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魔法が世界を救います!
発売日:2006.05.26 / Anastasia
 CG達成率を100%にしたのでとりあえず終了。 回想は1枠埋まってませんが…恐らくBadかNornal系のエンドでしょう。 所要時間は1stプレイ約6時間、全ヒロインのエンド補完までは約12時間超と言ったところでしょうか。

 有名な魔法使いの弟子だった主人公「クロイツ・ハルトヴィック」。だが師は世界を救う戦いに赴き、帰らぬ人となってしまった。 主人公は師の遺言に従って彼の娘フローラとティーアの様子を伺いに訪れるが、彼女らと出合った直後に事件に巻き込まれフローラに魔法の存在を知られてしまう。 そしてフローラに類稀な魔法の才能がある事を知った主人公は彼女を一人前の魔法使いにする為に尽力するのだった…というあらすじ。


 フローラを魔法使いとして育てていく育成&戦闘SLG。 まぁ育成とは言っても複雑なパラメータは無く、魔力・生命力・智力を司る属性を強化していくだけです。 育成SLGと聞くと私なんかは能力値を一定以上にすることでイベント発生…という感覚ですが、このゲームの場合はADVパートの合間に育成や戦闘が挿入される感じなのでプレイ感は限りなくADVに近いものがありました。
 ヒロインキャラは6人ですけどストーリー構成は基本的に一本道。 ゲーム中の選択肢によってお目当てのヒロインが絞られ、後半のイベント(主にエロシーン)がヒロイン毎に変化する…という作りです。 選択肢は難しくは無かったし、おまけモードの中にヒントなどもあるので苦労することも無いかと。 加えて一度勝利した戦闘は次回からスキップ可能ですし、クリア時にはフローラの能力値をそのまま引継ぎ可能なので2ndプレイ以降は大幅に時間短縮できるのが有難かったです。

 育成パートは一回につき30日。 先に書いた3属性のどれかを選んでルーレットを回す事で経過日数が決まります。 つまりルーレットの数字がそのまま経過日数なので少ない数字を狙えば良いわけですな。 …とは言ってもルーレットの数値にそれほど幅はないので失敗の目さえ出なければ適当にやっていても問題ない気がしました。
 戦闘パートも基本はルーレット。 こちらは出た値がそのまま相手へのダメージになりますので大きい数字を狙えばOK。 他にもアイテムとか待機時間とか属性的な相性などの細かい要素があったりしますが面倒くさいので省きます(ぉ。

 で、育成・戦闘の印象ですが…両パートとも良く言えばバランスがいい、悪く言えば緊迫感や爽快感が足りないです。 ルーレットには似たような(差の無い)数値ばかりが羅列されていて、狙いたくなるような項目が無いのですよ。 一応「大成功」という項目はあるんですが大成功と言えるほどの効果ではないなぁという印象です。 育成に関しては現状でも良いかなとは思いますが、戦闘で大成功が出たら一撃…とまでは行かなくても「かい○んのいちげき」くらいの爽快感は欲しいところ。
 小さい範囲でちまちまとやっていてもストレスが溜まってくるので、もっと育成面のパラメータがダイレクトに戦闘に影響するようにしてくれた方が強くなる事を実感できて楽しめたんじゃないかなぁと思えます。 結果的に育成不足で負けたとしても「どかーん」と盛大に負けた方がまだすっきりしますよ私は(笑)。


 物語内容の方はフローラを一人前の魔法使いに育てる傍らで魔法使いとしての仕事の依頼を受け、その過程で敵の存在や主人公自身に隠された秘密が明らかになっていく…という流れ。 雰囲気的にはややシリアス寄りですが、コミカルなシーンもそれなりにあるので重苦しさは無し。 展開そのものは容易に先が読めるもので“あの方”と呼ばれる敵の正体も一発で予想ができてしまい、意外性はほとんどありません。

 個人的にはフローラの育成や敵とのバトルよりも主人公の成長物という印象が強かったです。 この主人公、序盤はトレインジャックを冷静に対処していて「お、なかなかクールでカッコイイ奴じゃん」と思ったものですが、実は過去の悲劇に浸ってただけのガキだと判ってガッカリ。 そんな主人公に渇を入れたり導いたりするのがヒロイン達で、立場的にはほとんど「ヒロイン > 主人公」という図式。 弟子のフローラにすら態度を諭されるのが情けない事この上なし。 ちなみに「反論の余地すらない」が脳内の口癖(笑)。
 ただ、最後はしっかりと立ち直ってくれるので読後感は悪くなかったです。

 ヒロイン達はほとんど初期段階では主人公を敵視してたり警戒してますし、会話などもプレイヤーに対するメッセージ的なものを含めているためか妙に説教臭く、エロゲ的な可愛げはあまり感じられません(笑)。 まぁ個人的には下手に受けを狙ったような鬱陶しい萌えキャラよりはずっとマシではありますけどね。
 それと主人公とヒロインの恋愛描写が不足ぎみ。 とくに主人公の突然の「好きだ」発言にプレイヤーの私は付いていけませんでしたよ。 好き合ってからのイチャ付き描写もアンジェラ以外はエロシーンくらいしか見所が無かったので、このあたりもちょっと物足りなさを感じました。


 エロシーンはフローラが3回、その他ヒロインが2回ずつ発生。 立場的に弱い主人公の数少ない見せ場ということで結構頑張ってたと思います。 あまり好意的でなかったヒロインがエロシーンで可愛く喘ぐ様はある種の達成感を感じられてなかなかよさげ。 まぁ主人公が受けになる展開も割とあったりしますけど(笑)。
 CGも1シーンにつき3枚+差分とそれなりにあり、前戯の描写が長めだったり二回戦やフェラなども交えれば尺も申し分ありません。 声優さんの演技も安定感があって実用性は割と高かったと思います。


 システム系はエウシュリーと同様のようで動作は安定。 メッセージスキップの速度も速く、エウシュリーの特徴(?)だった操作系の不親切さも今回は気になりませんでした。 まぁほとんどADVですしね(笑)。 ただ戦闘での魔法エフェクト時にかなり激しくHDDがカリカリ鳴って魔法エフェクトがワンテンポ遅れるのがちょっと気になったかな。
 CG枚数は差分抜きで69枚。 CGモードに登録されないSD系のギャグCGもあるし塗りも良い感じで価格を考慮すれば十分かと。 欲を言えば立ち絵のパターンがもう少し欲しかったかな。 衣装パターンも一種類しか無いし、リカやアンジェラあたりは髪を下ろしたパターンも見てみたかった。
 BGMは主題歌込みで14曲。 BGM鑑賞モードで曲だけ聴いてもゲーム中の関連シーンが思い浮かぶくらいにはしっかりBGMしていたと思います。


 3990円という価格を考慮すればボリュームは十分あったしCGやエロシーンが思ってた以上に充実していたのは好印象。 ただやはりこのメーカーにはエロゲでありながらゲームとしても遊べるものを期待しちゃうので、育成と戦闘パートの張り合いの無さに物足りなさを感じてしまった…というのが正直なところです。


以下、キャラ別雑感。


フローラ・エアハルト
 師の双子の娘の姉。ペタキャラ。 猪突猛進タイプだが目的をしっかり持って行動力が高いのが魅力。 エロシーンは二回目の全脱ぎシチュがお気に入り。

ティーア・エアハルト
 師の双子の娘の妹。巨乳キャラ。 教会で子供達の面倒を見てる程の温厚キャラだが、姉に誰よりも依存していて割と黒い面も持ってるのが魅力(?)。 何考えてるのか良く解らんキャラでした。

マリア・マンシュタイン
 フローラ行き着けの酒場の女主人。魅惑系。 ゲーム中に別の立場で登場するが正体はすぐにバレる。 誘いを断ったときのセリフと主人公の狼狽っぷりが印象的。 一回目のエロシーンは攻め、二回目は良い様に主人公に弄られまくりでそのギャップに燃えた(ぉ。

ミーツ・アデナウアー
 守銭奴の商人。メガネキャラ。 主人公の知らない魔法使いの設定を知っていて主人公の無能っぷりを際立たせるキャラでした。 その性格やメガネキャラという事もありキャラ的な魅力はほとんど感じず。 どーでも良いけどセカンドネームがイナバウアーに似てる。ホントにどーでも良いな。

リカ・レクテューレ
 正義感の強い女性警官。男嫌い。 序盤の態度と主人公と好き合ってからの落差萌えが良い感じでした。 エピローグの仕草も可愛く一番のお気に入りキャラかも。

アンジェラ・リーゼンラート
 敵側に居た魔法使い。お供に野郎を二人連れている。 “あの方”に良い様に使われていただけと悟り主人公に協力する。 馬鹿っぽさとツンデレっぽさでキャラの濃さなら1・2位を争いそう。 デレ期のバカップルぶりが最も良い感じのキャラでした。


気に入りキャラ順としては
 リカ ≧ アンジェラ > フローラ > マリア > ティーア


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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