Moon Light 〜おもいでのはじまり〜 |
発売日:2000.02.25 / Clear |
◇ あらすじ
通い慣れた学校が間もなく廃校となる。
それまで当り前に過していた日常が少しずつ変わりはじめ、やがてそこで過した仲間達と別れの時を迎えることになる。
主人公「新貝 光輝」は廃校になるまでの約二ヶ月間をどのように過していくのだろうか。
◇ ゲーム概要
ゲーム中の選択肢んでいくことによって進行・分岐していくオーソドックスなノベルタイプのAVGです。
期間は冬休み明けの1/8から廃校になる3月中旬までの約2ヶ月。
攻略可能なヒロインは5人で前半の選択肢によるフラグによって各ヒロインシナリオへ突入するようになってます。
後半はイベントのある日付のみが展開していき、誤った選択肢を選ぶと即バッドエンド。
全体的に選択肢の数はそう多くはありませんけど難易度は結構高いようです。
◇ システム
インストールで使用するHD容量は約180MBほど。
一度インストールしてしまえば次回プレイからCDレスで起動可能。
BGMは再生されませんけど…。
画面は640×480の窓とフルスクリーンの二通りでデフォルトではフルスクリーンになってました。
メッセージは速度調整ができるし一度見たテキストはノーウエイトで表示されるんですけど、テキストの区切りあたりで結構もたつくのが難点。
スキップは「CTRL」によって可能ですが何故かスキップでは未読・既読の関係無しに飛ばされます。
セーブやロードはゲーム中にいつでもできて5×5の計25ヶ所まで登録可能。
更にセーブした時点の画面状態まで保存してくれるのでゲームを再開する時に非常にわかり易いのが良いですね。
◇ グラフィック
原画・キャラクターデザインは「Rけん」さん。
キャラデザインは可愛い感じで良いと思うんですけど幼なじみの「岡崎 汐音」以外はなんとなく感情が掴みにくい感じがしました。
CGは背景なんかは綺麗で良かったと思います。
だだ人物なんかはもうちょっと色数を多くしてもよかったんじゃないかなぁ…感情が掴みづらいだけに余計そう感じました。
イベントCGの枚数はやや少なめです。
CGモードは一度エンディングを迎えるとトップメニューに「おまけ」が追加され、そこから入れるようになります。
エロシーンの回想モードもあり。
◇ サウンド
CD-DA再生の全22曲。
概ね良い感じの曲が揃っていて結構気に入りました。
特に「be happy」などの軽快な雰囲気の曲が気に入ってます。
ちなみにOPとHappyEndではそれぞれボーカル曲「陽のあたる橋」と「映す 想い 過去」が流れます。
どちらもしっとり(?)とした曲で良し。
ちなみに音声はありません。
音楽モードもCGと同様、一度エンディングを迎えた後にトップメニューに「おまけ」が追加され、そこから入れるようになります。
◇ 感想まとめ
もうすぐ廃校になる…という基本設定で、ゲーム中は実に様々な「別れ」が描かれています。
これは「やがて来る別れ」といったものだけで無く、ヒロイン達が体験してきた過去の様々な別れがシナリオを上手く味付けしていると感じました。
そのため雰囲気的には少し暗めですが、この辺りがテーマになってるのかも知れません。
ちなみに廃校になるという設定は「別れ」を描く以上のものは感じず、卒業でも特に違和感は感じなかったと思います。
まぁプレイヤーに気を引かせるという点では良かったのかも。
一応キャラ同士の会話や編入試験といった物で上辺だけの設定にはなってないと感じましたし(苦笑)。
シナリオは恋愛物のお話として見ると結構良いです。
日常会話などもテンポ良く進みますし、クライマックス付近の盛り上がるシーンは時間を忘れて読みふけってましたしね。
特にメインヒロインである「氷沼 悠理」と悠理の居候先の保護者「奈々村 沙祐璃」そして下級生の「片瀬 美姫」は表面上の設定の他に深い繋がりがあり、それぞれのシナリオで明かされる人間関係と過去はかなり衝撃的で意表を突かれました。
とまぁプレイしていてかなり評価に値する出来なのは確かなんですけど、純粋にシナリオ展開に一喜一憂するには私は余りにも多くのゲームに手を染めすぎてしまいました(笑)。
と言うのも全てのシナリオが「どこかで見たような…」と感じる展開が多く、感動より先に「〇〇の××シナリオみたいだ」と思ってしまうんですよね。
もっともパクリとかの印象は無くて展開が似ているというだけだし、私自身も忘れかけてた比較的マイナーなゲームで見た展開が多いのでかなり楽しめたのは事実ですけど。
あと気になった点として、どうも感情移入がしにくいな…という事があります。
これは汐音シナリオの後半のように主人公の行動が原因という場合もあるんですが、ゲーム中の主人公とプレイヤーの情報量が微妙に違うというのが大きいと思います。
例えばあるキャラのロケットに入ってる写真を見てしまうイベントがあるんですが、主人公は写真の人物を知ってるのにプレイヤーには判らないと言った具合で、どうしても主人公より一歩引いて見る必要があるためかと思います。
まぁこれはこれでクライマックスでのインパクトが増すという利点があるのですが…。
エロシーンは恋愛系にしてはなかなか濃いくて頑張ってるんじゃないでしょうか。
主人公の性格が一変せずにこれだけのシーンが描ければ個人的には満足ですし、すぐ2〜3回戦に突入するのも若さ溢れてて良いんじゃないかと(笑)。
H後にすぐエンディングとならないのも評価しています。
色々うだうだと書いてしまいましたが、結論としては予想以上に楽しめた作品です。
一応このゲームがデビュー作らしいので今後も十分期待できそう。
ただ、やや難易度が高いゲームですので可能なら攻略チャートを見ながらプレイされた方がシナリオに集中できて良いかもしれません。
◇ お気に入りキャラ
どのキャラも結構魅力的なんで非常に迷うんですが…、敢えて一人に絞ると幼なじみの「岡崎 汐音」かな。
汐音以外のヒロインと結ばれたときの彼女の最後の行動は結構良いです。
でも「氷沼 悠理」や「片瀬 美姫」も捨てがたい。
特に美姫は保護欲を掻き立てられます。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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