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戦国の妹 七人の妹
発売日:2005.03.25 / 蛇ノ道ハ蛇ソフト
 全CGを埋めてコンプリート。プレイ時間は初回で3〜4時間、計10時間くらいだったと思います。

 時は戦国末期、片田舎にある望桶村は野盗に狙われているという噂が立っていた。 村の若者はほとんど戦に出かけており、今のままでは野盗の襲撃に成す術が無いと判断した村人達は村に残っている唯一の若者である主人公に用心棒を見つけてくるよう嘆願する。
 そして数日後、主人公は7人の女の子を用心棒として連れ帰ってきたが、素性の判らぬ余所者を置くことを村人達は歓迎しなかった。 そこで主人公は全員を「妹」ということにして強引に村に住ませることになるのだった…というあらすじの戦国妹萌えADV。


 ヒロインは7人。全員にハッピーエンドとバッドエンドが存在し、一度エンドを見たヒロインは「逸話」として各キャラの過去のエピソードを見れるようになります。
 基本的にゲーム進行は選択肢を選んでいくことで進行していきますが、最後の野盗との戦いはメーカーが言うにはSLGらしいです。 この戦闘シーンは村の4つの門に誰を配置するかを選ぶだけなのでお世辞にも戦略的な楽しみがあるとは言えません(苦笑)。
 ADVパート、SLGパート共に難易度は低いですが、バッドエンドを補完するには戦闘で負ける必要があり、わざと負けるような配置を考えないといけないのが少々煩わしかった。

 物語は用心棒集め→村での生活→野盗との戦闘→エンドの大まかな流れは全ヒロイン共通で、所々でヒロイン別のイベントが発生する感じになるのですが、どのパートもかなり強引で力任せな印象を受けます。
 代表的なのが赤の他人であるヒロインを「妹」とする流れで、そもそも用心棒を連れて来いと言ったのは村人達の方なのに、いざ連れて来たら村に置けないとはどうゆう事かと小一時間(ry。 で、散々「信用できない」と喚いていたくせに主人公が「俺の妹だ〜!」と言った途端に納得してしまう流れはもはやこのゲーム内で「妹」という単語が強力な言霊を持ってるとしか思えません(苦笑)。

 私は特に妹属性というものは持ち合わせていない(はず)ですけど、この強引さは「巫女服を着せたから巫女さん」に通じるものがあって流石にどうよ?と思った。
 更に妹として接することになったヒロイン達の豹変ぶりも凄まじいです。 出会いから用心棒として村に到着するまでは一部を除いて特に好感度アップするようなイベントは無かったのに、妹となった途端に顔を赤らめて腕を組んできたりハグしてきたりと、いきなり主人公大好きモードにチェンジしちゃいます。 この豹変っぷりはまさに妹の言霊パワー恐るべしと言ったところなんですが、残念なことに各キャラの掘り下げ描写が不足していて個人的に萌え度は低めでした。

 このゲームの舞台は本能寺の変から3年後の天正13年(1585年)で、ヒロインの中には当時の代表的な戦国武将と縁のある者がいるのですけど、このあたりの設定がゲーム本編ではあまり活かされていない印象を受けます。 歴史薀蓄はプレイヤー受けし難いとは思いますけど設定資料集やおまけモードの各キャラの逸話では折角それなりの設定を用意してるのに本編で活かされていないのは勿体無いんじゃないかと。 はっきり言ってどのヒロインでも展開が同じ流れになる本編より、各キャラの逸話の方が話としては圧倒的に面白かったので余計そう感じてしまいます。

 エロシーンは悪戯や口淫(フェラ)、あてこすり(自慰)、レズシーンなどが割と高頻度で発生しますけど基本的に主人公×ヒロインの本番はエピローグの1回のみ。 あとはバッドエンド時に野盗に陵辱されるシーンもありますが、全体的にやや短めかも。
 CGは構図的に割と好みのものが多かったし使い回しが少なかったのは好感が持てますが、エロシーンへの導入が強引に感じられるシーンが多く、キャラ萌え度も低かったこともあって個人的に実用度は低め。

 戦国妹萌えADVということで、妹関連の記述には拡大フォントを使用して何か熱いモノを感じるのですけど、先にも書いたように赤の他人を強引に妹としているのに加え、全体的な雰囲気がシリアス調なので、どうにも妹絡みの“熱さ”が上滑りしてる印象を受けますね(苦笑)。
 他にも強制終了が多発したり、キャラの掘り下げ描写不足や個別シナリオが実質存在しない作りなど改善して欲しい点がいくつか見受けられたゲームでした。


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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