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で・る・た! 〜おねだり天使とひとつ屋根のした〜
発売日:2007.04.27 / アトリエかぐや Honky-Tonk Pumpkin
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイで4〜5時間、コンプまでは14時間くらいでしょうか。

 幼い頃に天使と出会い獣医を志すようになった主人公「神坂祐来」。 今では夢を叶えて幼なじみの「桧寺雪那」が経営するペンションの専属獣医として勤務していた。 そんなある日、主人公は古惚けた教会で天使「セレス」に出会い、世界が危機に瀕していることを伝えられる。 それを回避するには過去に天使と遭遇したことのある主人公が能力を分け与える「天使創造の儀式」で新たに天使を創造する必要があるらしい。 その儀式とはズバリ女の子とHしまくること。 そんな訳で主人公は彼の身近にいる女性のうち「雪那」「和佳葉」「志弦」の三人に天使創造の儀式を行っていくことになる…というあらすじ。


 三人のヒロインの中からHする相手を選んでいくことで進行する「さんかくADV」。
最終的に最も選んだ回数が多いヒロインの個別ルートに入りますが、選べる回数は10回程度なので全員に手を出すような行動を取るとヒロイン一人あたりのイベントが全て見れなくなるので結局はオンリープレイに徹する必要があります。 正直言ってさんかくADVとか銘打っときながらこの仕様には拍子抜けしましたよ。 てっきり全員に手を出せる入れ食いゲーだと思っていたし、その上でヒロイン達が互いに牽制し合うような内容だとばかり思っていましたから。 もちろん一度のプレイで全員と本番Hすることも可能なんですけど、そうすると一人あたりのイベントが2つ3つ程度になってしまって味気ないったらありゃしません。


 ヒロイン達は最初から主人公への好感度はMAX状態ですが主人公は定番というか恋愛ごとには異様に鈍いキャラ。 ただ獣医として真摯な行動と信念を持っていて私的にはなかなか好感を抱けるヤツだったと思います。 診察を終えて元気になった動物と主人公を健気に慕うヒロイン達とが織り成す日常はほのぼのしていて居心地は良好でした。

 話の流れとしては前半部では上記のようなほのぼのした日常と儀式としてのHの繰り返しで甘ったるい展開が続きます。 ヒロイン以外にもサブヒロインとして擬人化した犬猫が居て、これまた主人公のことを慕ってたりするのですがケモノ属性がそれほどない私には単なる水増しキャラとしか感じなかった(笑)。
 んで後半になると天使になるヒロインが選ばれて世界を救う行動を起こすことになる訳ですけど…なんというか展開が強引で唐突な上に超絶御都合主義なのでヒロインがピンチになっても作中のキャラだけが盛り上がってる感じでプレイヤーたる私は「ふーん、そうなんだぁ」と淡々とテキストを読む破目になってしまいました。 他のかぐや作品でもいくつかこういうノリの展開がありましたけど(『アマツ』とか『スクぷろ』とか)、このあたりのプレイヤー置き去り感はもう少し何とかならないものでしょうかね。 もしやHB作品が特殊なだけで、こっちがホントのかぐやクオリティなんでしょうか?


 エロシーンは一人あたり8〜9回。 シチュエーションは風呂場とか青姦とか色々とありますけど、体位なども含めて割とオーソドックスな和姦ものばかりです。 声優さんの演技は申し分ありませんし尺もテキストもCGも実用性は十分なレベル。 ただ、かぐや作品としては主人公の連射率が低く、複数射精でもフェラやパイズリで射精してから本番で1回…という感じなので抜くタイミングを誤ると空しさが炸裂する可能性があります。

 個人的にはエロシーン単体としては連射に拘りがある訳じゃないので現状でも構わないのですけど、ハーレムルートが存在しないことには激しく苦言を申し上げたいところ。 三人のヒロインエンドを見た後は天使サリエルのルートが開放されるのですが、このルートの派生ルートとしてハーレム展開を入れても違和感が無いと感じるだけに勿体無いです。 一応「雪那」と「和佳葉」の個別ルートでは擬人化したペットとの3Pシーンがありましたけど、やっぱりメインヒロイン三人の絡みも見たかったですよ。


 かぐや作品としてはエロ部分に特筆するようなものが見当たらなかったのがちょっと意外ではありましたが、押さえるべきところは押さえているし雰囲気とキャラは非常に良い感じなのでこれらの相乗効果で萌えエロゲーとしては悪くなかった。 ただシナリオ終盤のぐだぐだ感は如何ともし難く、伏線の張り方をもう少し考慮して欲しいなぁと感じたタイトルでした。


キャラ毎の雑感は軽く。


桧寺 雪那
 素直になれない主人公の幼なじみ。 実業家の娘で主人公を囲っておきたい一心から自身が経営するペンションの主治医に抜擢する。 なんかこの健気さ故に他ヒロインルートに流れるのが辛かった。 特にサリエルルートの雪那は気の毒過ぎですよ。
 個別ルートでは雪那が実は世界樹の核の生まれ変わりだったとか訳の分からん展開で一人犠牲になろうとする流れ。 最後は御都合主義全快でハッピーエンド。

神坂 和佳葉
 病弱な主人公の妹(実妹)。 主人公の傍に居たいが為に療養にかこつけてペンションに同居する。 キャラ的には特筆するようなものが無い気がしましたが青筋立ててスネてる表情がなんか気に入りました。
 個別ルートでは天使に選ばれた際に命を掛ける宣言したことをサリエルに快く思われていないと感じて思い悩む流れ。 結局最後は主人公と天界へ上って世界樹浄化。

桜咲 志弦
 主人公の助手をしてる有能な看護士。 主人公を慕ってペンション勤務にも同行する。 他の二人のように嫉妬の感情を表に出さないのが良い感じ。
 個別ルートでは志弦の正体が幼い頃に死に別れた犬のユミであることを告げて一人で世界樹を浄化しにいってしまう流れ。 最後は魂だけの存在になった志弦が元に戻ってハッピーエンド。

サリエル
 主人公が幼い頃に出会った天使。 天使創造の儀式を天使に直接行うことで天使を強化できることが判り地上に降りてくる。 風呂に入ったときの糸目状態の絵がすごく気に入ってます(笑)。
 個別ルートでは邪の汚染に対抗しきれなくなったサリエルを主人公や他の三人が協力して浄化する流れ。 最後は主人公が天使になってハッピーエンド。


お気に入り順は
 雪那 > 志弦 > 和佳葉 > サリエル


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO