EVE ZERO -ark of the matter- |
発売日:2000.06.23 / C’s ware |
◇ あらすじ
ある晩、セントラル・アベニューの路地裏で一人の男性の変死体が発見される。
その殺され方は腹部を大きく切り裂かれ、内臓の一部を持ち去るという残虐なもの。
しかし、この事件はこれから始まる悲劇のほんの序章にすぎなかった。
桂木探偵事務所の所長代理を務める「天城小次郎」はフリーのカメラマンである柴田茜から家出少年の捜索の依頼を持ちこまれ、この依頼を期に大きな陰謀へと巻きこまれていくことになる。
そして警視庁公安六課の捜査員「法条 まりな」もまた、アメリカのフィルブライト財団の秘書のSPという立場から一連の事件に巻き込まれていくのだった。
◇ ゲーム概要
『EVE burst error』の主人公である小次郎とまりなの視点を切り替えながら進行するマルチサイトADV。
あらすじからも判る通り、小次郎はまだ桂木探偵事務所から独立する前、まりなも内調に配属される前の物語となっています。
ゲームの期間は約一週間で『burst error』と同様に一方のフラグを立てておかないと、もう一方のシナリオが進展しない…といった作りになっている為、頻繁に視点を切り替えてどちらもほぼ同時刻のシナリオが進行するように調整しなければなりません。
なおゲームは「見る」「話す」と言ったコマンドの選択と場所移動によって進行します。
会話での売りの一つにフォーカスモードというのがあり、これは画面内にキャラが複数人居る場合に片方のキャラだけに聞こえるよう話し掛けるもの。
この時は対象キャラがズームアップで表示されます。
場所移動は全体マップが表示されるので『burst error』のような面倒臭さは薄らいでるものの、コマンドは結構細かくフラグが散ってるので同じコマンドを何度も実行したりと、やや時間のかかる作りになってました。
でも難易度は低めかな。
◇ システム
インストールは最小で85MB。
それにCG(159MB)、ムービー(597MB)、音声(360MB)をカスタムインストール可能でフルインストールの場合は計1.2GBほどのHD容量が必要になってきます。
ちょっとでかすぎですね。
フルインストしても起動にはCD-ROMが必要。
画面サイズはフルスクリーンのみ。
メッセージは表示速度の調整やスキップも装備しています。
未読・既読チェックはしていませんけど。
セーブやロードはゲーム中にいつでも可能で、小次郎、まりな別にそれぞれ16個所まで登録できるようになっています。
視点切り替えの時は共通領域にオートセーブされるようです。
◇ グラフィック
原画は「CARNELIAN+」さん。
絵的に嫌いじゃないんですけどEVEは個人的に『burst error』の印象が強いため、まりな辺りはかなり違和感を感じてしまいました。
CGの質は結構良い方だと思います。
更にゲーム中にムービーが入るシーンがあるのですが、これもかなり綺麗でしかも再生時間がかなり長めと一見の価値はあると思います。
CGモードは一度小次郎かまりなのエンディングを迎えるとトップメニューに追加されます。
但しCGを見るにはDisc-Dが必要(ゲームCDはA〜C)。
他にムービーの再生も可能ですが当然見てないムービーは再生されません。
◇ サウンド
DirectSoundで再生され、曲数は計30曲。
正直言ってあまり期待していなかったというのもあると思いますが結構良かったです。
特にどの曲が…というほどでは無いんですけどね。
CVは一応主人公以外はフルボイス。
ただムービーの時は主人公の声が入ってました。
声優さんは有名処(のよう)なので演技力に関しては一部キャラを除いて問題なし…かな?
音楽モードはCGと同様に一度エンディングを迎えれば入れるようになります。
◇ 感想まとめ
主人公達が同じってことで、やはりどうしても『burst error』と比較してしまうんですけど…まず主人公達は『burst error』の時のようなキレは無いです。
どちらかと言えば常に後手に回って対立する組織やキャラに振りまわされっぱなしという感じでした。
まぁここから色々と経験して後の主人公達の姿になるって設定なのでしょうけど、気に入ってる主人公だけに「こんなの小次郎じゃねぇ!」とか叫びそうになりましたよ。
近い時期に発売された『不確定世界の探偵紳士』の方がよっぽど(以下略)。
シナリオの方は若干吸引力が弱いなぁという印象を受けました。
中盤あたりで事件のからくりが見えてしまうし、登場キャラ(の属する組織)同士のチープな駆け引きが鬱陶しいし、ラスト付近の展開が急ぎすぎ(っていうか人が死にすぎ)で興ざめしてしまった等、個人的にはかなりの不満点が出てきてしまいました。
更にイベントを発生させる為に、何のヒントも無い場所で同じコマンドを複数選択する必要がある不親切設定のおかげで集中してプレイする意欲が削がれてしまったのも残念です。
ただテーマ自体は「ああ、EVEだねぇ」と感じる物になってると思います、一応。
エロシーンは無しです。
何故ならエロゲーではない(正確には15禁のR指定です)から。
普段18禁ゲームをやり慣れてる為か、やっぱりしっかりとしたエロシーンがあった方がキャラへの思い入れ度は増すんだなぁと、このゲームをプレイしてみて感じてしまったり。
なお、この感想を書いてる時点で小次郎・まりな共に一度ずつしかエンドを見てないんですが、CGやムービーの抜けが結構あったし、EVE onlineなどの掲示板を拝見するとエンディングに関しては別パターンもあるようですね。
更に某キャラのシナリオも存在するようですが、リプレイする気は起きないのでこのまま私なりの感想としてアップ致しました。
◇ お気に入りキャラ
「トア・ノバルティス」でしょうね。
っというか、彼女しか居ないとも言えます。
設定年齢よりだいぶ幼く見えますけど曲者揃いのこのゲームの中では良い意味で安心できるキャラでした。
まぁトアも普通の娘じゃないんですけど…。
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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