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Ribbon2
発売日:1999.11.05 / bonbee!

◇ あらすじ

 夏が過ぎ、冬の訪れを感じる秋。 両親が海外へ移住してる為に兄夫婦と同居、という状況下にある主人公「速水 幹久」は変わらぬ日常生活に満足しつつも何か物足りなさを感じていた。
 それが何かも、必要なものかも分からない。 しかし気づいてしまうと今までの日常が変わってしまうような何か。 そして感じていた、何かが変わろうとしている予感を。


◇ ゲーム概要

 場所移動型のADVで、お目当ての娘に何度も会って会話し、フラグを立てて行く事でそのヒロインのイベントが発生していく…と言ったある種定番となったゲームシステムです。
攻略対象は総勢9人でゲーム期間は10月1日から30日までの一ヶ月。

 場所移動は移動先に誰かいる場合は(学校内のみ)リボンが表示されるので、全ての場所をチェックする必要は無いし、一度エンドを迎えた娘は次のプレイの時にリボンから顔アイコンになるので繰り返しやる度に楽になっていきます。 でも各キャラの出現場所はほぼ固定だし、街中を移動する時も空き地にある看板を右クリックする事で各所の出現キャラが判るので初回プレイでも難易度は低め。

 それとヒロインとの会話中に「制限時間付きの選択肢」が出てくる場面があるので、ボケ〜とプレイしてると質問の内容が理解してなくて時間切れ、という事もあるのでご注意下さい…って俺か。 中にはわざと時間切れにならないとエロシーンに入れないキャラも居たりします。


◇ システム

 インストールは最小で2MB。 そこに「CG、シナリオ(212MB)」、「BGM(265MB)」、「音声(341MB)」をそれぞれカスタムインストール出来るようになっていて、フルインストに必要な容量は818MBってところです。

 システムはビジュアルアーツ系でお馴染みの奴なのですが、セーブは場所移動の前か、最後のイベント中にのみ可能となっていました。 でもロードは何時でも可能ですし、メッセージスキップも「CTRL」キーでできるので特に不満は無いかな。

 おまけで前作の『Ribbon』をWindows対応した『Ribbon95』が同梱されていて、前作未プレイの私にはかなり有り難いおまけでした。 あと、ManiaX・CDというのが付いていて「スクリーンセーバー」「壁紙」等の他に「おまけシナリオ」とがあり、『Ribbon2』開発遅れの言い訳がされてます(笑)。


◇ グラフィック

 原画は「MIRIKO」さん。 キャラクターデザインはややロリ系で個人的には結構可愛らしく感じてお気に入り。 この手のゲームでは軽視されがちな男キャラが中々カッコよく描かれているのも高評価です。

 ただCGはシーンによって塗りの出来に差があるような気がしたけど、気のせいかな。 枚数が1人あたり10枚弱と少ないのも不満で、私的にはどうでも良いようなシーンでCG表示するのに「ここで出して欲しい」というシーンでCG無しというのがあってとても残念デス。
 でも背景は凄く綺麗だし、教室の背景なんて日にちが経つ毎に段々と学園祭の道具が増えていてとても良い感じでした…と思ったらこの背景原画さんって『Kanon』も担当された「鳥の」氏だったんですね、納得。

 CGモードは最初からトップメニューにあって、随時登録されていくタイプ。 一応キャラ別に「あと何枚見ていない」というのが判るようになっています。 それと余談ですが、パッケージの蓋を開けた側面に描かれていたデフォルメキャラが結構気に入りました。 でも何であんな判かり難い場所に?


◇ サウンド

 BGMはDirectSoundで主題歌の「新しい恋のかたち」はヴォーカル曲。 曲数は30曲+αとなかなか多いですし、曲の方も最初は印象薄かったものの、何度も聞いてるうちにかなりお気に入りになってしまいました。 特に各ヒロインのテーマ曲は軒並み良かったし、「憂鬱」や「ドキドキすること」といった静かめの曲が良い感じでした。 もちろんI've製の主題歌もお気に入り。

 CVは女性キャラのみフルボイス(ちょい役除く)。 演技の方は悪くないし、キャスティングの不満も特に無し。
 音楽モードはCGと同様に最初からトップメニューから入れます。


◇ 感想まとめ

 このゲームをプレイしていて一番気になったのが“主人公の性格(というより行動力)がシナリオによってバラバラ”って事でしょうか。 基本的にどのシナリオでもヒロインに対して臆病なんですが、シナリオによってはホントに理解不能な行動してくれます。 ぶっちゃけヘタレ系なんですが、その分ヒロイン達は皆可愛いし、サブキャラ達もカッコ良すぎなくらいに描かれているのは良かったと思います。

 各シナリオにはそれぞれテーマがあって、キャラによっては特に違和感無く話が進むんですが、その反面、無理にテーマに合わせようとして主人公の行動や展開に無理が生じたと感じるものもありました。 でも、そんな理不尽な主人公の行動も「不器用な10代の少年が恋愛を通して人間的に成長していく物語」と捉えれば何とか耐えられるレベルかな。

 あと描画に若干もたつく感じがして、特に朝の「登校中」とか「昼休み」といった文字が毎回表示されるのがちょっと鬱陶しかったです。

 なんか不満点ばかり書いてますけど決して外れでという訳ではありません。 何となく無理にでもテーマに合わせたいというのもわかるんですよね…。どのテーマも結構重く、そしてわかり易いものばかりなんで個人的には気に入ってますし、各シナリオともサブキャラ(恋敵含む)の絡ませ方が良い感じで、全体的な作りは丁寧だと思います。
 一応誰でもそれなりに楽しめる作品には仕上がってると思いますので、恋愛ゲームが好きな方はプレイしてみても良いんじゃないかと思います。


◇ お気に入りキャラ

 今回のお気に入りキャラは「GP-900Z」(ぉ。 未プレイの方には訳わからんでしょうけど、私的には結構ウケました。
 他には「綾乃」「安奈」「沙雪」といった順番でお気に入り。 シナリオ的には「安奈」「響」あたり。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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