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インナーパレス 〜白き後宮〜
発売日:2001.10.19 / NOA

◇ あらすじ

 古より交通の要所として栄えたプロネア王国。 一夫多妻制の文化を持つプロネアでは現国王であるトキナ王も5人の王子を授かるものの、どの王子も愚息ばかりで後継ぎの件は悩みの種だった。 だがそんなプロネアに一筋の光明として第六王子が誕生する。 他の王子達と違い聡明な第六王子「レオン」は兄達の甚六を尻目に健やかに成長し、やがて元服の儀を迎えることとなった。
 プロネアでは元服を迎えた王族は後宮(ハーレム)を持てるようになり、レオンも例外なく後宮を与えられ教育係の「カサンドラ」と昔からの専属メイド「アニス」を側室に迎えることとなる。 そして元服したレオンには王位継承権も与えられることになるのだが、その順位はこれからの国政の手腕によって決められ、もしも王位継承権1位を与えられた場合は側室の中から一人を正妻として迎えなければならない。 はたしてレオンは一年後に王位継承権を取得することができるのか。 そしてそれまでに何人の側室を後宮に迎え、誰を正妻として選ぶことになるのだろうか。


◇ ゲーム概要

 数人居る側室の中から最大3人を選んで4Pの組み合わせを楽しめるというハーレムメイキングSLGです。 ゲームは「学力」「体力」などの自己育成と、「経済力」「軍事力」の国政を1週毎にスケジュールを組んで実行していくタイプ。 プレイヤーはこれらのパラメータを上げつつ側室に迎えられるヒロインを増やしていくことになるのですけど、パラメータ上げの方は比較的簡単。

 登場するヒロインは計8人。 毎月の月末に後宮に居るヒロインの中から3人を選んで夜伽を行えます。 ヒロインを側室に入れる条件などで多少苦労しそうですけど、「市中視察」などを何度か行ったり、自己能力が一定以上いけば側室に迎えられるヒロインがほとんどなので全体的な難易度もそれほど高くない筈です。


◇ システム

 インストールに必要な容量は最低25MB。 それにグラフィック(75MB)、BGM(155MB)、ボイス(245MB)をそれぞれ選択肢してインストール可能。 フルインストール時の容量は約425MBで、この場合はメディアレスで起動可能。

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通り。 メッセージは一応表示速度の調整が可能なんですけど、なんか凄くぎこちない動きをします。 あと今どきメッセージスキップがありません。 もちろんテキスト履歴なんて物も装備されてくて、このあたりは大きな減点材料かと。
 セーブやロードはスケジュール画面でのみ可能で計16ヶ所まで保存できます。 まぁ私はそれほどセーブ&ロードを多用した訳ではないので十分な数だと思いました。

 全体的にクリック後の反応が遅く(無効になる場合もある)、メッセージスキップもないのでプレイ中は結構ストレスが溜まることがありました。 正直言って一昔前のゲームよりヘタレてると思います。


◇ グラフィック

 原画は「FUGO」さん。 瞳の描き方が特徴的で精巧な人形みたいなキャラだなぁと感じてしまいました。 立ち絵のパターンはそれなりに多く、表情だけでなくポーズも変化するのは一応評価できるかと。

 背景は細かく描かれてるしCGの塗りに関しても及第点。 ただ、なんていうか…いかに手を抜いて多くのCGパターンを見せるかに凝ってるようで、エロシーンのパターンが他キャラの使い回しという物がやたら目立ちます。 ようするに頭部と胸の大きさだけ描き変えて、ポーズはそのまま…というアイコラのようなCGが多数なのです。 他にも左右反転させだけというのもあって笑ってしまいます。 エロシーン以外のイベントCGは少な目。

 CGモードやイベント回想モードは一度エンディングを迎えた後に入れるようになります。 ただ、階層化されたメニューをいちいちクリックしていき、一枚表示後はまたメニューに戻ってまた別のCGを選んで…という事を繰り返す必要があるのでイライラします。 しかも表示までの反応が遅いので尚更…。 どうしてここまで使い難い仕様にする必要があるのか理解に苦しみます。


◇ サウンド

 PCM(DirectSound)再生の全12曲。 一部で音が割れて再生されましたし、全体的に音質は悪かったです。 一番印象に残ってる曲は夜伽シーンでかかる「鼓動」という曲。 もう凄まじい雑音でしたよ…。 今まで音声の演技力が聞くに耐えれなくてOFFにしたゲームがいくつかありましたが、BGMをOFFにしたのは過去に音割れの酷かった『卒業写真2』以来2回目です。 どうしてこんな不快な音が採用されるんでしょうか…何かの拷問ですか?
 エンディングではボーカル曲「Happy Birthday」が再生されます。 ゲーム内容と誕生日が結び付かないんですけど、どうでも良いですね。 ボーカルは一部で熱狂的な信者のいる「長崎みなみ」さん。 でも電波はそんなに出てませんでした。

 音声はエンディングのあるヒロインのみで、セリフは全て喋ります。 演技のほうもまずまずで特に不満はありませんでした。
 BGM鑑賞モードは一度エンディングを迎えた後に入れるようになりました。


◇ 感想まとめ

 男の永遠の夢であり憧れであるハーレム…。後宮に美女を侍らせて彼女達の激しい奉仕に耐えつつ全ての女を満足させ、彼女達のぬくもりと汗と愛液の入り混じった臭いの中で微睡む…。 そんなささやかな夢を持つ私が「ハーレムメイキングSLG」と謳うこのゲームに思わず手を出すのは至極当然なことと言えるでしょう(笑)。

 エロシーン(夜伽シーン)は最初から側室が2人いる状態なので、いきなり3Pから可能なんですけど…多人数ならではのやり取りがほとんど無くて些か拍子抜けしたというのが正直なところです。
 最初から側室になってる2人以外は後宮に迎えるまでにそれなりのイベントとエロシーンが用意されてますが、一度後宮に入ってしまうとその後はどのヒロインを組み合わせてもキャラの特徴を生かしたやり取りというのが無く、アイコラのようなパターン違いのCGを回収する作業になってしまうのが本当に残念。 極一部のキャラ…例えばメイフェアなどは3Pを嫌がるというイベントがありましたけど、それも最初だけで後はその他大勢のヒロインと何ら変わらなくなってしまいますし、もう少しキャラの組み合わせなどによって個別のイベントを入れて欲しかったところです。
 夜伽の種類も基本的には「フェラ」「本番」「アナル」の3つだけなので変化に乏しく、すぐに飽きてしまいます。 某ふたなりなヒロインを側室に迎えれば「2本刺し」も可能になりますけど、今回そっち系は期待していなかったし正直言って引いてしまいました(苦笑)。

 自己育成や国営などのパラメータ管理は難しくないですし、ヒロインの出現条件や側室に迎える為の条件もそれなりに上手くバランスが取れていると思います。 ただ、イベントの絶対数が少ない上に必要最低限のやり取りしかないので感情移入するとかキャラに萌えるとかは全くなくて淡々と進行していってしまうのが凄く勿体無いですね。

 一応売り文句に偽りは無いものの、作り手側のキャラへの愛着とかエロシーンその他に対するこだわりというのがプレイヤーである私に全く伝わってこなかったので、正直プレイしていて面白さを感じることが出来ませんでした。 設定的にはかなり惹かれるものがあっただけに作りの雑さが惜しまれるゲーム…と言ったところです。


◇ お気に入りキャラ

 幼なじみで隣国のお姫様である「メイフェア」かな。 次点でメイドの「アニス」といったところ。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ約1〜2時間


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

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