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ぱ・ぴ・こ・ん 〜双子の娘はどうきゅうせい!?〜
発売日:2005.06.24 / Le.Chocolat
 全CGとイベントを補完してコンプ。1stプレイはバッドエンドで2時間弱でした。 ハッピーエンドルートならスキップ無しで1プレイ3時間くらいだと思います。

 海外で医療活動をしている両親の養子になるはずだったクラスメイトの双子姉妹が書類の手続きミスから主人公の娘ということになってしまった。 いきなりパパになったことに戸惑いつつ同居生活を始めたものの、世話焼きな幼なじみのお姉さんは積極的に主人公を誘惑するようになり、更には双子姉妹を狙ってる後輩の女の子からは目の敵にされ…とハプニング続きな毎日を送るはめになるのだった…というあらすじ。

 ゲーム進行はオーソドックスな選択肢方式で進み、中盤以降はフラグを満たしたヒロインのルートへ入っていきます。 ヒロインは4人ですが他に姉妹同時エンドや4人全員のハーレムエンドもあり。 ヒロイン別エンドは選択肢の微妙な違いで別イベントや派生エンドに移行するのでCGやイベント回想をコンプするのはちょっと大変。 また、複数キャラ同時エンドは2ndプレイ以降でないと該当選択肢が出てきませんので注意。

 ゲームの雰囲気は会話主体のバカゲー風味のラブコメADVという感じでヒロイン達との会話は楽しめる掛け合いが多いのですが、一部ちょっと暴走し過ぎかも。 担任教師の市子先生は下ネタ暴走がくどくて終いにはうんざりしてきますし、ヒロインとのギャグ会話も元ネタを知らないと楽しめない濃いやり取りが結構あるので人によっては白けるかも知れません。

 ヒロイン達はわかり易い設定と性格別けがされていて、初期印象から予想できる展開を大きく逸脱するキャラはいません。 無邪気に主人公を「パパ」と慕う姉の「歌」、思いがけない展開に気持ちの整理が付かない妹の「舞」などはそれなりに期待通りの言動をしてくれてます。 そして予想以上に言動が面白すぎて良かったのが後輩の「朝香ゆり子」。 主人公に突っ掛かって去っていくときの捨て台詞が最高です。演技の上手さもあって萌え度も高めでした。 逆に予想に反して魅力が低かったのが幼なじみの「倉科美沙希」。 双子(主に歌)と同レベルで張り合って、我が侭で駄々をこねつつ姉貴ぶるものだからちょっと鬱陶しかった。

 同級生の娘が義妹になるという設定は割とよく見ますけど、娘になるという設定は初めてなのでそれなりに興味あったし、製作者側も当然その辺が狙いなのでしょうけど、話の展開としては「パパ」が仮に「お兄ちゃん」になったとしても特に違和感を感じない展開だったのが少々拍子抜け…かな。 主人公は鈍感タイプのよくあるエロゲ主人公って感じで飛び抜けたスキルもない童貞君だし、必死に自己主張をしてもなんだかんだでヒロイン達に流されてるだけなので「パパ」とするには荷が重い感じがしました。 正直言って父親×娘という設定が狙いすぎて逆効果になっている感は否めません。
 親子という関係を気にしないで見れば双子姉妹のシナリオなどは姉の「歌」と妹の「舞」とで主人公に対して求めるものが異なっていて、更には主人公に対する言動を裏付ける過去のエピソードが上手く活かされていたんじゃないかなと思いますけどね。

 エロシーンは個別ルート時で一人あたり5回前後。他に派生エロシーンとして使用CGは同じで微妙に内容が異なるものがいくつかあります。 フェラや手コキなどは共通ルートで発生する場合がありますけど、本番挿入可能なのは個別ルートに入ってから。 シチュエーション的によさげな展開が多いのは良いのですが、会話メインで進行する割りにその会話センスが低くて萎えるシーンがいくつかあったのが残念。 例えば美沙希とのエロシーンでは中出し射精の是非に関する問答で、孕んだら責任取るだの必要ないだの負い目を感じるのは嫌だの気にするなだのと言ったやり取りを射精感が高まって切羽詰った状態で行われて白けた。 もうちょっと使いどころに気を使って欲しいものです。 あとは構図的にありえないエロCGが多かったのもマイナス。

 双子ルート、ハーレムルートなどはノリと勢いでごり押しするご都合主義展開なのですが、癖のあるキャラクター達と流され易い主人公の設定がいい具合にバランスが取れていてエロコメ展開としては個別ルートよりも雰囲気や居心地が良く感じました。 特に姉の歌は他ヒロイン達と主人公を取り合うような展開でも無邪気な性格が良い感じにエロコメハーレム展開としての雰囲気作りに貢献してます。 「うん、昨日、パパに犯されちゃったぁ」とか「えへへ。歌のアソコ、もうパパに破られちゃってるよぉ♪」とかのセリフをしれっと他のヒロイン達に言ってライバル心を煽ってくれるのがナイス(笑)。

 ハーレムルートのエロは組み合わせの異なる3Pシーンが何度か発生する展開。 会話メインなのは単体エロと同じですが、状況説明担当ヒロインと喘ぎ担当ヒロインとで分かれているので、単体エロ時のように萎えるこはない…というか、むしろ逆にエロ度を高めていてかなり良い感じでした。 個人的にボテ腹Hはちょっと引きましたけど、いっそのこと全編ハーレムオンリーな展開だったら良かったのになぁと感じずにはいられません(苦笑)。

 個別ルートプレイ時は正直言って微妙だなぁと感じましたが、後半のハーレム展開ではエロコメ物として結構楽しめました。 ゲームの設定やキャラの言動に明確な説得力が無いと突っ込みを入れずにはいられないという人はプレイするべきではないと思いますが、個人的には頭を空っぽにしてハーレム分を補充できたので良かったと思います。


 以下、キャラごとの雑感(ネタバレあり)。


一之瀬 歌
 双子の姉で天然お気楽娘。…と書くとバカっぽいけど無邪気な可愛らしさのようなものはあったと思います。 幼い頃に主人公とは出会っていて、そのことがパパに対するこだわりとか主人公に対する言動の元になっている…というよくあるパターン(笑)。
 最初は裸を見られても無邪気に笑ってた歌が中盤から恥じらいを感じる仕草を見せるのが『ゆのはな』の「わかば」っぽいけどなかなか萌えますな。 主人公の気持ちを知るために妹の振りして聞き出そうとするような定番イベントもあり悪くはないと思います。

一之瀬 舞
 双子の妹でツンデレ娘。スポーツは得意だが勉強と料理が致命的に駄目という判りやすい設定。 主人公がパパになる前から主人公の事を知っていて密かに想いを寄せていた…という展開で、主に美沙希に対して対抗心を燃やす様が良い感じ。 エロシーンへの導入部分では「ふ、ふん!口だけのくせに…」とか「ぜ、全然…。き、気持ちよくなんか…な、ないんだから…」という感じで強がる展開がよさげでした。

倉科 美沙希
 お隣の幼なじみなお姉さん兼生徒会長。主人公に対してはだだ甘お姉ちゃんっぷりを披露する。 主人公が双子の姉妹と同棲したことで危機感を感じ「(双子に手を出さないように)お姉ちゃんが抜いてあげる」とか理由をつけて色々とちょっかいを出してくる流れ。 お前が単にヤりたいだけだろが!と思ったし眼鏡キャラということも相まってキャラとしての魅力は全く感じませんでした。 終盤の展開もかなりチープ。主人公が生徒会長に立候補…はまだ良いとして、双子との同棲バレ事件から美沙希の恋人宣言あたりはもう只管流し読み状態でした。

朝香 ゆり子
 歌と舞を狙っているレズっ娘な後輩。コスプレが趣味。 プレイ前は鬱陶しそうなキャラだなぁと思っていたのですが…口が悪く裏表のある言動が上手く嵌っていて予想以上にお気に入りキャラとなってしまいました。 自業自得とは言え、なし崩し的にHしたことによって主人公が気になる存在になり…という流れも個人的に好み。 難を言えば他ヒロイン達があっさりと主人公を諦めてしまう事とエロシーンが他に比べて少ないことでしょうかね。 特にエロシーンはもうちょっと頑張って欲しかった。ちくしょう、エビ食いてぇ。



私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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