Rascal・改 − Game Impression
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Rainy Blue 〜6月の雨〜
発売日:2000.02.10 / R.A.N software

◇ あらすじ

 美大志望で美術部所属の主人公「北山 緋路」は一ヶ月前に恋人の「司条 蒼」を交通事故で失い、そのショックで絵が描けなくなっていた。
 「もしもあのとき…」そんな後悔の念を抱きながら日々を過ごしていくうちにやがて精神的に不安定となり、ふと自殺を思い立ってしまったまさにその時、蒼から貰った形見のマスコット人形が突然意志を持ち主人公に語りかけてきた。
 主人公はその人形を蒼から字を取って「蒼依」と名づけ、彼女とそして主人公のまわりの人達と触れ合ううちに少しずつショックから立ち直っていく…。


◇ ゲーム概要

 ゲーム序盤は主に場所移動や会話の選択肢によってシナリオが進行(分岐)するよくあるタイプのADVですが、中盤以降に特定ヒロインのシナリオに入るとほとんど選択肢が出現しなくなります。

 エンディングのあるヒロインは4人(←注意)で、そのうちの3人は選択肢の数も少なく悩むような物もないので難易度はかなり低めなのですが…残る1つはかなり難しいです。 このエンドを知らずに終わる人も居そうですね。 1プレイ時間は1'stプレイで4時間、2nd以降は2〜3時間程度でしょうか。


◇ システム

 インストールは最小5MB、標準280MB、最大550MBから選択でき、最大インストールの場合はCD-ROM無しでも起動可能です。

 『SilverMoon』と同様にアクティブと同じシステムなので操作性はかなり快適。 画面はフルスクリーンとウインドウモードから選択可能で、メッセージスキップはきちんと未読チェックをしてるし、バックログ閲覧機能も有り。
 セーブとロードはゲーム中なら何時でも計10ヶ所まで登録できる他、オートセーブ機能もありとシステム面では何の不満もなかったです。


◇ グラフィック

 原画はEDのスタッフロールを見ると「雨音颯」さん(『SilverMoon』の時は「FΦJY」さん)だけでしたが、主人公や真黄のキャラデザインは「CHO-Bit」さんですよねぇ?
 キャラデザインは脇役に至るまでどれも良い感じだと思いますが、何よりもイベントシーン…特にエロシーンのCGが綺麗で幾つか特殊効果(部分アニメ)のあるCGもあり満足してます。 枚数もキャラ数が少ない為か一人あたり十分な数があり、次々と一枚絵が表示されて良かったですよ。 ちなみに私的お気に入りCGは「ましろがパステルに餌をやってるCG」でした。

 CGモードはトップメニューに最初からある「おまけ」メニューから入る事が可能。 更に全エンドを終えると特殊効果を施したシーンを見れるようになります。


◇ サウンド

 DirectSound、DirectMusic、MIDIから選択でき、曲数は全16曲。 どの曲もなかなか雰囲気に合っていて良かったですけど個人的には「I'M ALIVE」がお気に入りで、特にピッコロの旋律が耳に残ってます。
 ちなみにOP「BLUE RAIN」とED「WishYou」はボーカル曲となっていて、どちらも結構気に入ってます。 ただエンディング時にCD-ROMがドライブに“入ってると”何故かOP曲が流れたりします (CD-DAではOP曲のみでED曲は収録されていませんでした)。

 音声は主人公も含めてフルボイス。 主人公や男キャラの声は個別にOFFに設定可能で、個人的に主人公が喋るのは嫌なので彼だけOFFにしてました。 演技は無難なとこだと思います。
 音楽モードはトップメニューに最初からある「おまけ」メニューから入る事が可能。


◇ 感想まとめ

 蒼の存在があったが故に主人公への想いを閉じ込めていた「真黄」。 蒼がその命と引き換えに護った少女「ましろ」。 そして蒼とうりふたつな容姿を持った転校生「碧」…と、それぞれ設定は違えど各ヒロイン達はみな事故で失った主人公の恋人「蒼」と密接に関連していて、故に話の内容も蒼への想いとの狭間で葛藤する様がいくつか出てくる訳ですが…日常シーンが結構長い割にはどうも展開が急すぎ(説明不足)な感じがしました。

 イベントの内容そのものはお約束ながらも良い感じで満足なのですが、生前の「蒼」との想い出が「モデルをしてもらった事」と「お祭り」だけではプレイヤーに与えるインパクトが弱く、うじうじと悩んでる主人公に今イチ同調できなかったし、主人公の行動も“後に話がややこしくなる事を敢えてやっている”ので先の展開が容易に予想できてしまうんですよね。 まあそれ故にプレイヤーに訴えたい事もわかり易いとも言えるんですけど…。 ちなみに一番意表を突かれたのは「蒼」の隠しエンディング。 ちょっと『とらいあんぐるハート』の某キャラのエンドに似てますがこういうのも割と好きです。

 結構不満点を書き連ねてますが、テキストは読みやすいですし絵や設定に惹かれたならプレイしてみてても良いのではないでしょうか。


◇ お気に入りキャラ

 喋って動くマスコット人形「蒼依」が一番気に入ってしまいました。 ヒロイン3人が揃って遠慮がちな性格の中で良い意味で無遠慮で、しかも美味しいとこ取りまくりな蒼依は良いムードメーカーでしたし、一番個性が出てたと思います。
 ヒロインの中ではやっぱり「巫女」「妹のような存在」「黒髪ロング」と如何にも狙ってますと言わんばかりの「姉小路 真黄」が一番かな。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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