Rascal・改 − Game Impression
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DARK †失楽の姉妹人形†
発売日:2005.03.25 / ユメスタSupple
 全CGを埋めてコンプリート。プレイ時間は3〜4時間ほどでした。

 世界を人間が支配するようになってから数千年…。 ダークエルフである主人公「アルジャーノン」はかつて人間の貴族に奴隷として飼われていたが、今では財を成し主人公と同じく元奴隷であったエルフの「エウレカ」と共に人間の令嬢を肉奴隷として売る奴隷貿易を営んでいた。 それはかつて異種族だという理由だけで自分を奴隷とした人間達に対する復讐であった。 そして今回もまたそんな彼らの元に貴族の姉妹が売られてきたのだった…というあらすじ。


 物語は主人公の元に売られてきた貴族の姉妹「ティアラ」と「セルル」を肉奴隷へと調教していく…という流れですが、初回プレイ時では選択肢が一つだけ(主人公の過去の回想シーンを見るか否か)の1本道となっていて、しかもバッドエンドな結末(笑)。 その後のプレイ時に選択肢が増えるので、実質2周目からが本当のスタートとなります。 …とは言っても実際に調教メニューを選択するようなものではなく、物語の分岐先を選ぶだけなんですけどね。 ちなみにエンド数は3人のヒロインのうちエウレカが2種類、ティアラとセルルはそれぞれ1種類です。

 低価格、低容量のゲームなのでプレイ前は物語的な期待は全くしていませんでしたが、主人公の人間を憎む経緯と奴隷調教を行う事に対しての疑念と葛藤、そんな主人公の気持ちを理解しつつ黙って従うパートナーのエウレカ、そして貴族故のティアラとセルルの立場や苦労など、それぞれの設定はなかなか良い感じで驚きました。 惜しむらくはこれらの設定の使い方が唐突な上に淡々としている事。 折角良い素材を用意したのに盛り上がりに欠けてしまって非常に勿体無かった。

 姉妹の調教過程はかなりご都合主義な展開。 処女だったヒロインが1回主人公としただけで後はもうシーン導入部分で若干抵抗する以外はひたすら快楽に喘いだりしちゃいますので、段階的に従順になっていく様が楽しめないのがちょっと残念ではあります。 ただ、姉のティアラは自尊心が強い少々高慢タイプのキャラなのですが、貴族という自尊心を崩すのに肉体的苦痛では無くコボルトに犯らせたり公衆の面前で奉仕させたりといった精神的に堕としていく流れなのが拷問系が苦手な私としては嬉しい展開で良かった。
 逆に妹のセルルのほうは調教を期待していた身としてはかなり肩透かし食らった印象。 つか主人公も何人も奴隷を調教して売り捌いてきたという設定の割に、セルルの無垢な一言で激しく動揺したりしてちょっと脆すぎな印象を受けました。 ご都合主義展開は構わないのですけど主人公やヒロイン達の心理描写が薄めでプレイしていて違和感を感じるのが残念。

 肝心のエロシーンですが、回数的にはティアラ6回、セルル3回、エウレカ4回と値段を考慮すればまずまずと言ったところでしょうか。 シーン内容は先にも書いた通り多分にご都合主義ですが官能小説っぽいテキストになっていてエロ度は割りと高めに感じました。 姉妹の方は所謂ゴスロリ系のキャラで、ほぼ全てのエロで半脱ぎというのも「わかってるな…」と感じられて好印象。 声優さんの演技は普段の会話がちょっと危ういキャラが居ましたがエロシーンでは概ね満足できました。

 CGは枚数的に不満はありませんし、一部の背景では湖面が波打ってる様子なども上手く見せていて良い感じ。 曲のほうもエンディングなどではボーカル曲を流したりと値段以上に頑張ってるのは十分見て取れるし、終盤の緊迫したシーンで流れるコーラス入りの曲は個人的に結構気に入ってます。

 一応まとめると、ゴスロリ系キャラのお手軽調教ゲーを期待して購入した身としてはエロシーン内容など値段分以上に満足できたと思います。 物語的にも悪くはありませんし、低価格ゲームとは思えないほどCG・BGM・各キャラの設定などの素材が充実してる点も好評価。 これであとは各キャラの心理描写をもう少し上手く描けていればなぁ…と言ったところでした。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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