゲもそうだよな…?

 ゲーム内容は何て言ったら良いんでしょうね…なんか色々やってます。 ファンタジーというか伝記物の物語がメインで展開していくんですが、当初の目的の通りエロ小説を書いて帰宅する展開もあれば、出会った娘と仲良くなって終わる展開もあり。 主人公が鎖で拘束されてSッ気たっぷりなお姉さんに犯される展開もあれば、何やら主人公が覚醒してヒロインに陵辱する展開もあり…っていうか一度に何でもかんでもやろうとし過ぎじゃないでしょうか?
 一つ一つの物語は割と短めで謎に関しては殆ど説明されず、プレイヤーが勝手に解釈してくれって感じなんですけど、ゲーム中はただひたすら起こっている事だけが語られていくので咀嚼しようにも圧倒的に情報が不足していて如何ともし難いです。 このゲームは『好色文豪』という原作があるらしいんで、そっちを読めば少しは判るんでしょうかねぇ。

 ヒロイン達はセリフや口調から個性は出ています…が、出会いからエロシーンまでの間にイベントらしいイベントがほとんど無く、今一つキャラの魅力を引き出せて無いのでどの娘も発情してるように見えてしまって勿体無いです。 しかもどのヒロインも結末が報われない展開ばかりで尚更…。 唯一救いがあるのが旅館の一人娘の「寧」でしょうか。 このキャラも母親との関係に何らかの謎がありそうなのに何も解明されてないですけど(苦笑)。

 エロシーンは総数で見るとそれなりの数が用意されています。 とは言っても一人あたり1〜3回程度ではありますが。 中にはエロ小説書きながらHするという離れ業を見せてくれたりして笑わせてくれるシーンもあり。
 全体的にシーン自体はフェラにやたら拘ってる感じでフェラシーンだけはやたら長いです。 チュパ音などは割と良い感じで入っているし使えるとしたらこのあたりかな。 その反面、挿入後はあっさり終わってしまいますけど(苦笑)。

 まとめると、何に期待してプレイするにしても全てが中途半端ってところでしょうか。 結局、叔父は何をしたかったのか、主人公は何者で吉亜の丘に出るアレは何なのか。 コンプリートしたにも関わらず達成感は全く感じることの出来ないゲームでした。


◇ お気に入りキャラ

 旅館の一人娘「木ノ内 寧」。 猫耳+巫女の「美亜」。 屋敷に住む令嬢「緋抄 玲香」。 盲目のお姫様「マリロ」あたりが候補ですね。
 なんかどのキャラも決め手に欠けて絞り込めません。かと言って「無し」ってのも寂しいし。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ約1〜2時間。コンプリートまで約8時間


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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