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淫皇覇伝アマツ 〜白濁の呪印〜
発売日:2006.09.29 / アトリエかぐやDREIZEHN
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイで約8時間、コンプまでは約21時間くらいでしょうか。 アトリエかぐや作品としては長めに感じました。

 平和だった島国アマツに軍事大国ブレビスが侵攻してきた。 アマツの皇子である主人公「セイト・タチバナ」を頭とするアマツ軍は激戦の末に敗れてしまい、主人公は呪いによって暴君と恐れられた祖父「ゲンジ・タチバナ」の魂を憑依させられてしまう。 主人公の肉体の支配権を狙うゲンジの呪いを解くため、主人公はアマツに伝わる5つの聖銃を探す旅に出るのだった…というあらすじ。


 ほぼ一本道ストーリーの和風ファンタジーADV。 ヒロインは5人で物語中に誰と話をするかを選ぶシーンが登場し、最終的に最も多く会話したヒロインとのエンディングになります。 エンディング後はヒロイン個別のエピソードが語られ、全員のエンドを見るとハーレムルートが開放される仕様。 難易度はかなり低めです。


 物語の大まかな展開としては敵の刺客や幹部達と戦ったりヒロインと出会ったりしながら5つの聖銃を探し出すという冒険物。 ただその流れは何処其処へ赴いて情報を集めてまた何処かへ行って…って感じで淡々と進んでいくため物語への吸引力が弱く、その上かぐや作品としてはテキストボリュームも多めなので少々間延びするというかテンポが悪く感じられました。

 物語の中で頻繁に発生する戦闘描写も個人的には今ひとつと言った印象。 主人公はサムライ風味な青年で、ヒロイン達も巫女とかくノ一とか騎士といった面々なので戦闘はヒロイン達との連携によるチャンバラアクション…かと思いきや、奥義などの大技の撃ち合いが主になっていて何ともチープに感じます(苦笑)。
 というか戦闘シーンはゲンジ様降臨のための前振り的な意味合いの方が強いですね。 主人公が疲労したり気絶すると主人公の内に封印されているゲンジ様が覚醒するので、戦闘開始 → 主人公が打ちのめされる → 高笑いと共にゲンジ様登場 → 圧倒的な力で敵を殲滅 → 倒した敵を凌辱、またはヒロイン達による封印儀式…というのが中盤までの定番パターンになっています(笑)。 このためプレイヤーから見れば主人公セイトは唯の情けないヤツという印象しか持てないので、そんな主人公を慕うヒロイン達にも魅力を感じられないという弊害も発生してしまいました。

 更に中盤以降はヴァーラルと呼ばれる機動兵器によるロボットアクションに移行するという超展開に唖然。 作中のキャラ達は大声を張り上げてなんかやたらと盛り上がってるようでしたが、プレイヤーである私はもう完全に置いて逝かれてしまいましたよ。 ラスボスを倒すシーンなどもほとんどギャグの域です。 まさか和風ファンタジーと銘打ってる作品でこんなロボットアクションが展開されるとは…『裏入学』に続いてDREIZEHNは今回も予想の斜め上を逝ってくれました。 もしかしてプレイヤーの意表を付く事がこのチームの売りなのでしょうか。


 エロシーンはヒロインキャラだと5〜7回ほど発生。 サブキャラは大体1回ずつで総数は48と言ったところ。 ヒロインキャラのエロシーンはいくつか排他になっているものもありますが、シーンの補完に苦労することは無いと思います。
 ゲンジ様による凌辱はほとんどサブキャラ限定。 あまり痛めつけるような描写は無く最終的には快楽に喘ぐようになるので個人的には有難かったですが、数が少ないなのが難点。 更にロリ系のキャラに対しては「気が乗らん」と早々に引っ込んでしまい、セイトとのエロシーンに移行してしまいますので、小さい女の子をゲンジ様の巨根でヒィヒィ言わせる展開に期待すると肩透かしを食らいます(笑)。
 セイトとヒロインのエロはほとんど和姦。 個人的には一部のヒロインのキャラデザインが合わなかったけど総合的にはよさげで流石かぐやと感じます。 特に酔っ払い状態のサヤとのシーンは呂律の回ってないセリフがかなり良い味を出していてお気に入り。
 姉妹丼や母娘丼と言った多人数プレイや触手凌辱もあり、色々とシチュエーションは豊富なので多属性持ちの人は幅広く堪能できると思います。


 とりあえずエロシーンのバリエーションは豊富で実用性も高めだった事は流石だと感じましたが、そのエロシーンに至るまでの展開が冗長で退屈だったり、あまりの斜め上っぷりに付いていけなかったりと色々と難ありでした。 恐らくマンネリ脱却のためにストーリー性や燃え展開を意識したんじゃないかなぁとは感じられたけど、逆に狙いすぎて滑ってしまった印象です。


ヒロイン毎の雑感は軽く(ネタバレあり)。


サヤ・カムロキ
 セイトの幼なじみの巫女さん。 キャラ的には一番のお気に入りでエロシーンも酔っ払って式神で主人公を拘束するシーンが一番印象に残りました。 初Hの後に肌がつやつやしてすっきりしてる描写とかも笑えて良い感じ。
 個別ルートは瘴気に侵された地を浄化してしまうほどの能力を欲っした変な教団にサヤが拉致される流れ。 ラストは教祖が呼び出した竜みたいなのを倒してハッピーエンド。

ナツメ・カムロキ
 サヤの妹でくノ一。 セイトに惚れてるが勝ち気で素直になれない性格…ということでツンデレ系のキャラかと思ったらデレは無かった(笑)。
 個別ルートは300年前のアマツに時間跳躍する流れ。 歴史を改変したことによる矛盾がすごく有耶無耶になっていて少々白けぎみでした。

トウカ・カドクラ
 暴風騎士の異名を持つ未亡人聖騎士。 個人的にトウカ自身はかなりどうでも良いキャラでしたが、喋る鎧「陣風丸」とか娘のカナデなど関連キャラがなかなかよさげ。 陣風丸はほとんど『MWA』のジークフリードで楽しいヤツでしたし、カナデも母娘丼要員としてかなりお気に入り。 カナデの単体エロが無いのが一番の心残りです。
 個別ルートは反乱軍鎮圧に赴いたトウカが返り討ちあって捕虜になってしまう流れ。 ラストはデストロイガンダムみたいのを倒してハッピーエンド。

イヅナ
 旅の途中で知り合った仔狐が人化したキャラ。 身体つきは大人だが言動が思いっきり幼児なので個人的にはウザキャラと言った印象しか抱きませんでした。 正体は九尾の狐で終盤に記憶が戻る。
 個別ルートは神の国に帰ったイヅナが一年後に創造神の使いとして町を破壊しにくる流れ。 ラストは主人公とイヅナの前に現れた創造神を退けてエンド。 イヅナは思いっきり人間を虐殺しまくってたし、創造神の聞き分けの良さもなんだかすっきりしません。

セラ・ミカナギ
 聖銃の守護者として旅の途中で出会う何とかいう宗教の巫女。 見た目や言動の特徴としてはほとんどエルフ。 ヒロインの中では影が薄くてあまり印象に残りませんでした。
 個別ルートはアマツ復興後、国中を旅して回る流れ。 その過程で霊気が溜まって淀んだ森を見つけ、そこを浄化する力を得るために修行して最後はハッピーエンド。


お気に入り順は
 サヤ >>> ナツメ > セラ >> トウカ > イヅナ


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO