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Blue Destiny
発売日:2006.06.30 / STRIPE feat.戯画
 CG・回想・武器一覧を全て埋めてコンプしました。 所要時間は1stプレイ約4時間、コンプまでは12〜13時間ほど。

 亡き師匠から譲り受けた鍛冶工房を営む主人公「アグニ」。 ある日国王から全国民に向け「伝説の武器を献上せよ」との御布令が出された事で王都には俄かに武器ブームが到来する。 商才の無さ故に常に貧しい生活を送っていた主人公だが、この武器ブームに乗って鍛冶屋生活に精を出すことになる…というあらすじ。


 全5話で構成された選択肢分岐型のADV。 選択肢の組み合わせによって作成される武器が異なり、変な武器ばかり納品してると武器屋の在庫がダブついてバッドエンドとなるのですが、基本的にはお目当てのヒロインを贔屓する行動を取っていれば無問題。 逆に武器リストコンプを目指す場合は敢えてお目当て以外のヒロインを選択する必要があります。
 エンディング総数はバッドも含めると6種類。 特定のエンドを見る事でおまけシナリオが開放。 おまけシナリオの数は計四つで、CGや武器コンプのためには全て見る必要あり。


 ストーリ展開としては新米の鍛冶屋として悪戦苦闘する様子を描きつつ、ヒロイン達と出会ったり親密になっていき、終盤はお目当てのヒロインが抱える諸問題を打開する為に究極の武器を作成する…という流れ。
 個人的にはかなり短くてボリューム不足(と言うか描写不足)な印象を受けました。 一応ヒロイン毎に後半の展開が大きく異なりつつも主人公が鍛冶屋であることが活かされたシナリオになってたし、主人公達が作成する最終武器の形状も大きく異なるのは高評価ポイントでしたけど、後半の展開を盛り上げる為の下地作りが足りない…具体的にはヒロインキャラに対する思い入れや魅力をあまり感じられないのはマイナスかと。

 あと、キャラ同士の会話などは2chネタをはじめ、漫画やアニメをパロったものを多く使った軽いノリになっており、どうにも全体的に安っぽい感じがします。
 別に2chネタを使ってるから駄目という訳では無いし実際に笑えるネタも多くあったのですが、この作品の場合は話の本筋に関わるようなところでも空気読まずに余計なネタやボケを多用し過ぎでチープな雰囲気を醸し出してしまっている感じがするのですよ。 これがノリツッコミのようなテンポの良い会話の応酬ならまだ救いがあったのですけど、主人公の理解力と状況把握能力を低くしてしまった事による会話テンポの悪さが足を引っ張り、どうにも滑りぎみなのが痛いです。


 エロシーンは一人あたり2〜3回。 ただし挿入ありは最後の一回のみ…というキャラがほとんどです。 このゲームでは主人公とヒロインとの想いが強いほど良い武器が作れる…ということで大部分のエロシーンは主人公の武器作りの手伝い時に雷神の槌「ミョルニル」の能力を使い、ヒロインの性的欲求を増幅させる展開。 この時点では手コキや愛撫だけで終わってしまうものばかりで正直言って物足りなかった。
 まぁ本番挿入ありのシーンもかなり淡々とした描写で進んでいくし、使用CGは1枚+差分というものが多くて実用性はどちらにしても低いのですけどね(苦笑)。


 まとめとしては「小粒なファンタジーADV」以上の印象は抱きようがないタイトルでした。 もしこのゲームが武器の原材料となる鉱石をヒロインと共にダンジョンへ採取しにいくようなRPGだったならヒロインと接する時間が増えるので現状のシナリオ展開でも満足できたかも知れませんが、ADVとしてはやはり色々と描写不足に感じるのが残念なところです。


以下、キャラ毎の雑感。


クリス
 主人公の幼なじみで騎士見習い。家は貴族で代々騎士の家系。 女性初の騎士を目指して王国主催の武道大会に出場することになり、主人公に騎士の剣の作成を依頼する流れ。 騎士団長である兄の存在も含めて最もイベントが充実していた感じがしたので、やっぱりヒロインの中では一番思い入れがあります。 最終武器は「ブルーディスティニー」。

ミュン
 主人公の師匠の孫娘。 共通ルートでは鬱陶しい言動ばかり取る上に貴重な鉱石を勝手に使用したり主人公の工具を隠したりと何処に魅力があるのか理解不能でした。 個別ルートは師匠ヴァルカヌスに会いに天界へ赴く流れ。 ヴァルカヌスがドワーフにしか見えないのはともかく、やはりミュンは最後までムカついたキャラでした(笑)。 最終武器は「ハルバード」。

ミルフィ
 修道院で修行中の娘でクリスを慕っている。 レズっ気あり、エロ妄想癖ありと中々のイロモノキャラと言った印象。 個別ルートは主人公と親しくなった事で淫欲に囚われてると疑いを掛けられ修道院に軟禁されるも皆の協力で救出する流れ。 「昔の偉い人は言ってました!奇跡は起こらないから奇跡って言うんですー!」は不覚にもワラタ。 エピローグで新興宗教を興す展開も予想外で笑えますね。 最終武器は「ホーリーメイス」。

千早
 東国から来た巫女さん。呪われた刀「龍牙」を携帯している。 個別ルートでは千早の身体が龍牙に乗っ取られてしまい、主人公が再封印する流れ。 巫女キャラとしての設定は悪くは無かったけど、やっぱりイベントが絶対的に不足してる感じで物足りなかった。 別ルートでのシェリーやニースとの大道芸イベントは割と良かったんですけどね(笑)。 あと、おまけシナリオの展開は何らかの機会があれば補完して欲しいところです。

ノイエ
 天界から降りてきた戦乙女。 飯で簡単に懐柔されたりと俗っぽい性格をしている。まるで某セイバーのようだ(笑)。 個別ルートは主人公に処女を捧げてしまった事で戦乙女の資格を無くしてしまい、同じ戦乙女のヒルダを交えて大騒ぎする流れ。 クリスやミュンのルートでも割と見せ場があり、キャラ立ての良さではクリス以上かもしれませんな。 最終武器は「ヴァルキュリエソード改」。

ニース
 森に住む少女。 サブキャラなのでエンドやエロシーンは無かったけど、おまけシナリオでミョルニルに身体を乗っ取られた主人公に犯される展開あり。 最後のオチもグッド。

シェリー
 旅の学者でヴァルカヌスの知り合い。 サブキャラですが一応バッドエンドがシェリーエンドと言えるかも。 決してラブラブではありませんが主人公にはお似合いの結末。 設定は作中ではほとんど明かされず、戦闘力も未知数でジョーカー的な存在でした。

ヒルダ
 ノイエと同じ戦乙女。武器マニア(笑)。 ミュンとノイエのルートのみ登場するサブキャラですが、一応おまけシナリオではフェラシーンとミュンとのレズシーンあり。 個人的にはほとんど魅力を感じなかったので正直どうでもいい。


お気に入り順は
 クリス > ノイエ > ミルフィ = 千早 >>>>> ミュン


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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