_summer |
発売日:2005.07.15 / HOOK |
全CGを見てコンプリート。所用時間は1stプレイ6〜7時間。コンプまでは25時間くらい掛かったと思います。
ゲームを進めていくと“小さなコイン”が溜まっていき、おまけモードにあるコイン王女に渡すことで枚数に沿ったおまけが貰えるようになってました。
CGコンプにはこのコイン王女のCGも必須となります(笑)。
修学旅行の夜、親友の治が切り出した「好きなヤツ、いないのか?」という話題にも気の無い返事を返すくらい色恋沙汰には興味を持てなかった主人公「海津 匠」。
だがこの修学旅行での話題を境に彼のまわりにいる娘達を少しずつ意識し始める。
来年は受験のために今年が遊んでられる最後の夏。
はたして主人公は誰かを好きになり、その人とこの夏を共に過ごすことができるだろうか…というあらすじ。
このゲームは通常の選択肢の他にRTC(リアルタイムクリック)、A-RTC(アシストリアルタイムクリック)という制限時間付きのクリック箇所が存在するADVです。
RTC・A-RTC共に一択となっていて「早めに応える」「遅めに応える」「応えない」という3パターンによって後の反応が異なる…という構成。
ただ攻略上それほど重要な要素には感じられなかったので思ったより難易度は低めでした。
RTCとA-RTCの違いについてはオフィシャルサイト参照。
プレイ感としては…このゲーム「まったり純愛学園ラブコメ」とのことですが、日常シーンなどは まったり と言うよりは凡庸で退屈に感じます。
またコメディ色も前作の『Like Life』と比較して少々弱めかなぁと言った印象。
主人公は帰宅部でこれと言った特徴もなく、まわりに「甘えんぼうな義妹」「世話焼きで器量良しの幼なじみ」「男勝り系幼なじみ」など定番ヒロインを多数配する恵まれた環境。
更にほとんどのヒロインはあからさまに好意を示しているのにそれに気付かない鈍感っぷり…とまぁ典型的な恋愛物の設定と展開で、プレイヤーからすればミエミエな伏線や行動を主人公の“不自然な鈍感っぷりや物忘れ”で無闇に引っ張るので、テンポが悪く感じる上に先の展開が容易に予想できて退屈なのです。
また某ヒロインルートで某サブキャラも示唆してましたが、この主人公には「相手を思いやる気持ち」というのが決定的に欠けている。
だからヒロイン達の想いにも全く気付かずに自分勝手な解釈で空気読めない言動をしてゲーム中の人物だけでなくプレイヤーまでも呆れさせてしまう。
それが若い主人公を演出するというライターさん達の狙いなのかも知れないが、プレイしていて気分の良いものではないし、何よりそういう主人公がモテまくる展開なのが凄く不自然に感じます。
まぁこの主人公に相手を思いやる気持ちがあったら小奈美以外のルートは無くなってしまうでしょうけどね(笑)。
シナリオ展開は先にも書いた通りキャラの設定から先の読めるものばかりです。
加えて山場の演出が弱い。
一応どのシナリオにも山場となるシーンがあるのですが、あまり盛り上がりを感じません。
これは主人公の言動がシナリオ展開に合わせたような不自然さを感じることと、その主人公がぐだぐだと悩むだけ悩んだ挙句、結局何の解決案も見いだせられずに他キャラ達から直接“答え”を貰うだけの「俺は何も思い付かなかったけど、みんなのお陰で彼女ができたよバンザーイ!」…という白けまくりの展開なのが原因と思ってます。
主人公は普段はバカをやっていて別段ネガティブ思考という訳ではないけど、それ故に余計何もしない主人公にイライラするというか…。
不満ばかり書いているので良かったとこも挙げておくと…まず個別ルートに入ってからも他ヒロイン達が割と頻繁に協力者として登場するのはいいですね。
ヒロイン以外でも「落ち武者」(外食屋)のマスターや川上由乃あたりはキャラも立っていたと思います。
コメディ描写に関しては治や信乃とのどつき合いや神出鬼没な千輪の言動とそれに対するツッコミなどは割と楽しめたけど、逆に言うとそれだけという感じです。
終盤になるとそれにも慣れてしまうのでコメディ描写にもあまり期待しない方が吉かと。…って結局褒めてねぇ(苦笑)。
エロシーンは1ヒロインにつき3回発生。ちなみに処女率は100%。
1シーンにつき使用CGは2枚+差分という構成で枚数的には少々物足りないけど部分拡大などを取り入れて演出は割と頑張っていると思いました。
ただテキストのエロ描写が淡々としてる上に喘ぎ声やフェラ時の唾液音も特別エロさに貢献していたとは言い難いのが残念。
声優さんは有名どころ…というか人気どころ(?)ばかりなのですが、淫語や卑語もほとんどなく声でハァハァするのもちょっと厳しいかと。
ただ浴衣シチュなどコスチューム的な演出は結構良かったですね。
何故か小奈美に制服エチが無かったのが心残りではありますが(笑)。
システムまわりは快適で、必要な機能は一通り揃っていたと思います。
スキップ中にRTCになると、その直前のテキストでスキップが停止するのも良い感じですしね。
唯一メニューの切り替え操作が煩わしかったくらいですが、これも慣れれば問題ないレベルかと。
あとはシステムとは関係ないけどOPムービー(灯台や波の描写)や主題歌は素晴らしかった。
CG枚数的にはもうちょっと欲しかったなと言ったところ。
ヒロイン達はエロゲ特有の奇抜な言動をしない事は個人的に好評価してますが、型通りの典型的な記号キャラという感じだし、主人公が足を引っ張ってイベントでの魅力面の演出も少々弱く感じられたので個人的には萌え度は思ったほど高くはありませんでした。
原画さんのファンとしての絵買いなら元は取れるでしょうが、シナリオ・萌え・エロ・恋愛描写などに期待する場合は厳しいんじゃないかと感じられる内容でした。
個人的にはシナリオはまぁ諦めるとしてもコメディ描写はもう少し頑張って欲しかったなぁと言ったところです。
以下、キャラごとの雑感も少し(ネタバレありです)。
波多野 小奈美
主人公の幼なじみで毎日朝食と晩飯を作りにくるという家庭的な穏和な性格。
このゲームのメインヒロインなのは間違いないけど、過去の記憶を思い出す過程を引っ張る割に中身がイマイチな印象…というか何故忘れてたんだ?この主人公。
あとタイトルロゴになってる鍵穴やOPに出てた意味ありげな灯台が「そんだけ?」って感じの扱われ方だったのが肩透かしを食らった感じです。
キャラ的には普通の男ならこういう娘が近くに居たら他の女なんかは目に入らないだろうなと思えるほど良い娘なのですが、設定に無理ありすぎな気も…。
海老塚 信乃
活発系幼なじみで神社の巫女さん。
小奈美に対抗して女らしくなろうと努力する様は傍から見てると微笑ましいものがあるが、相手があの主人公じゃあねぇ…淑やかさを磨く前にもっと男を見る目を磨けと言ってやりたい(笑)。
主人公に惹かれた経緯も不明だったし。
まぁ主人公はともかく、ヒロインキャラとしては一番気に入ってます。「ぺっぺっぺーだ!」も妙に気に入った(笑)。
海津 沙奈
主人公の義妹でお兄ちゃんべったりな甘えっ娘。
買い物イベントの試着で大人っぽい服を見せて主人公を誘惑する様は微笑ましかったが相手が鈍感すぎなのが不幸だった(笑)。
ただシナリオ展開はもっと兄妹ということを意識した方が良いのでは?と思った。
全然関係ないが妹との墓参りイベントは何故かイージーオーの某ゲームを思い出して軽く鬱に(ぉ
天野 千輪
沙奈の友人で占い同好会を立ち上げた不思議系ゴスロリ少女。
不器用な告白などが凄く良い感じでしたが、主人公の引っ張り期間が長い割に中身無いのが辛かった。
あとは占いをやるきっかけを含めた家庭の事情とかが淡々と語られるので味気ない感じがしたのが惜しいし、もうちょっと付き合ってからのデレっぷり(バカップルぶり)も見たかった。
千輪がウエイトレスをした「落ち武者」の売り上げが10倍というのは流石に無理があるだろと思ったがサブキャラ達が良い感じで絡んでくるし個人的には一番気に入ったシナリオかも。
島津 若菜
箱入り娘な先輩。
全ヒロイン中で唯一主人公がゲーム中に出会うキャラでヒロインの恋愛描写に関しては一番良く描かれているんじゃないでしょうかね。
ゲームや釣りを一緒にやっただけで惚れられたら誰も苦労しませんがその辺りは無視の方向で。
「好きだ」と言ってもらう為だけにあんな手の込んだ事するくらいなら素直に言えよ…とも思うがその辺りも無視の方向で(苦笑)。
いきなり主人公が下級生からモテモテ状態になる経緯がさっぱり理解できないがやっぱり無視の方向で。
ただ小奈美の気持ちを知ったが故にラストでのやり取りは割と良かったと思います。
七緒 日向子
新任教師で主人公のクラスの担任。
通販に嵌まっていて生活費を圧迫しているという設定に関連したイベントがいくつかあるが、自業自得すぎて寒かった。
良くも悪くもゴーイングマイウェイで人の話聴けよと感じたり教師と生徒の割には思慮の足りないお気楽すぎな展開が多いのがマイナス。
つか頼りない教師を演出するのは良いが、自分の都合で生徒を巻き込むような展開はどうも受け入れ難いものがあってヒロインとしての魅力も今ひとつでした。
めがねの高橋さん
2ndプレイ以降(?)に発生するサブシナリオで、放送部でアナウンスをしている娘。
立ち絵すら最後まで出てこないという珍しいヒロインですが結構新鮮で楽しめました。
どうでもいいけど鳥居花音さんの声って久しぶりに聞いた気がする(笑)。
私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆
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