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あめいろの季節
発売日:2000.04.28 / ZyX

◇ あらすじ

 大学一年の主人公「ゆうじ」は家庭の事情から二人の義姉と3人で暮らしており、主人公は二人の義姉に、義姉達はゆうじに姉弟以上の想いを抱いていた。
 互いにその想いを内に秘めたまま日々を送っていたが、ある日海外に単身赴任中の父親が姉の「優子」に結婚話を持ちかけ、その日を境に3人それぞれ秘めた想いとの葛藤の日々が始まる。 やがて優子の結婚話に結論が出る時、3人はそれぞれどんな行動を取るのだろうか。


◇ ゲーム概要

 冬→春→夏→秋→冬…と移りゆく季節と共に変化する3人の姉弟の想いを描いた恋愛AVG。 ゲームは選択肢を選んでいくことで進行する定番のものですが、プレイヤーからの視点が主人公だけでなく義姉と交互に切り替わるデュアルAVS方式というのを使用してます。

 登場するヒロインは4人でゲームでは「主人公⇔優子」と「主人公⇔かすみ」の視点が切り替わる二通りのシナリオが用意されています(但しゲーム開始直後は優子側のみ)。 どちらも大まかなストーリーは一緒ですが攻略対照キャラが異なります。 1プレイ時間は2時間弱で難易度はやや低めと言ったところでしょうか。


◇ システム

 インストールは最小で5MB、標準400MB、最大625MBから選択可能。 最大でもゲーム開始にはCD-ROMが必要です。

 画面は640×480の窓版とフルスクリーン版があり、何時でも変更可能。 他にサウンド系のボリューム設定や各キャラのボイスON/OFF設定、 メッセージ速度の調整など比較的細かく設定することができるようになってました。 更にマウスをクリックしなくても文章を送ってくれるハンズフリーモードも搭載してます(笑)。
 メッセージスキップは比較的高速ですが、未読・既読チェックは無しで視点切り替えの時にややもたつく感がありました。

 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で最大30ヶ所に登録できます。 更にそれぞれのデータはセーブしたときの画面状態や日付も保存してくれるし、誰の視点の時かも容易にわかるようになっていて有り難いです。 ただロードはイベントの始めからになり、実際にセーブした時点より若干戻されることがあります。


◇ グラフィック

 原画は「山根正弘」さん。目が縦長なのが特徴でしょうか。 キャラの立ち絵などは表情パターンが豊富で良かったと思います。 それと登場キャラは皆そろって巨乳です。個人的には属性外なのでどうでも良い事けどね(笑)。

 CGは綺麗に描かれていると思うし枚数も比較的多めです。 優子だけで40枚以上あり、エロシーンのCGも割と豊富にありました。 それとエロシーンでは一部でアニメ処理が施されています(私的にはちょっと鬱陶しかったけど)。
 CGモードは1度エンディングを迎えるとトップメニューに追加されました。 回想モードは無かったですけどエロシーンのアニメは閲覧できます。


◇ サウンド

 BGMはMIDIでOPとEDでは主題歌がWAV(?)で再生され曲数は全24曲。 なかなかシーンに合ってる曲が多くて満足しました。 お気に入りは「Smart Smile」かな。 主題歌の「あめいろの季節」も結構お気に入りです。 それだけにCD-DAでも収録されてない事や、WAVもmp3ファイルも見当たらなかったのが残念。

 音声は一応フルボイス。 視点が主人公の場合は主人公のCVは無しですが、別キャラ視点の時は主人公にも声が付きます。 ヒロイン視点の場合も同様。 演技はなかなか良いと感じました。

 音楽モードはCGと同様に1度何らかのエンディングに到達した後にトップメニューの「おたのしみ」から入れます。 キャラのシステムボイスもありました。


◇ 感想まとめ

 TVドラマを観てるような感覚で割と楽しめました。 デュアルAVS(旧リエゾンシステム)で主人公だけでなく義姉の視点での結婚話と主人公に対する想いとの狭間で葛藤する心理描写が上手く、多少の都合良さ(特に結婚相手の男が良い人すぎる)を感はしましたが「人間臭さ」はなかなか出ていたのではないでしょうか。 各キャラの心理状態が理解し易い故に、何の変哲もない使い古されたようなイベントでも厚みがあったように感じましたしね。

 ただ個人的にはライターさんの過去作『リエゾン』などと比べ、際立って進化したと感じる物が無かったのが少々物足りなかったですね。 それとこのゲームの主人公…、生みの親は幼い頃に離婚で離れ離れになり、更に中・高時代は苛められッ子だったという設定でウジウジ&甘ったれなヘタレ小僧なので人によっては激しく嫌悪感を抱くと思います。

 それでも優子と結ばれた後などの「護るべき女性の存在」がはっきりしてくるにつれ男らしい行動を取ってくれるようになり、この辺りの主人公の成長過程は良く描かれていたと感じられます。 まぁ他キャラのシナリオでは最後まで甘ったれ小僧でしたけど(苦笑)。

 他に目に付いた不満点を挙げさせてもらえば、選択肢の数が多すぎる気がしました。 ストーリー展開的に意味の無い選択肢が多くて鬱陶しかったです。

 エロシーンに関しては純愛系にしては濃い方で、数も多めで私的には満足。 特に優子シナリオの後半はサルのようにヤリまくりで、その事に関しての優子の心理描写が楽しくて笑えましたし、ただヤルだけでなくシナリオ上ちゃんと意味があるものになってたのが好印象。 声優さんの演技も良好でした。

 何かとストレスの溜まる内容でしたが、主人公の性格が受け入れられれば物語自体は起承転結のしっかり纏まった純愛物で個人的には満足しています。


◇ お気に入りキャラ

 ピンクのツインテール娘「風華」かな。 最も彼女のシナリオはゲームの雰囲気壊してる気がしないでもないですけどね(笑)。
 姉の「優子」も私的にはお気に入りなんですけど、その行動のほとんどはプレイヤーが選択するため、ヒロインというよりはもう一人の主人公と言った感覚でした。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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