D+VINE[LUV] -デヴァイン ラヴ- |
発売日:2000.02.25 / AbogadoPowers |
◇ あらすじ
かつて精霊の加護のもとに繁栄した「旧世界」。
その旧世界が唯一この世に残した「遺産」を手に入れる事を夢見る冒険者「ハイド」は噂話を頼りに幼なじみの「サクラ」と共にアーヴィルの街にやって来た。
その街の外れにある旧世界の遺跡と思われる洞窟を探検中、ハイドは奇妙な部屋で記憶を失った謎の少女「ユウラ」に出会う。
彼女の記憶の手がかりが洞窟内にあると睨んだハイドは洞窟内を探索していくうち次第に旧世界の遺産に近づいていくことになる。
はたして旧世界の遺産とは?そしてユウラの正体は何なのだろうか。
◇ ゲーム概要
ゲームは2DタイプのリアルタイムアクションRPG。
物語は完全に1本道になっていて舞台も1つの街と1つのダンジョン(5階層に別れてる)のみで、壮大な世界を旅するものでは無いです。
操作はキーボードにも対応してますが、マウスで進行方向へ左クリックしていけばそこへ向かって移動し、キャラをクリックすることで街中では会話、ダンジョンでは剣や弓などで肉弾戦を行います。
魔法は右クリックで発動(但し街では回復系のみ)。
使用する魔法は本を取得して読むことで習得し、覚えてる魔法の中から3つまでを装備できるようになっていてTABキーで切り替え可能…。
と、ここまでで気づいた方もいるでしょうが以前に大ブレイクしたネットRPGの『DIABLO』と非常によく似ています。
レベルは一定の経験値を得ることでアップしますが、各種ステータス(STRやINTなど)はレベルアップ時に3つの魔石を取得できるので、それを冒険者ギルドで好みのステータスに割り振ります。
職業という概念は無いですけどステータスへのパラメータの割り振りや装備するアイテム(全800種!)で戦士系や魔法使い系などの好みで成長させていけます。
また、5階層に別れてるダンジョンの各階層最深部にはボスキャラが配置されており、これらを倒すことで更に下の階層へ進んでいけるようになります。
この辺りは『イース』っぽいですね。
◇ システム
CD2枚組でそれぞれインストールとゲームCDになってます。
インストールに必要な容量は約192MB。画面サイズはフルスクリーンで固定です。
コンフィグではBGM、効果音の有無やメッセージ及びフレーム数の設定ができるようになってます。
メッセージスキップはCTRLキーで可能(但し未読・既読チェック無し)。
セーブはダンジョンや店から出て街の画面になったときに自動的にセーブされるようです。
一応3つの栞が用意されてますが、それぞれ独立しているので無茶をする前に1のデータを2に退避という事はできません。
◇ グラフィック
原画は「本田直樹」さん。
キャラデザインは結構可愛く描けてるし会話の時に顔窓が表示されて表情がよく変化するのが見ていて楽しく、私的にはお気に入り。
特に目が逆三角形になる表情が良いです(笑)。
あとパッケージ絵でのユウラの「ほえ?」って感じの表情が結構ヒットしました。
CGは256色なんですが、フルカラーに慣れた今でも色数の少なさは殆ど気にならなかった…というかフルカラーの恩恵を感じずに無駄な容量を食うCGよりも数倍マシですし、何より枚数が多かったのが好印象です。
魔法の効果の演出も良い感じでした。
あとフィールド上でのチビキャラの動きが良く出来てます。
サクラの照れた時の顔を真っ赤にして両手を降りまわす動きとか、欲情したハイドに思わず後ずさるシズキ先生とかは笑えました。
CGモードとHシーンの回想は1度エンディングに到達すると街中のマンホールからスタッフルームに入ることができて、そこで閲覧することが可能です。
◇ サウンド
CD-DA再生の全26曲。
ダンジョンの階層毎に異なる曲になってるし、どの曲もそのシーンに合っていたのですけど私的にはボス戦とかでもうちょっとノリのいい曲だったら良かったかなと。
お気に入りはOPの「D+VINE[LUV](Trak2)」とHシーンの「sweet memory(Trak9)」ですね。
CVは無し。
BGMモードはCGと同様にスタッフルームで鑑賞できますし、曲毎にスタッフのコメントも拝見できます。
◇ 感想まとめ
実に2年8ヶ月もかけて製作されただけはあり、なかなか丁寧で遊べるゲームになってますね。
お世辞抜きでスタッフの「満足行くものを作る」という想いが感じられたし、私は時間が経つのも忘れてずっぽりとはまってしまいました。
プレイしたのがGW中で良かったです(笑)。
まずなんと言ってもキャラを育てる楽しみが実感できます。
ステータスに好みでパラメータを割り振れる事は先に書きましたが、知力(INT)を上げていけば魔法で与えるダメージが目に見えて増えていきますし、素早さ(AGI)を多く上げれば何回も自分の攻撃を打ち込むことが出来るようになったりと「当たり前」の事がしっかりと作られています(これがしっかり作られてるのとそうでないのとでは大違いですからね)。
更にエンディング後は敵の強さをUpさせられるので自分が強すぎで飽きる…という事にはなり難いんじゃないかと。
次にアイテムの豊富さ。
実に800種類のアイテムが出現し、中にはめったにお目にかかれないレアアイテムもあり個人的にはアイテム収集だけでもかなり熱くなりました。
そしてサブイベントもかなりの数が用意されていて満足。
殆どが上のアイテム収集に関連したもので「あるアイテムを渡すと見返りに別アイテム取得」というのもありますが、大体は…「困ってる(悩んでる)女の子がいる」→「助ける」→「お礼にH」という図式だったりします。
この辺りはまぁエロゲらしく、これはこれで良いんじゃないでしょうか。
そのエロシーンですけど、それぞれのシーン別では特に濃いわけでも長いわけでも無いのですが…テキストが上手いのか妙にエロくて良いと思います。
まぁ初めてでもすぐ感じたりとかの「都合の良さ」はかなりありましたけどね。
あと回数がかなり多いです。正確にカウントした訳ではないですが全キャラ合わせて30回近くはあったと思います。
エロシーンのあるキャラの数もそれなりに多く、個人的にはかなり満足。まぁ音声が無いことが残念と言えば残念ではありますけど。
一応不満点の方を挙げさせてもらうと、アイテムの隠れた特殊効果(アイテム出現率アップとか)が鑑定してもらった時だけしか見れないというのがありますね。
せめて一度鑑定した物は以後いつでも見れるようにして欲しかったです。
あとはセーブデータかな。オートセーブは一向に構わないのですけど、データのコピーはできるようにして欲しかった。
特にダンジョン内のイベントなど再び見るには最初からやり直すしかなく、せっかく凝ったイベントが勿体無く感じました。
後は細かいレベルで16個までしかアイテム持てないけど「種」と「鎧」など明らかに大きさの違うアイテムが同じ1アイテムとしてカウントされるのが納得いかないとか、街で放り出したアイテムはダンジョンに潜っても消さないで欲しいとか…不満というより要望は一杯あります(笑)。
ゲームの目的としては「旧世界の遺産」と「ユウラの記憶の手がかり」が軸で進みますけど、私的にはそんな物はどうでも良かったりします(暴言)。
『DIABLO』なんかでもそうでしたが、これだけ丁寧でゲームとして遊べるとラスボス討伐など「ついで」にすぎなかったり。
エロゲ市場もリリースタイトルが増えつづけ、お粗末・手抜きなゲームも多いですが、そういったゲームを作るメーカーに爪の垢を煎じて飲ませたいですね。
個人的に今後 同ジャンルのゲームをプレイするとき、良い意味で比較対象になるゲームであることは間違いないでしょう。
◇ お気に入りキャラ
2大ヒロインではユウラがお気に入り。
ただサブイベントなどで関連する看護婦の「麻里亜」や患者の「里奈」。
他にも「ミア」や「す巻きちゃん」あたりはエロシーンまでが苦労するぶん、思い入れがあったりします(笑)。
私的満足度: ★★★★★ ★★★★☆
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