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神曲奏界ポリフォニカ3&4話完結編
発売日:2007.05.25 / ocelot
 読了。 所要時間は前作同様に1話あたり大体3〜4時間くらい、エンドまでは約7〜8時間と言ったところ。 コミックや小説やアニメ化もされていますが現時点でコミック版・小説版は未見、アニメ版も第一話を数分観たところでこのキネティックノベル版の続編っぽいと感じたため視聴していません。 アニメと小説は後日拝見する予定でいます。

 前作(1・2話)同様に主人公「タタラ・フォロン」とその契約精霊「コーティカルテ」が軸となっていてアニメ版や小説版クリムゾン・シリーズの数年前にあたる物語…だと思います。 完全に1話と2話を踏まえた上での流れなので当然前作からプレイするのが妥当でしょう。


 話の展開として3話ではフォロンとコーティカルテの信頼関係がメインとなり、4話では2・3話で登場した敵組織に殴り込みを掛ける流れ。 もっと話数を掛ける予定のものを無理矢理2話に纏めてる感じがして3話4話共にかなり急展開に感じました。

 特に三話では元々人付き合いの下手な彼がコーティの過去を断片的に知ってしまったことで動揺し彼女を上手く制御できなくなってしまう…という展開があるのですが、悩みを解消させる流れがユフィンリー先輩に一から十まで親切丁寧に解説させるだけってのは流石にどうかと思いました。 ありきたりですが同種の悩みを抱えてる後輩キャラなりを登場させてその悩みに首を突っ込んでいくうちにフォロン自身が自然と理解するような展開を用意しても良かったんじゃないかと。

 敵として登場するキャラの印象も前作より薄く感じました。 二話では中級精霊一柱だけだったのに、今回は上位精霊が三柱も同時に登場させてしまったことで一柱あたりの印象が薄くなってしまったし、最後も神曲楽士共々あっけなかったですからね。 まぁ要するにゴスロリ精霊のイアリティッケをもっと出せやってことですね。 折角『AYAKASHI』のパムのような良いウザキャラになれそうだったのに(笑)。

 でも戦闘シーンは相変わらず中々の盛り上がりを見せてくれて個人的には満足。 正直なところコーティカルテの能力が圧倒的なので彼女が出てくると自分的には盛り下がってしまうのですが、そこまでの展開…特にユフィンリーやサイキ・レンバルトのように上位精霊と契約してないキャラが六枚羽相手に奮戦するシーンが良い感じでした。 つか下級精霊ミゼルドリッドの活躍っぷりが凄まじいですな。 今回一番印象に残ったのがこのキャラかも知れません。


 システムまわりはビジュアルアーツのソレ。 ただメッセージスキップがCTRL押下の強制スキップしか存在しないので、うっかりセーブせずに終了させてしまった際に未読部分まで読み進めるのが面倒臭かったです。
 CGは相変わらず少な目で使い回しもいくつかあります。 ただまぁ小説の挿絵と考えれば妥当なところでしょうか。 BGMも使い回しがほとんどですが個人的には満足かな。 CGモードBGMモード共にエンディングの後TOPメニューに追加されます。
 特典の冊子に掲載されている短編小説は三話前の日常のひとコマ…かな。 あとはコミックの1話とキャラや用語解説など。 キャラ解説はアニメか小説版に登場するキャラも記載されているのでファンなら押さえておいて損はないんじゃないかと。


 とりあえず打ち切りが決まった連載漫画のような急展開っぷりは難でしたが、部分的に盛り上がった箇所もありシリーズの入門編として見れば悪くなかったと思います。 主人公の悩みやラスボスの設定などを見るに10代へのメッセージ性が強く、オッサンよりも学生向けの作品だなぁと感じました(笑)。


私的満足度: ★★★★★ ★+☆☆☆☆

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