Rascal・改 − Game Impression
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恋する乙女と守護の楯 The code name is “SHIELD-9”
発売日:2007.06.29 / AXL
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイで約6時間、コンプまでは17時間ほどだったと思います。

 アイギスの特殊要人護衛課に所属する新人エージェント「如月修史」は少女のような小柄で可愛いらしいルックスを見込まれ、全寮制の女子校に在籍している女学生2人の護衛任務を任される事となった。 女性に免疫の無い主人公は女装してまで女の園に入り込むことに難色を示すが他に良い手は無く、転校生「山田妙子」として学園生活を送りつつ護衛任務を遂行することになるのだった…というあらすじ。


 選択肢型のADV。 共通ルートで各ヒロインの条件を満たせば後半に該当ヒロインの個別ルートへ入れる仕様。 エンディングのあるヒロインは5人ですが、約1名は初回プレイでの攻略が不可のようです。 基本的にお目当てのヒロインを選んでいけば問題ないので難易度は低めですね。 むしろバッド系エンドの補完の方が面倒かも知れません。 全ヒロインのエンド達成後にExtraモードにて線画が閲覧可能になります。


 主人公は孤児で幼い頃から傭兵として戦場で過ごしてきた…という某宗介のような過去を持っているけど宗介のように常識外れな行動を取ることはありません。 エージェントとしての気概もあり真面目なヤツではあるのですが、女性慣れしていないが故に非常にシャイな性格をしていてコレらの性格設定が良くも悪くも物語展開のアクセントになっていました。


 共通ルートとなる序盤から中盤にかけては「素性がバレないように」「苦手な女の子達と共同生活しつつ」「刺客を排除していく」という制約が絡み合うことによる困難とそれを対処してるときの各キャラの反応や掛け合いがなかなか楽しく、コミカルな雰囲気が心地よかったです。 特に主人公の上司兼保護者である課長が美味し過ぎ。 ヒロイン達にメイド服を強要させられたことを相談した際「こんなこともあろうかと…」とメイド服の収納場所を指示するあたり只者じゃないです(笑)。
 また主人公の言動をヒロイン側から見ると「今まで居なかったタイプの変な娘」という印象になり、何かと気になる存在になっていって時折見せる男性的な仕草にドギマギしたりする様子が第三者的視点で見ていると楽しい。

 でも後半で個別ルートに入る頃になると逆にキャラの設定と行動内容に違和感を抱いてしまう展開がいくつか見られたのがちょっと残念。 特に主人公がエリート組織のエージェントの割に人質取ってる敵に対して真正面から無策で突っ込むあたりで激しく萎えましたよ。 中には設定を考慮すれば納得できる行動を取るキャラも居るのですけど、それらの行動もキャラの魅力という点ではマイナスに働いてしまう展開が多くて勿体無いなぁと感じました。 まぁ多少ぐだぐだ感のあるご都合主義でも最後がハッピーエンドなら無問題…と割り切って前半の勢いのまま突き進めてしまうのが良いかも知れません。


 エロシーンは1人あたり2〜3回。 ヒロインは全員処女ですけど初っ端から感じまくり、フェラは全員実装されていて半脱ぎ率も高め…と恋愛物らしい展開が多かった。
 ただ主人公ってば女性に対して免疫がなくて普通に裸見たりちょっと触れただけで動揺しまくりだったのにエロシーンの最中だけはやたら攻めまくってて妙に違和感がありました。 一応尺はそれなりにあり、キャラへの思い入れも強かったので個人的には割と実用性はあったんじゃないかなと感じてます。


 システムまわりは選択肢などのスイッチ系が少々もっさりしてましたけどシナリオスキップなどがあって快適にプレイできました。
 CGは枚数も質も満足。立ち絵の表情パターンも豊富だしSD系のCGも頻繁に使用されていて賑やかで良いですね。


 まとめとしては「良くも悪くも雰囲気ゲー」ですかね。 中盤までは登場キャラ達の設定を活かしたイベントを心地よく楽しめるけど、後半はキャラ達の設定を気にし過ぎると展開に違和感がある(気にしなければそれなりに楽しめる)という流れで、個人的にはちょっと勿体無いなと感じた作品でした。


以下、キャラ別設定覚え書き(ネタバレあり)。


春日崎 雪乃
 多くの学園生から慕われてる学生会長。 仲間内では高飛車ぎみだが面倒見が良く、主人公の淑女らしくない言動を事あるごとに正そうとする。 数日後の誕生日に莫大な遺産を相続することになっていて遺産目当ての親族から命を狙われてる…らしい。
 個別ルートでは他ヒロインもよく出てくるし笹塚や有里らと組んでの3対1バトルとかその後の設子の涙とかの展開が全ルートの中で一番気に入ってます。 全員に男だとバレるけど、そのときの優の台詞もある意味印象的でした。
 ハッピーエンドでは遺産を使ってアイギスの出資者になり主人公が尻に敷かれる展開。

椿原 蓮
 父が政治家で正義感の強い副会長。 運動神経がよく性格もさっぱりしていて学園生から慕われている。 父親が濡れ衣で汚職疑惑をかけられ、疑惑を晴らされたくない勢力からの脅しネタとして蓮が狙われることとなる。
 主人公が男だと気付くきっかけは雪乃ルートと同じですが、その後の行動がよろしくないですね。 主人公の力になろうとするのは蓮らしくて良いのですけどやってることが悉く足手まとい。 個人的に蓮で印象に残ってるのはやっぱり演劇でのキスシーンでしょうか。 後は深夜の料理シーン(調理中CGはどう見ても炒飯なのに出来上がったのは杏仁豆腐)も地味に受けた。
 ハッピーエンドでは弁護士となり主人公がガード。雪乃や鞠奈には最後まで男だとバレない。

新城 鞠奈
 理事長の孫。 他人の前では猫かぶっているが仲間内では超わがまま。 両親は既になく、家族に構ってもらえない寂しさから我侭な態度を取っている…のですが理由はどうあれウザいものはウザいですな。 一生体育倉庫に引き篭もっててくれ。
 主人公に手を焼いてる敵組織が主人公に手を引かせるための脅迫の対象として鞠奈を指名した…という流れだったっけ? 印象に残ってるシーンは特に無いなぁ…強いて言えばリンゴ握り潰すシーンかな。
 ハッピーエンドでは鞠奈が理事長になり主人公がシスターとしてガード。

穂村 有里
 主人公とは別の組織から送り込まれてきたエージェント。 クラスメイトの護衛だが戦闘より情報収集が得意で主人公の正体も直ぐに見破る。 でも他の敵対するエージェントのことは気付いていないあたり有里の能力よりも主人公が間抜け過ぎだったという印象の方が強いですね。
 個別ルートでは得意の情報収集でも主人公に遅れを取ったことに劣等感を抱く流れ。 ラスボスは全ルート中最弱…故に何も考えず人質取ってる敵の前に正面から向かうという主人公の阿呆っぷりに激しく萎えた。 結局トドメ刺したのは設子だし。 でもキャラ的には主人公の正体を知っているが故の反応がなかなか良い感じです。 裸見られたくらいで泣くなよ…とは思ったけどそんなとこも良いところ。
 ハッピーエンドでは有里もアイギスに所属して共に学園のガードを継続。

真田 設子
 主人公、蓮、有里らのクラスメイト。 清楚な振る舞いで学園一の淑女と噂されている…が実は敵組織の暗殺者。 暗殺者モードの設子はかなり良いですな。 有里ルートで学園から去るときにスカートの両端を摘んで人知れず別れを告げるシーンが某人気ゲームの某ロリキャラっぽくて好きだ。
 雪乃ルートと同様に夜襲されるが正体に気付くのは少し後。 勝負期間中もわざわざ主人公に気付くように罠を仕掛けたりする行動が妙に気に入った。 共通ルートでの料理シーンとか礼拝堂での背中合わせの会話とか印象的なシーンも多く、個人的に一番お気に入りのキャラでした。
 ハッピーエンドでは組織に捨てられた設子がアイギスに移籍し主人公とコンビを組む。


お気に入り順は
 設子 > 有里 > 雪乃 >>> 蓮 >>>>> 鞠奈


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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