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子羊たちの楽園
発売日:2005.02.25 / イグニッション
 全CGと回想を埋めてコンプリート。プレイ時間は1stプレイで5時間弱。難易度は低め。

 主人公リュー・バーナード は孤児であったが教会の神父であるオルバに育てられ、同じく孤児であった義姉のアイナと共に王国のフレイヤードと呼ばれる地方都市の教会で暮らしていた。 その主人公が在籍している学園でグループ編成が行われることとなったが何故か一緒になったメンバーは主人公を含めて問題児ばかり。 しかもそのグループでなし崩し的に副班長をやることになってしまい悪戦苦闘の日々が始まるのだった…というあらすじのファンタジーADV。

 攻略対象キャラは3人。 序盤はゲームの世界観と登場キャラ達の紹介&説明を兼ねたコミカル風味な展開で進んでいく感じになっています。 このあたりのバランスはなかなか良くて説明不足を感じることなく冗長になることもなく上手く登場キャラ達とのやり取りの中でプレイヤーにゲーム内世界を説明することに成功してると感じました。

 ただ序盤はレオやジュリオなどの男キャラや非攻略ヒロインの双子のキャラが立ちすぎていてメインヒロインと思われるクレアの影が思いっきり薄いのは問題かも知れません(笑)。
 余談ですがこのサブヒロインの双子、主人公に対してクラスメイト以上の感情を持っていないというのが少し新鮮でした。 主人公は面倒臭がり(でもやれば出来る子)なよくあるエロゲ主人公なんですけど、こういう何処に惹かれる要素があるのかよく判らん主人公がモテまくるエロゲが多い中、徹底的に恋愛感情を排除しつつも友人としてメインヒロイン並にキャラが立ってるサブヒロインってちょっと珍しいなぁと思った次第。 (私がプレイした中では『シャマナシャマナ』のラビが近いですが、彼女は主人公に好意を持ってましたしね)

 話が逸れたので戻します。 まぁそんな訳でメインヒロインのクレアは萌え度に関してはちょっと弱いかなぁといった印象を受けます。 これは中盤になってから登場するヒロインの巴にも言えることですが完全にサブキャラに食われてるんですよね。 そんな中、義姉のアイナは主人公に対する甘えっぷりがなかなか強烈で非常に良い感じでした。

 中盤から終盤にかけてはヒロインと結ばれてエロシーンを何度か交えつつ、ヒロインの設定に深く関わるシナリオに突入していき、面倒臭がりだった主人公がヒロインの為に奔走する定番パターンとも言える展開になります。 このあたり多少強引さや都合の良さを感じたし、意表を付く展開や絶妙な伏線による仕掛けなどもないのですが、先に書いたサブキャラ達が良い感じで絡んでヘタってる主人公を炊きつけてくれるし、話としてもほどよく纏まっていて素直にストーリーを楽しめる展開だったのは個人的に好評価しています。

 エロシーンは一人あたり5回。 いくつかのシーンで導入部分が弱く感じたり某ヒロインの声優さんの演技にそこはかとなく不満を感じたりもしましたが、実用度はそれなりにあるんじゃないかと思います。 個人的には巴のエロシーン全般が割とお気に入りで、巫女ゆえに挿入を拒みつつ、あちこちいぢられて快楽に喘ぐ様はなかなか良かったです。

以下、ちょっとヒロイン毎の雑感(ネタバレあり)

クレア・クリステル
 天然ボケシスターで恐らくメインヒロインなのですけど、先にも書いたように序盤の影は悲しいくらいに薄いのが不憫。 正規ルートに入ってからもクレアの設定や展開はベタながら割と気に入ってますが、それでもメイドのメルティナや友人のレオなどの方がかっこよくってインパクトがありましたからねぇ(笑)。 ラストはちょっと強引だけどああいう展開も嫌いじゃないので個人的には無問題。

アイナ・バーナード
 街では有名な「聖女」だけど家の中では主人公にベタベタ甘えてくるブラコンお姉ちゃんという設定が非常に萌えでした(笑)。 他の2ヒロインは主人公がヒロインに惹かれる描写が希薄で今ひとつ感情移入し難いのに対し、アイナはなんだかんだ言いつつもお姉ちゃん大好きというのが感じられて割と良かった。 ラストはやっぱりちょっと強引、しかもあまりハッピーエンドという感じがしないのが辛いですな。

如月 巴
 幼なじみの許婚(主人公はそのことを知らない)で巫女…という狙いすぎなヒロイン。 物静かな性格がアクの強いサブキャラ達に溶け込めず今ひとつ存在感が薄いです。 個別ルートに入っても萌え度的に低く、レオがここでもかっこよかったという印象くらいしかないので、もう少しバカップルっぽく描いても良かったんじゃないかなぁと思います。 主人公もこのルートでは結構ヘタレなのが辛いとこですが、エロシーンは全ヒロインの中で一番良かったかな。 でもラストはやっぱり強引でした(笑)。

 まとめると総合的に無難な出来と言ったところでしょうか。 このブランドのゲームは初めてプレイしたことになるのですけど、あまりCD-BROS系のゲームは相性がよくなかったので正直言うと結構不安だったんですよ(笑)。 他のゲームとの相対的な満足度で言うと下の数値になりますけど、最終的にはクレアも気に入ったし、甘えてくる姉、そして巫女さんと予想より満足度が高くなったタイトルでした。

私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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