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Innocent Blue
発売日:2005.05.27 / LiLiM DARKNESS
 全CGとエンドを見てコンプリート。 1プレイ1〜3時間といったところで、一部のエンドを見るのに少々手間取りましたがスキップが高速な上に既読と未読で文字色を変えるという配慮がされているため取り逃しイベントを把握しやすく、コンプまでは8時間前後だったと思います。 購入動機は萌えエロばかりだと飽きるので偶には鬼畜系をやってみようと思ったことと、個人的にお気に入りな金目鯛ぴんく氏の絵であったこと。

 水野総合病院の暗部に特別奉仕看護師(通称「特看」)と呼ばれる制度がある。 これは政界や経済界の要人…いわゆるVIP達の要望に沿う看護師を性奴隷として仕立て提供するというものだった。 その特看に今一人の少女「尾崎祐美」が指名された…というあらすじ。

 ゲームは基本的に祐美の兄「尾崎博人」の視点で進んでいきます。 彼のまわりには妹の祐美の他に幼なじみの「桜木香苗」と従姉の「佐伯希美」というヒロインが居て、みんな特看に関わる医師達から標的にされているという設定。 つまり主人公の行動次第でヒロインと結ばれることもあれば特看として性奴隷にされてしまう流れもある訳です。 というか、エンディング総数11種類(祐美:6、香苗:2、希美:2、ノーマル:1)のうち7種類がバッドエンドということもあり、むしろ性奴隷として堕ちていく流れの方がメインとなる所謂「寝取られゲー」です。

 序盤は主人公と彼を取り巻くヒロイン達との日常を描いたほのぼの系の展開。 どのヒロインも主人公への好感度は高めで恋愛ゲームで言えばリーチが掛かってる状態なのですが、当の主人公は「絶対わざとだろ」と思えるほど鈍感っぷりを披露してくれてヒロイン達をやきもきさせる流れになってます。
 この共通ルートというのが思った以上に長く、選択肢の数も多めでエロを目的に購入したプレイヤーには鬱陶しいと感じるかも。 まぁ私としてはこの思ったより長めの日常シーンも後半の展開へ向けての良い充電期間となっていたと思ってます。 と言うのも主人公のシスコンっぷりや鈍感っぷりをこれでもかと披露してくれるため、いいかげん辟易してしまい、正直「お前みたいなヤツはさっさと寝取られてしまえ!」と思ってしまったもので(苦笑)。

 シナリオ分岐としてはまずヒロイン選別、次いでそのヒロインと結ばれるか、それとも寝取られるか…という流れ。 恋愛ルートの方は元々ヒロイン達は主人公に対してかなりの好意を抱いてるという事もあり恋愛描写ははっきり言って弱いです。 人妻の希美でさえ主人公から好意を持たれてることを知ると旦那の存在なんか放置してますからね…。 主人公も医大生という割にかなりお気楽な生活をしていて感情表現もガキっぽく、めでたくヒロインと結ばれても「フーン」という感じしかしませんでした。 この手のゲームは先にハッピーエンドを見ると寝取られのキツさが倍増するものですが、このゲームに限っては逆に間抜けな主人公が悔しがる様を見ても自業自得と感じ、むしろ寝取られルートが楽しみにすらなります(笑)。

 で、このゲームのメインである寝取られルートですが…展開的には笑ってしまうくらいあっさり懐柔されてしまってちょっと拍子抜け。 特にメインヒロインの祐美に関しては主人公の為に早く特看になりたいと願って輪姦されたりする祐美に対し「いじらしさ」は感じますが、他人を疑うという思考が欠落してると思えるほど脳みそがお花畑なのが苦笑もの。
 香苗や希美に関しては最初のシーンで心底嫌悪している医師に好き勝手に身体を蹂躙される悔しさとか嫌悪感が良く出ていて良かったかと。 ただ…その後にあっさりと快楽に溺れてしまうので、個人的にはもうちょっと抵抗して欲しかったところです。

 エロシーン総数は57種類。純愛系のエロシーンは基本的に1ヒロイン1回のみで他は全て特看としての奉仕やその調教過程を描いたもの。 寝取られゲーということで当然主人公の前で淫らに快楽に喘ぎまくる展開もいくつかありますが、この主人公…ヒロインの事を大切な人とか散々脳内で呟いておきながら、そのヒロインが他の男にやられてる姿を見た途端に呆然としたり興味を無くすような事を言う様がなんか笑えた。 ナニの大きさを比較されてショック受けたりと寝取られの素質あります。
 エロの内容は調教を担当する医師の性質に合ったものになっていてなかなかです。 薬品を使って精神的に堕としていく仁村、規格外の巨根で肉体的に攻める赤井、策を練って自分に好意を持たせるように仕向ける水野…と言ったところで、祐美の場合はそれぞれの医師に堕とされるルートが存在し、どのルートも淫乱であることを自覚させられて快楽に喘ぐ様がエロくて楽しめました。
 ただ尺は短くはないのですけど個人的にはもう少し欲しかったところ。 それと1シーンあたりのCG枚数も少なめ(ほとんど1枚+差分のみ)なのが残念ですね。 でもCGの構図は結構ツボにはまったものが多かった…バック系なんかは特に(笑)。 あと野郎の手がヒロインの身体に触れているときの指の食い込み方が上手く描かれていてヒロインの肉感というか身体のやわらかさを良く表現できていたと思います。 もう個人的にはこのいくつかのCGだけでも何とかなりそうです(ナニが?)。 声優さんの演技は香苗にちょっと不満を感じはしたものの、概ね満足。

 個人的にはあまり主人公に感情移入できなかった為に寝取られ展開で悔しさでのた打ち回るような事はありませんでしたが、可愛いヒロインが弄られたり快楽に溺れまくるエロゲーとしてはそれなりに満足できました。 醜男に蹂躙される展開が好きな人とか、典型的恋愛ゲー主人公のようなヤツが寝取られて茫然自失する様が見たい人には良いかも。

私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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