Rascal・改 − Game Impression
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Beside 〜幸せはかたわらに〜
発売日:2001.10.26 / FC03

◇ あらすじ

 兄の結婚式で両親が共にハワイへ旅立ち、受験生の妹の面倒を見るために実家へ戻ってきた主人公「鈴風 太平」。 ある日その実家へかつて居候として共に過し主人公の想い人でもあった「宝月 静瑠」が戻ってきた。 演劇の夢のために一人暮らしを始めた静瑠だったが寮の改築で一時的に共に暮すことになる。 更に従姉である「華織こよみ」が就職の為に、そして兄の結婚相手であり、かつての主人公の家庭教師で初体験の相手でもある「雪原 恋歌」が結婚式から逃げてきて何故か主人公の実家に転がり込んできた。

 こうして奇妙な同居生活を送ることになった主人公達。 一体この先どのような物語が待ちうけているのだろうか。


◇ ゲーム概要

 二部構成になっているADV。 ゲーム開始時に主人公の名前や星座・血液型・好みのタイプ等を入力していくんですけど…コンプリートした今では「何か意味があったのか?」と思えてしまうほどなので深く考える必要な無いと思います(笑)。 ただ、恋人がいるかいないかの選択は「いない」を選択すると恋人(?)役のキャラが登場しなくなるので攻略対象キャラによって設定を変えてみるのも良いかもしれません。 恋人が居ても他の攻略対象キャラにはそれほど影響しませんけどね。

 ゲーム期間は7月下旬から約一ヶ月程度。 二部構成とは言っても一部で恋人選出して二部で個別シナリオ…という展開ではなく、期間的にも差が無いしどちらも似たようなノリで展開していきます。

 攻略対象キャラは6人。 物語はどのヒロインを狙う場合でも基本的に同じでほぼ一本道になってます。 随所に「エピソードセレクト」という簡単に言ってしまえば視点切替えを行う場面があり、攻略対象キャラのエピソードを多く選んで行けばエンディングを迎えることは比較的容易かと。


◇ システム

 インストールに必要な容量は通常410MB。 フルインストールで1.1GBほど必要ですが、この場合はゲーム起動にCD-ROMが不要になります。

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通り。 ただフルスクリーンにしても次回起動時にはウインドウモードに戻ってしまうので出来れば憶えていて欲しかったところ。
 メッセージは速度調整無し。 とは言っても元々ウエイト無しなので個人的にはOKです。 既読・未読スキップ、テキスト履歴の閲覧可能と必要な機能は一通り揃っていて不満はありませんでした。
 セーブやロードはエピソードセレクト画面以外でなら可能。 保存領域は15ヶ所とやや少なめですがクイックセーブ&ロードがあるので特に不便には感じませんでした。 それとメニューバーのほうに「前の選択肢まで戻る」機能もあるのでうっかりセーブし忘れた時に重宝するのではないかと。


◇ グラフィック

 原画は「水城たくや」さん。 このメーカーによく合う可愛いキャラでよろしいかと。 立ち絵は2〜3種類の服装・ポーズ違いにそれぞれ複数の表情変化があります。 基本的にポーズそのままで表情だけ変わる立ち絵って違和感あるんですけど、このゲームの場合何故か許せてしまう不思議な魅力がありました。 だって可愛いんですよ(笑)。
 あと立ち絵は一画面に一人までで、その他のキャラはフェイスウインドウが右上または左上に表示されます。 このあたりを上手く使った演出もあってなかなか上手いと思いました。

 CGは流石に綺麗です。 背景もそれなりによく描かれていて質に関する不満は全くありませんでした。 ただ枚数が若干少なく感じるのが惜しいですね。

 CGモード、エロシーン回想モードは一度エンディングを迎えた後に追加されます。 その他のおまけも異様に凝っていて「壁紙セレクト」や「キャラ紹介」、そして「おまけシナリオ」等がありました。


◇ サウンド

 MIDIまたはPCM(WMAファイル)から選択。 主題歌を除くBGMは全部で13曲ほどですが、特に印象に残った曲はありませんでした。 ボーカル曲はOPと第二部開始時のOPでそれぞれ1曲ずつ、そしてエンドに1曲の計3曲があります。 どの曲もなかなか良い感じ。 残念ながらDAでは収録されてませんけどWMAファイルでフル版はあります。

 音声は主人公以外はフルボイス。 主人公も随所に挿入されてるちょっとしたミニゲームではドサクサに紛れて喋ってますけどね。 どの声もキャラに合っていたし演技力のほうは申し分無かったです。

 音楽鑑賞モードは一度エンディングを迎えた後に追加されます。 また第二部開始前のCM(『NaturalZero+』と『Natural2』)やOPムービーも鑑賞可能。


◇ 感想まとめ

 「あったか恋愛ADV」という謳い文句とエプロン姿でご飯を盛ってる静瑠姉さんの広告を見れば多くの人は家族愛をテーマにしてるとかほのぼのした恋愛物を想像すると思うんですよ。 実際に私はそう思ってたんで、まさか「登場するヒロイン達食いまくり可能の入れ食いゲー」だったとは予想外で意表を付かれました。もちろん嬉しい誤算…ではあるのですが(笑)。

 物語の内容は色々な女の子に言い寄られてHしつつも静瑠姉さんが気になる…という典型的な優柔不断主人公の話です(笑)。 とは言えドロドロとした修羅場の話では無くて全体的に明るいラブコメなノリで進んで行きますし、Hに関しても「アナタが誰を選んでも構わない。でも今だけは…」というメチャクチャ都合の良い展開で和姦成立(笑)。 しかも他のヒロインにバレても問題無しで、なんか一昔前のアイデスの頃の『どきどきバケーション』とか思い出してしまうストーリー展開になってましたよ。

 上手く立ち回れば1プレイで最大5人とH可能で6人分のHシーンが見れます(ひとつは実妹×親友のHシーンなんですよ)。 この場合はラスト付近で保存しておけば他ヒロインのエンディングもあっさりと見れてしまうお手軽さ。 これを知った後はプレイ開始時の血液型とか好みのタイプの入力設定って何だったの?と思えてしまいます。 てっきり『PALETTE』のように初期設定が大きく変わるのもだと思っていただけにこの点は期待外れですね。余談ですが『PALETTE』に登場したキャラが一人、ヒロインとして登場してます。
 随所に挿入されてるミニゲームは言ってしまえば簡易神経衰弱。 まぁこれは再プレイの際にそれほど鬱陶しさを感じないので良かったと思います。

 エロシーンは基本的に一人一回。 某キャラ限定で3パターンありますけどF&Cらしくシーン自体は割と軽め。 ほぼ全てのキャラが初物ながらも最初からあっさり達してしまったり…と、ここでも都合の良さは健在です(笑)。
 おまけシナリオにもエロシーンがあるんですが使用されてるCGは同じ。 ただ内容は少々濃い目で水城たくやさんの絵でどうしても抜きたい人はこっちを使用するとよろしいでしょう。

 お姉さんキャラを前面に押し出してる割には攻略対象6人中に年上キャラは3人。 しかも一人はどう見てもロリ担当ですし、お姉さんとだだ甘な生活を期待してると少々外す可能性はありますね。
 そんな訳で購入前の予想とはかなり違うゲーム展開に戸惑いつつも入れ食い系好きな私としては「こういう予想外なら良いかな」と思えてしまう内容で個人的には結構気に入ってたりします(笑)。


◇ お気に入りキャラ

 初期設定で「恋人がいる」を選択した時に登場する「古柴 瞳子」です。 おまけモードでは本編での影が薄い事をしきりに気にしてるようでしたが(笑)。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ約2〜3時間。コンプリートまで約10時間


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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