Rascal・改 − Game Impression
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みらろま Miracle Romance Strawberry Scramble
発売日:2005.12.22 / ま〜まれぇど
 全CGと回想を埋めてコンプしました。 所要時間は1stプレイ約12時間、コンプまでは約25時間前後だったかな…。 予想以上に時間がかかりました。

 主人公「高原 真一」はフリーマーケットで古びた鏡を割ってしまったことで呪われてしまった。 しかもその呪いを解かないと世界は破滅してしまうらしい…。 そんな主人公の呪いを解くため、シスター、巫女、ナース、魔女っ娘と言った4人の女性達が押しかけてきた。 流されるまま彼女達と義妹を含めた5人との同居生活を送ることになった主人公…はたして無事に呪いを解くことができるだろうか…というあらすじ。


 押しかけ同居物のラブコメADV。 二部構成になっていて第一部は共通パート、第二部は個別ルートという構成。 対象ヒロインは5人で場所移動時にお目当ての娘を選んでいけば個別ルートに入れるので難易度は低め。 全ヒロインのエンドを見るとおまけシナリオが開放されます。

 雰囲気的には主人公やヒロイン達とのハイテンションなやり取りが展開するドタバタ系…なのですがプレイしてるこっちは欠伸が止まらないほど退屈でした。 あのテンションでこの寒さはあり得ないだろ?ってくらいです。 もちろん人によって合う合わないはあると思いますが、個人的にこのゲームのノリは無理に面白い事を言おう(書こう)として空回りしてる印象が強かった。 会社の上司が上機嫌でオヤジギャグを発した時の「おい、どうすんだよこの空気…」という感覚に近いと言えば解る人も居るでしょうか。

 加えて意味の無いやり取りを無駄に引き伸ばすものだからテンポが非常に悪いのですよ。 会話の中に何らかの伏線が含まれているものも極一部ありましたが、ほとんどは本筋とは関係の無い意味の無いやり取りがだらだらと続くのです。 この“だらだら続く”というのが一番問題で、せめてキレ味の良いツッコミや綺麗なオチが付けられればまた違ってきたと思うんですけどね。 無理矢理のボケが空回りしまくった挙句、そのまま有耶無耶にされたり自己完結されるのを何度も見せられても全く面白くないですよ…。

 シナリオ展開は上記のノリの悪さも相まってかなりチグハグな印象。 イベントはシナリオ展開に関係しない無駄な物と、思いっきりストーリーに関わるイベントとに別れているのですが、その分けかたが極端すぎ。 だらだらとした日常から急展開で話が進み、またしばらくだらだらと続いてまた急展開…と全体的にバランスが悪いのです。
 しかもその肝心のイベント内容がまた強引というか御都合主義で白けまくり。 まぁご都合主義は良いのですが書き手(ライター)だけが楽しんでる感じで、読み手(プレイヤー)を盛り上げようとする配慮が決定的に欠けていて疎外感を感じました。

 あとは主人公の言動に生理的嫌悪感を覚えたのも個人的には大きなマイナス要因。 元はと言えば主人公が全ての原因で、ヒロイン達は善意で協力してくれてるのに呪い云々は全て彼女達に任せて主人公自身はお気楽な学園生活を満喫。 自身は何もしなくてもヒロイン達からは何故か慕われる典型的なヲタク思考な話…というだけでも耐え難いのに、偉そうな態度をとりまくるので嫌悪感を抱きました。

 ヒロインのキャラ立ては無難な感じ。 設定や属性以上の魅力は描けていないと思いますが、過度の期待を抱かない限りは特に不満が炸裂することは無いかと。 個人的にはあの主人公を慕う時点で萌えとかは全く感じませんでしたけど(苦笑)。

 エロシーンは1人あたり6〜7回発生。 メーカーが「萌えエッチ業界最多のHシーン回数を目指します。」と言うだけはあって回数だけはそれなりにあったと思いますが、CGは各シーン毎に1〜2枚な上にアングル使い回しが多く、尺も短めなので期待したほどでは無かったな。 「アトリエか●やさん等と比べるのは勘弁して下さい……(汗)」とも書いてましたが、超えてやるくらいの意気込みが欲しかったところ。
 ただ回数が多いだけあってシチュエーションは豊富。 一部ではアナルとか浣腸とか放尿などアブノーマルなシチュもありましいた。 ただそれら特殊シチュだけを期待するほどの内容では無かったかな…と。 個人的にはエロに対する主人公の何らかの“こだわり”が欲しかったところです。 現状だと主義も主張もなく「ただ単に色々なシチュエーションを詰め込んでみました」という印象を受けてしまうので。
 おまけのハーレムエロシーンもかなり手抜きな印象で拍子抜け。 トリプル足コキとトリプルパイズリの後に一枚絵を表示させて挿入→速射の繰り返し。 コレを見るためにコンプしたようなものなのに…(泣)。

 システムまわりは必要な機能は一通り揃っていたと思います。 細かいところではアイキャッチでスキップがキャンセルされたり、エンドロールがキャンセルできなかったりするのが難でしたが許容範囲かと。
 CGはイベント絵よりも立ち絵の少なさが気になりました。 立ち絵を動かしてキャラの仕草を表現していたのは好評価ポイントですけど、衣装パターンが少なく、差分の存在しないイベントでは立ち絵を表示させないという荒業を使ってるのが勿体無かった。 あとは細かいところで立ち絵とイベント絵で髪飾りがあったり無かったりするのも違和感あり。


 まとめとしては「ノリが空回りしてる萌えゲー」と言ったところ。 シナリオ展開は強引で独りよがり。加えて主人公の言動が個人的にどうしても許容できず、そんな主人公に惹かれるヒロイン達にも萌えられなかったので個人的な満足度は「駄作」級です。


キャラ毎の雑感は一言ずつ。


聖鳳院エリカ
 ツンデレ系シスター。 主人公やゲームのノリに不快感さえ感じなければデレ期のエリカには萌えていたかも。 世間知らず故に主人公なんかに気を許してしまった不幸なキャラという印象。

月宮 楓
 大和撫子系の巫女さん。 属性的にはピンポイントですが主人公に惹かれてる時点で(以下略)。 楓の一途な想いを知ったときの「バカじゃねーのコイツ」は本気で主人公に嫌悪感を感じた。 態度だけでかいチキン野郎なくせに。 シナリオ的には「なおせるなら最初からやれよ」と思った。

高原 愛
 元気系の義妹。 シナリオとしては回想シーンを織り交ぜたお約束な展開ですが、キャラに対する個人的な印象は「ウザい」に尽きます。

優城 由紀恵
 おっとり系の保険医。 エリカ同様に主人公ごときにはとことん釣り合わない経歴ですな。 呪いとか普通に存在する世界観なのであまりシナリオ展開に突っ込むのは空しいのですが、それでも無茶過ぎだろ…。 何この超展開…つか何で羽田?

有魔 摩莉
 無口系の魔女っ娘。 エロ本がバレた件の「くねくね」がなんか良いかも。 ただキャラ設定とか最後の展開は大仰なわりに描写不足(余計なイベント多すぎ)で疎外感を強く感じてしまいました。


キャラのお気に入り順は
 楓 > エリカ > 由紀恵 > マリ > 愛
まぁ先にも書いたようにキャラには萌えなかったので敢えて順を付けるなら上記と言ったところ。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

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