護人 (まもりびと) |
発売日:1998.04.24 / ボンびいボンボン! |
◇ あらすじ
我々の棲む人間界と平行状に存在する異世界である「幻獣界」。
互いに相容れぬ世界が互いに干渉し合わないよう二つの世界の均衡を護る使命と能力を持った者が「護人」である。
主人公「如月京介」は25歳の誕生日を迎えた日、幼なじみであり姉代わりでもあった「深雪」から自分が護人であることを知らされる。
そして25歳を迎えた今、護人として第二の覚醒を迎えて人間界と幻獣界を自由に行き来できるようになるとのことだった。
数年前に田舎から上京してきて大手の会社で平和な毎日を送っていた主人公にとって俄かに信じられない話だったが、その日の夜にふとしたことで幻獣界へ転移してしまう。
そこは動物の耳と尻尾を持った幻獣達が棲む世界。
そして人間達の中にも幻獣界の存在を知る者が現れ、主人公や深雪に接触してくるようになる。
はたして主人公は二つの世界の均衡を護ることができるのだろうか。
◇ ゲーム概要
移動先や「見る」「話す」と言ったコマンド選択によって進行するADV。
物語は5つの章で構成されていて、シナリオも1本道で分岐は一切ありません。
そんな訳で難易度とは無縁のゲームですけど、2'ndプレイ以降にならないと発生しないイベントがあったりするのでCGコンプを目指すなら何度かやり直す必要があるようです。
1プレイ時間はスキップ無しだと4〜5時間くらいでしょうか。
◇ システム
インストールは最小とフルの二通りから選択。
ただフルインストールでもBGMや音声はインストされないようです…それってフルインストールじゃないやん(苦笑)。
ちなみに容量は141MBほどでした。
使われてるシステムは所謂ビジュアルアーツ標準のものでウインドウモードとフルスクリーンの切替え、メッセージスキップ、その他の設定は他のビジュアルアーツ系のゲームと同様です。
セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で計10ヶ所まで登録できるようになってました。
個人的には使い慣れてきたシステムだし、既読・未読チェックのスキップ以外で特に不満点は無いです。
◇ グラフィック
原画は「MIRIKO」さん。
キャラはデコが広いのと睫毛の描き方などに特徴があり、今風の絵柄とはちょっと雰囲気が異なるので合わない人も居そうですね。
私は少し癖のある絵柄も好きなのであまり問題無かったですけど。
CGは台詞に合わせて口パクや目パチ等のアニメ処理がしてあって凝ってますし、塗りの方も良い感じでしたし枚数も結構多めだったので満足。
背景もよく描きこまれてました。
あとゲーム中に偶にムービーが再生されるのですが、これも良く出来てます。
特に三章後半の沼のシーンで流れるムービーは良かった。一瞬「ナ○シカ?」とかツッコミたくなったのは私だけじゃないはず(笑)。
CGモードは一度エンディングに到達すればトップメニューにEXTRAモードが追加され、そこから入れます。
エロシーンの回想モードや次回作の予告(『Ribbon2』(^^;)もあり。
余談ですが『Ribbon2』の予告CGはゲーム本編の物とかなりキャラデザインが異なってて笑えます。
更に余談ですけどCD-ROMのおまけフォルダにあるおまけ画像もかなり笑わせてもらいました。
ゲームをクリアされたら一度見てみることをお薦めします。
◇ サウンド
BGMはWAVで全18曲。
昔の探偵物のゲームとかでかかってそうな曲が多かったですけど私的にはなかなかの出来だったと思います。
お気に入りは「遠い日の約束」「4匹の子豚」あたりでしょうか。
また曲のタイトルも笑えるのが多くて面白い。
例えば幻獣界でかかる曲が「厳重かい?」って曲名だったり巳鈴のテーマ曲が「蚯蚓と書いてミミズと読む」だったり…もう意味不明すぎ(笑)。
CVは主人公以外フルボイス。
演技はキャラによって結構差がありました。
約2名ほど「ちょっと…(--;」って感じの人が居た以外は概ね良かったと思います。
チナツの声の方がかなり良かったかな。
音楽モードもCGと同様に一度エンディングを迎えたあとに入れるようになります。
◇ 感想まとめ
このゲームに興味を抱いたきっかけは『Ribbon2』の某「月を眺めてるヒロイン」の続きが気になったから…というものでしたが、いざプレイしてみるとこれがなかなか面白い。
もちろんクライマックスなどは『Ribbon2』をプレイしていたことによる相乗効果もあったのですが主要キャラの設定、そしてそれを組みたてていく展開とテンポの良さには結構惹きつけられるものがありました。
私はこの手のゲームをプレイする際、プレイ中に先の展開とかオチをアレコレと予想してしまうタチで、このゲームでも色々と捻った予想をしながらやってましたが…良い感じで予想を裏切ってくれます。
っていうか展開に限ってはあまりにも捻りが無さ過ぎなのが逆に裏をかかれたって感じかな。
幻獣界の長老が人間界の某組織と繋がりがあって主人公を陥れようとしてんじゃないかとか色々予想してたんですけどね(笑)。
そんな訳でプレイ中は先の展開が気になりつつ楽しめたし、ラストの展開も気に入っているんですけど、終わってみると某組織とか某賢者絡みでいくつか説明不充分な個所があり「単に用意しただけ」で終わってしまったのが残念。
人間界で出会うキャラ達はある程度掘り下げた設定があってゲーム中でも語ってくれるのですが、幻獣界側のキャラ達の方ももう少し掘り下げて欲しかった気がします。
エロシーンに関しては「登場する女性キャラはとりあえず食いまくれる」というのは『Ribbon』『サークルメイト』と同様でBonbee!らしいと思います(『Ribbon2』が特殊なのか?)。
ただ、確かにエロシーンの数は多いし必然性もある程度はあるものの、どのシーンも割とあっさり目で飽きてくるし、シナリオのテンポを妨げてるだけと感じてしまうものもいくつか存在したのが残念です。
それと個人的にはケモノ系ヒロインならではのHをもっと入れて欲しかったところです。
物語のスケールは大きいけど、決して「大作」と呼べるほどのゲームではないし、シナリオも探せばかなりの粗が出てくるのは確かです。
でも「プレイヤーを惹きつけさせる」事には成功してるゲームだと思うので、この手のファンタジー系のお話に興味がある方はプレイしてみるのも良いのではないでしょうか。
◇ お気に入りキャラ
やっぱりメインヒロインの「巳鈴」でしょうかね。
このゲームのシナリオ展開的に、どうも他のヒロインへは流されにくいようになってる気がしました。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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