Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

Lipstick Adv. EX
発売日:1999.04.23 / FAIRYTALE

◇ あらすじ

 貧乏私立探偵「一条 恵美」とその恵美を慕う女子高生「日高 小梅」。 事件の始まりは小梅の在籍している女子校近辺で変質者が出没するという噂からだった。 探偵倶楽部の部長を勤める小梅はその変質者の調査を進めていくうちに探偵の恵美と共に大きな事件の渦に巻き込まれていく…。

◇ ゲーム概要

 「恵美」と「小梅」の二人の視点から見た物語が進行していく某マルチサイトのようなADVです。 片方のシナリオを進めないともう片方が行き詰まるという事は無いですが、二ヶ所ほどで両方のシナリオの時間帯を合わせるポイントがありました。 ゲームは主に場所移動とマウスポインタで画面上を調べたり会話する(昔のADVにあったようなカーソルが虫眼鏡になったりするやつです)事で進行していきます。 選択肢による分岐は一切ありませんが、あまり効率よく場所移動を行なっていると見逃すCGとかがあったりしますので注意。

◇ システム

 最小インストールは150MBですが、音声を聴きたい場合は問答無用で500MB程必要になります。 セーブは六ヶ所まで登録可能で移動選択画面以外ではいつでもセーブとロードができるようになってました。 メッセージスキップは無し。

 目新しいところでは画面内のクリック判定のある箇所が一目で判るように境界線が表示できるようになっています。

◇ グラフィック

 原画は「山元 浩」さん。 キャラクターデザインは個人的に気に入っていますし、CGも悪くは無かったと思います。 それにCG枚数が295枚とかなりの数があるのが嬉しいところ。
 ただ同じイベントなのに表示されるCGによって着ている服装が違うというのがあって気になったのがマイナスかな。

 CGモードはゲームを開始した時点でTopメニューから入れるようになります。

◇ サウンド

 BGMはMIDIで例によって複数の音源から選択できます。曲数は30曲ほど。 特に気に入った曲は無いのですが全体的に結構良い感じの曲が多いと感じました。 尚、OPの「LOVE EXPLOSION」とED「いちばんたいせつなもの」はヴォーカル曲。 OPは非常にノリの良い曲でお気に入り。EDの方はエロゲでは珍しい男性ヴォーカルなのでなんとなく新鮮な感じ。

 音声は全キャラフルヴォイス、演技も全体的に高くて良いと思います。 音楽モードは最初からTopメニューにありました。

◇ 感想まとめ

 マウスクリック型の探偵物ADVなので最初はプレイヤーが画面内を調べまくって手がかりを探し、事件を解明していくタイプだと思ったのですが…全く違いました。
 場所移動と会話だけでどんどんと物語が進んで行くのでエンディングを迎えてもプレイヤーが自分で事件を解決したという達成感は皆無。 マウスクリックはほとんど意味が無いものばかりだし、調べられる箇所を全て(しかも2回づつ)クリックさせないと先に進まない場面もあったりしたので正直言って邪魔以外の何物でも無かったです。

 物語そのものも全編を通して些か盛り上がりに欠け、事件の真相が解る部分とその前後の見せ場もあっさりしすぎというか薄っぺらく感じます。
 あとは本筋とは関係ない意味不明なイベントが結構あったのも気になりました。 例えば雑木林で璃恵子が穴に落ちて「学校がある場所が昔は病院だった」というところは本筋とは関係無いですよね。
 他にも主人公達(恵美と小梅)の出会いに関する事も最後まで不透明なままでしたし…なんかエンディングを迎えてもすっきりしないというか消化不十分というか…モヤモヤとしたものが残ってしまいます(苦笑)。

 エロシーンは犯人絡みのシーンがほとんどだったかな。ただ何となく中途半端な印象を受け、これと言って印象に残ったシーンは思い当たらないです。

 一応良かった点を挙げておくと…難易度が低く途中で行き詰まる事が無いので、その辺のストレスとは無縁ということ。 あとは動作そのものは比較的軽いし、CGの枚数は多いし、OP曲も声優さんの演技も素晴らしい…と言った所でしょうかね。

 要するに問題はシナリオな訳だが…とりあえず「お手軽な探偵物(と言うのも難だが)」をお探しの方には良いかも知れません、ただし自己責任で(ぉ

私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO