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ぷりサガ! 〜ボクの妃は×××〜
発売日:2006.07.28 / DisAbel
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイ約4時間、コンプまでは12〜13時間くらいでしょうか。 おまけのサウンドドラマの視聴時間は含まれません…と言っても大した長さはありませんけど。

 第二王子という身分を隠して王国の騎士養成学校へ通っている主人公「レミリス=バーンクライブ」。 自身が王位を継ぐわけでは無いからといい加減な日々を送っていたが、兄である第一王子が行方不明になってしまった事で王位を継ぐに相応しい成績で学園を卒業する事と妃候補を見つける事を余儀なくされるのだった…というあらすじ。


 履修科目の選択とMAP画面からのヒロイン選択によって進行する「まほう学校SLG+ADV」。 選択科目は剣術・体術・魔術・槍術・弓術の5種類がありますが、基本的にはお目当てのヒロインに合わせた科目を選択していけば良いだけ(例えば剣術科のヒロインイベントを進めるには剣術のパラメータが一定値以上必要)なのでSLG部のゲーム性はほとんど無く、些か拍子抜け。
 ヒロインは6人。 MAP画面からお目当てのヒロインを選んで行けばストーリーが進行していくため難易度は低め。 ちなみにアウゼル教官は他のヒロイン5人のエンドを見た後でないと個別ルートに入れません。
 それと特定ルートで背景の一部分を選んで「見る」などのコマンドを駆使する探偵物ADVのような場面がありますけど凝った仕掛けなどは無く、個人的にはあまり意味があるシステムには感じられませんでした。


 ストーリー展開は落ちこぼれ学生である主人公が優等生のヒロインに学術・実技の指導をしてもらいながら仲良くなっていく前半部と、“敵”の登場と暗躍によって騒動に巻き込まれていく後半部…というのが全ヒロインに共通した流れ。
 テキストはキャラのセリフと行動を淡々と表示していくタイプ。 読み難くはありませんけど全体的に盛り上がりに欠けていて物足りなさは感じますね。

 主人公から兄が行方不明になった事に対する悲壮感とか王位を継がなければならない事に対する重圧や覚悟と言ったものがあまり感じられず、どうにも感情移入し難いのが大きな不満点として挙げられますし、後半がグダグダなご都合主義展開なのも今ひとつではありましたが、ヒロインと互いに打ち解けていく過程はなかなかで“ヒロイン単体レベルでのシナリオとしては”悪くなかったと思います。
 ただ、この作品…登場人物の設定がシナリオ毎にバラバラで、シナリオレベルでの横の繋がりがほとんど無かったのが非常に勿体無く感じました。 ラスボスの設定がシナリオ毎に異なるのはマンネリ防止にもなって良いと思いますが、この作品はヒロインの設定にも整合性がなく、かなりいい加減な印象を受けてしまったのです。 例えばちとネタバレですけど王族である主人公を影ながら護ってるはずのヒロインが、別ヒロインのルートだと王族である事すら知らないのでシナリオ毎にパラレルワールドに入ったような錯覚に陥ります。 先の例だけだと知ってて惚けてるという解釈もできますけど個人的には単にすり合わせ不足なだけと感じました。


 エロシーンは各ヒロイン2回程度。 学生時代に一回、王位継承後に妃となったヒロインと一回という構成がほとんどのヒロインで共通しています。 使用CG枚数は1シーンにつき1〜2枚程度(差分抜き)と少なめ。
 テキストが淡々としてる上にエロシーンへの入り方がほとんどヒロイン側からのアプローチのため、どうにも盛り上がりに欠け個人的には実用性は今ひとつ。 行為内容も特筆するような事のないエロゲとしてはオーソドックスな流れがほとんどでした。
 それと個人的にはサブヒロインの双子(アイラとユイラ)に本番エロが無かった事が心残り。 一応Wフェラをしてくれるシーンはありましたけど丼プレイも実装しておいて欲しかったですよ。


 龍牙翔さんの描くキャラは可愛いし、ヒロインの個性の分け方や仲良くなっていく過程の描写などファンタジー世界を舞台にした恋愛物としては悪くなかったと思う。 ただし終始盛り上がりに欠けるテキストとシナリオ毎に異なる登場人物の設定、そしてSLGパートとか背景の特定箇所を調べる探偵ADVのようなシステムの中途半端さなど色々と足を引っ張る要素も多く、最終的な満足度は結構低くなってしまいました。


以下、ヒロイン毎の雑感(ネタバレあり)。


ミランダ=グレイス=アリシューダ
 剣術科。 成績は剣術科No.1だが実技だけは主人公に劣るため序盤は主人公を敵視してるツンデレキャラ。 騎士の家系だが父親が部隊全滅の責任を取らされた事で失墜した家の再興を目指している。
 シナリオ展開は主人公の弟である第三王子が主人公暗殺を企て、その過程で主人公に化けた第三王子がミランダに接触する流れ。 主人公に言われるまでニセモノ主人公に気付かないのはエロゲヒロインとしてどうよ?とは思ったけど戦闘後にいきなりフェラしてきた時はやっぱりエロゲヒロインだなと思った(笑)。 まぁ青山ゆかりボイスのツンデレキャラという事でそれなりの安心感はありました。

ガーベラ=ガーベルハイト
 魔術科。 魔術師としてかなり格式の高い家系でミランダとは犬猿の仲。 眼鏡キャラですけどお色気シーンではメガネなしが多く珍しく割と気に入ったキャラになりました。
 シナリオ展開はガーベラの一族に恨みを持つ敵が襲ってくる流れ。 ラスボス撃退後の事後処理とかかなりご都合主義的に感じましたが、それ以上に序盤の主人公のヘタレっぷりがキツかったですわ。 どう考えても主人公は王の器ではありません。 正直言ってこのシナリオを最初にプレイしてたら即アンインストールしてたでしょうね。

ジェシカ=オルティス
 槍術科。 世話焼き系の幼なじみだが主人公が王族だという事は知らされていない。 世話焼きという割には他ヒロインルートでの登場率が低く、かなり影が薄い印象。
 シナリオ展開はミランダと同様に弟の第三王子によるクーデター…かと思いきや実は行方不明になった兄が主人公を試したというオチ。 正直プレイ前は全シナリオがこのオチだと思ってました(笑)。 展開自体にグダグダ感がありますが、それ以上にジェシカの戦闘時のセリフ「ウラウラウラウラウラァ!」に激しく脱力。 イントネーションも声質的にもあまり凛々しいシーンには合わないなぁと感じられました。

エルザ=フォルケンバウアー
 弓術科。 性格は無口系というかミステリアス系。 娼館で客引きをしてるという噂があり、実際にその通りなのだが実は王室警護隊の隊員で娼婦として反逆勢力の情報を引き出す任務についている。
 シナリオ展開はその反逆勢力のボスに拉致されたエルザを主人公が弓で救出する流れ。 この流れも気に入ってますが、エルザが主人公に対して秘めていた想いをぶちまけるシーンがかなり印象的でお気に入り。 あとは双子のWフェラシーンがあるのもポイント高いです(笑)。

アリーシャ=ヴァジュラ
 体術科。 主人公に対しては気さくな性格を見せるが辺境の村出身という事で他の生徒や教師からは差別されている。 制服に大量に張り付いてるアップリケもグレンに制服を破られたものを隠すため。
 シナリオ展開は主人公暗殺の命令を受けたアリーシャが主人公に惹かれてしまう事で葛藤する流れ。 全身傷痕だらけという珍しいヒロインでしたが展開は悪く無いんじゃないでしょうかね。

アウゼル=グレーデル
 主人公の教育係兼剣術科教官。 他ヒロイン全てのエンド到達後にルート開放。 シナリオ展開は男らしく成長した主人公にアウゼルが欲情する流れ。 ほとんどアウゼル視点で物語が進むのですが、主人公の行動に悶える様がなかなかよさげでした。


お気に入り順は
 エルザ > アウゼル > ミランダ > ガーベラ > アリーシャ > ジェシカ


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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