Wing & Wind |
発売日:2001.03.16 / Clear |
◇ あらすじ
三年前の夏の日、親戚の住む山間部の町に両親と遊びにきた際に事故で両親を失ってしまった主人公「根戸俊介」。
それ以来、彼は東京で一人暮しの生活を送っていた。
そんなある日、従妹の「村上若菜」から遊びにこないかと誘われ、主人公は3年ぶりに両親の眠る山間部の町へやってきたのだった。
果たして、この地でどのような物語が主人公を待っているのだろうか…。
◇ ゲーム概要
ゲーム中に出現する選択肢を選んでいくことで進行・分岐するオーソドックスなADVです。
構成的には前半部が全ヒロイン共通で進行していき、後半では前半に条件を満たしたヒロインのシナリオが展開していきます。
ただ…前作『Moon Light』同様このゲームも難易度は高いらしいです。
私は攻略本を片手にプレイしたので、どの程度の難易度なのかはわかりません。
ゲーム期間は8/14〜8/25までの11日間。攻略可能なヒロインは5人です。
◇ システム
インストール容量は最大で約760MB。
このゲームの特徴として画面サイズを640×480と800×600の二通りから選択でき、両方の画面サイズのデータをインストールすることができます。
ただ、私はフルスクリーン派なので、この仕様の恩恵を受けることはありませんでした。
メッセージは速度切換・既読スキップ・バックログ閲覧機能を完備。
ただ既読の判定は文章単位ではなくシーン単位なので、90%同じテキストでもいちいち読まされるのが鬱陶しかったです。
セーブやロードはいつでも可能。
セーブ可能な領域は25ヶ所用意されていて、セーブした時の画面状態も保存しロード画面で表示してくれるのが有り難かったです。
◇ グラフィック
原画は「KEG」さん。
目の間隔がやや横に広い感じのキャラです。
悪くはないと思いますがキャラデザインは特にヒットせず…。
それと、どの表情パターンでも立ち絵のポーズが変わらないのはマイナスです。
表情パターン自体はそれなりにありました。
CGは背景などはなかなか丁寧で気に入ってます。
ただイベントの1枚絵は…構図に問題があるのか、どうにも動きを感じなくて物足りないです。
例えば某ヒロインが崖から落ちて怪我をしてるCGがあるのですけど、何となくカメラマンに要求されたポーズに対し「こ、こうですか?」とおずおずポーズをとる新人タレントのような錯覚を感じました(笑)。
要するに全ての人物絵から「ぎこちなさ」を感じてしまったんです。
CGモード及びエロシーン回想モードはトップの「おまけ」メニューより入れます。
◇ サウンド
CD-DA再生の全25曲という構成。
曲はなんか単調に感じてしまうものがありましたが悪くありません。
個人的に「私は…」という曲が気に入りました。
あとOPの「WindTime」とEDの「羽音」はボーカル曲でしたが、残念ながらあまり印象に残らなかったです。
収録されてるのはShort版のみ。
ちなみに歌ってるのは「佐藤裕美」さんです。
音声は無し。
BGMが印象に残らないぶん、かなり物足りないです。
季節が夏ということで虫の声とかが入ってたのは良かったですけどね。
BGMモードはCGと同様にトップメニューの「おまけ」より入れます。
◇ 感想まとめ
あらすじには書いてませんけど、ヒロインの紗夜は数百年の時を生きているという設定で、話の内容はいわゆる不老不死ものです。
奇しくもこのゲームの発売前には『月姫』、『ヴェドゴニア』、『誰彼』などの不老不死ものが多く出回ってましたし、この手の不老不死ものはオチの展開がある程度限られてしまうという問題があるため、それなりの数のゲームをこなしてるプレイヤーにはあまり目新しさを感じませんね。
故に私はある程度予想できるエンディングまでのストーリーや演出に期待してのプレイとなった訳ですけど…なんかプレイしていて退屈でした。
どのシナリオも用意してある台本を淡々と進めている感じがして終始盛り上がりに欠ける地味なゲームというのが素直な印象。
「地味」という点では前作の『Moon Light』もそうでしたけど、前作のヒロイン同士の裏設定での繋がりなどの衝撃を受けるような展開が無かったし、会話なども面白みに欠けます。
テキスト自体は読み易いんですけど、演出やイベントの繋げ方でなんとなくぎこちなさを感じてしまいました。
加えてこの主人公は田舎に遊びに来たという設定なので、なにをするという目的を持たずに日々ぶらぶら過ごし、なお且つ移動先とか行動内容をプレイヤーが指定できないのが苦痛に感じました。
それと各シナリオに入るまで似たようなルートで進むくせに、シナリオ毎に都合の良いイベントを発生させてはプレイヤーを白けさせてくれます。
具体的に誰のシナリオがどうだとは書きませんけど、不老不死が非常に軽く扱われている感じがしてしまいました。
自ら用意した設定を自らめちゃくちゃにしてるというか…。
個人的に納得できたのは「梢」くらいでしょうか…。
エロシーンはどのシナリオでも終盤に発生します。
一応第二ラウンドも用意されていて満足…とは残念ながらいきませんでした。
なんかテキストを無表情に淡々とマウスクリックしてる自分がいましたから(笑)。
音声ないくせにどうにも演技っぽいというかコレといってくるものが無かったです。
キャラはそれなりに立ってますし、システム面も大きな問題は無かったのですが、プレイし終わった後に何も残らず、「楽しかったよ」とは言い難いゲームでした。
幸い私は攻略記事を見ながらのプレイだったので必要以上のストレスは溜まりませんでしたけど、もし自力でプレイしていたらキレてたかもしれません。
◇ お気に入りキャラ
一人挙げるとするなら若菜の母親…つまり主人公の叔母の「未雪」さんです。
残念ながらヒロインキャラに魅力は感じませんでした。
◇ 備考
所要時間: 1'stプレイ約2時間。コンプリートまで約10時間
私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆
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