Rascal・改 − Game Impression
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PALETTE
発売日:1998.11.20 / FAIRYTALE

◇ あらすじ

 高校生活最後の夏休みを数日後に控えた主人公「涼原耕平」。 彼は夏休みまでの学園生活を幼なじみである「菜乃花 恵理」「鳩羽 翠」や、お兄ちゃん☆と慕ってくる従妹の「萌木 玉緒」や、同じく従姉の「千晴」姉さんの勤める病院にボランティアで来ている「東雲 深月」などの女の子と過ごしていく事になる。 はたして夏休みを迎える頃に耕平の隣にいる娘は誰になるのでしょうか。


◇ ゲーム概要

 パラレル恋愛SLG…という事で、このゲームはまず最初に“舞台は同じだが、設定が微妙に異なるシナリオ”のどれかを選択する事になります。 基本的にどのシナリオでも登場キャラは同じですが、メインで展開していくヒロインやキャラの位置付けが異なってきます。
 各シナリオともメインヒロイン以外ともハッピーエンドを迎える事も可能。 初期段階で選べるシナリオは3つですが…ある条件を満たせばもう一つ追加されます。

 ゲーム内容の方はSLGとは言っているものの、ほとんどADVと思って問題ないです。 ゲーム中に現れる2〜3択の選択肢を選んでいく事によってシナリオは進んでいき、選択内容によってキャラの好感度が上下したり、ストーリーが変化したりします。 選択した後に好感度に変化があった事を知らせる効果音が鳴りますし、好感度はゲーム中に何時でも確認する事ができるので難易度はある程度低めになっています。 とは言え、ゲーム中は結構な数の選択肢が出現するので大変ではあるのですが。


◇ システム

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンがあり、コンフィグによってどちらで立ち上げるか設定出来ますし、音源や音声の設定なども一通り出来るようになっているので、こちらの方は問題ないと思います。 ただ…メッセージスキップが一応付いてはいるものの、逐一システムメニューでスキップONにしてやる必要があったり、一度スキップしだすと再びシステムメニューを開いてスキップOFFにするまで流れ続けたるので煩わしいです。

 セーブは8ヶ所まで保存可能でゲーム中にいつでもセーブ/ロードができるんですが、画面が同じデザインなのでセーブするつもりがロードしちゃったり、その逆もあったりで紛らわしかったです…って言っても私が悪いんですが(苦笑)。 もうちょっと色分けするなり分かりやすかったら良かったなぁ…と。

 最後におまけメニューですが、一度エンディングを迎えるとCGモードと音楽モード、それと小麦ちゃんのお部屋が追加されます。 さらにCG100%になると…。


◇ グラフィック

 なんか原画担当の方がたくさんいらっしゃるようです。 「江森美沙樹」氏、「針玉ヒロキ」氏、「小野川キウイ」氏、「水城たくや」氏といったところでしょうか。 そのせいかどうかわかりませんが、ゲーム中のイベントCGなんかで雰囲気とかが違うと感じる事が結構ありました。 それになんかパッケージイラストとゲーム中の雰囲気もちょっと違う…。 CGはハイカラー全盛の98年末に出たわりに何故か256色でした。


◇ サウンド

 BGMはMIDIで5種類の音源からセレクトできます。 私はSC-88モードでプレイしましたが、BGMとしては割と良かったんじゃないかと。 特にお気に入りという曲は残念ながらありませんでしたけどね。 ちなみにEDの「ハートのクッキー」はヴォーカル曲でCD-DA再生になっています。 こちらもゲーム内容に合っていて割と印象に残る感じで良かった。 音声は主人公以外はフルヴォイスで喋り、声優さんもF&Cお馴染みの方(だと思う)なので演技の方も安心して聞いていられると思いますが…どうでしょうか?(笑)。


◇ 感想まとめ

 先に書いた通りパラレルSLGって事でシナリオによって少々異なるので、個別に感想書いてみます。

恵理&翠シナリオ
 幼なじみでいつも3人一緒だった主人公達だったが、ある日「恵理」が主人公に対して恋人宣言をしたために3人の関係に変化が…といった内容で、ヒロイン2人が幼なじみという事もあってか何となく『With You』と比較しちゃいますね。 実際キャラの雰囲気も似てるし(苦笑)。 でも幼なじみの三角関係を描いてるという点では、こちらのシナリオの方がしっかりしていると思います。 …とはいえ恵理なんかは途中で話の展開が読めてしまい、しかもその通りにオチがつくあたり何だかなぁって感じでした。 欲を言えばもうちょっと練り込んで欲しかったです。

玉緒シナリオ
 これは…ちょっと付いていけなかった(苦笑)。 いや、主人公が筋金入りのシスコンで、プレイ中はもう「恥ずかしいから止めい!」って何度も思ってました。 「お兄ちゃん☆」の連呼にゴロゴロと転がれる方にはたまらないでしょうけど、残念ながらまだ私はそこまで人格崩壊できる域まで達していなかったようです(笑)。 シナリオの方もこれまた先の展開が読めて、その通りにオチが付いてしまったので物足りなさを感じます。 ただ、この玉緒シナリオじゃなくて恵理&翠シナリオで展開する玉緒ストーリーは結構良かったです。 玉緒メインのこのシナリオよりも恵理&翠シナリオの方がインパクトがあって個人的にはお気に入り。

深月シナリオ
 このシナリオでは主人公は翠が本命でアタックをかけていたが、ある日知り合った深月とも良い雰囲気になってしまい、二股かけたままずるずると修羅場を待つ…って感じです(笑)。 期待していた展開とは異なりましたが、なかなか良かったです。 この深月に関しても恵理&翠シナリオでのストーリー展開が結構よさげでした。 購入当初はノーマークだったキャラだけに嬉しい誤算というやつですね。

**シナリオ
 ある条件を満たすと現れます。 ただストーリーは短く、「おい何だその展開は」と感じ場面もありますが、キャラとしては私的に一番のお気に入り。 さらにBADエンドでもあの娘が…。

 総合的には結構満足できたと思います。 パラレルワールドで展開していくシナリオも一部で不満があるものの、なんとなく新鮮で飽きずにプレーできたと思いますしね。 まぁキャラがちょっと「いくら幼なじみや従妹でも、そこまでするか?」って感じで不自然に主人公を慕ってたり、ヒロイン全員処女だがとてもそうは見えない慣れた感じのエロシーンなどの御都合主義展開が気になりましたが、きっと凄くいい男で生まれつきテクニシャンなんでしょう(優柔不断だけど)。 物語として特別際立ったもはありませんでしたが、ほのぼのした雰囲気が心地良かったです。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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