Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

Fate/hollow ataraxia
発売日:2005.10.28 / TYPE MOON
 ミニゲームはほとんど手を付けていませんが、達成率100%になったのでとりあえず終了。 所用時間は39時間超といったところで、思ったより時間が掛かりました。

 2003年1月に発売された『Fate/stay night』のファンディスク。 舞台は前作から半年後で10月8日から11日までの4日間を何度も繰り返すループもの。 基本的に一度見たイベントは引き継いで繰り返すことになります。
 前作で登場したキャラは言峰神父を除いて総出演といった様相。 加えて今回のFDでは第五回聖杯戦争で早々と退場したランサーの真マスターであるバゼットと、言峰神父の後釜として派遣されたカレンが新たに追加されています。

 ゲームシステム的にはMAPからの移動先指定がメインで、偶に選択肢などでもイベントが分岐する仕様。 見てないイベントには「NEW」マーク、重要イベントには「!」マークが付いているため基本的にはそれらのマーク付きイベントを潰していけば話が進みます。 難易度は低め。


 話の流れとしてはバゼット視点からなる4日間限定の聖杯戦争の謎と“主に”士郎視点で描かれる日常描写を繰り返していく感じ。 この二つの収束に至る流れはなんか無理矢理納得させられた…という感じが無きにしも非ずで今ひとつ理解できていない箇所もあるのですが、終盤では各サーヴァントとそのマスター達にそれぞれ見せ場が描かれていて単純に熱かった。 普段何だかんだ言いつつ信頼し合ってる者同士が互いに背中を預けて戦う展開とか個人的にもう大好きなのです(笑)。 前作のサーヴァントでは約1名、地縛霊のようなヤツが忘れられてるような気もしますが、あまり理屈や設定を深く考えない分には満足のいく展開だったと思います。

 そしてメインストーリー以上に楽しめたのが日常描写。 主に各登場キャラごとの日常や逸話を描いたアンソロジーという感じでメインストーリーとは半ば独立していますが、元々魅力的なキャラが多いゲームな上に膨大な立ち絵パターンとその動かし方が秀逸で、どのイベントもかなり楽しめました。
 『歌月十夜』なんかでもそうでしたけど、前作でのシリアスな流れすらもネタとして扱う演出が最高です。 特に黒桜とか黒セイバーとかキャスター絡みのイベントは凄く印象に残ってますし、冬木市にすっかり溶け込んでいるランサーも良かった。 ランサーなんて女性キャラより衣装パターンが多いらしいですし(笑)。
 士郎の家にはセイバー以外にも凛や桜やライダーが半同居状態で、デートを楽しんだり士郎をめぐって牽制しあったりとヒロインキャラの萌え度も相変わらず高め。 後者は酒盛りイベントでの「衛宮家妹王争奪杯」(イベント名:しすたーくらいしす)がノリの良いかけ合いが心地良くってお気に入り。 このあたりのノリだけで正直言ってFate本編より楽しめました(笑)。


 エロシーンは本編の流れの中では新キャラのカレンのみ。 他にECLIPSEからセイバー、凛、桜、ライダー&桜の各エロシーンもありました。
 音声なしなので期待していなかったのですが、予想以上にエロかった。 CGの使い方が上手くて別角度からのアングルもまぜつつ表示座標を色々と工夫しているのが好印象。 テキスト描写は少々まどろっこしさを感じましたけど概ね満足いく内容でした。


 前作から1年9ヶ月という長期間を置いてのFDでしたが、製作期間に見合うだけの内容になっていたと感じます。 欲を言えばもう少しイリヤの見せ場が欲しかったところですけど、細かい演出とかホントに凝っていて『Fate/stay night』をプレイした人なら十分満足いく内容になってるんじゃないでしょうかね。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO