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神詩 −KAMIUTA−
発売日:2000.08.25 / BLACK PACKAGE

◇ あらすじ

 ある神社の跡取り息子である主人公「御座 陰信」。 彼の家は代々、人の霊の状態を見ることができ、霊が澱んでる状態の人…即ち何かしらの強い悩みを抱えてる人の霊を浄化させることを行ってきた家系であった。
 主人公自身も幼い頃より人の霊を見る修行を行ってきたが、ここにきて人の霊を浄化させる修行に移行することになる。 その対象となる人物は従姉の「御座 深青」が選んだ3人の女の子達だった。 はたして主人公は無事に彼女達の霊を浄化させ、悩みを解消させることができるでしょうか…。


◇ ゲーム概要

 ゲームの流れとしては…
 1.学校内で3回の移動制限内にヒロインと出会い、会話をする。
 2.会話した女の子の中から悩みを取り除く(施術)対象キャラを一人選出。
 3.神社にて施術を行う。
 4.施術が成功してレベルが上がるとイベント発生。
 …という感じになっていて、1〜4を何度か繰り返すことになります。 ジャンルとしては恋愛育成シミュレーションらしいっす。

 施術は「愛情・信頼・友情・自我・勇気」の5つの属性が五芒星の状態に並んでいて、各属性に対応した御札を使用することでパラメータが上下していきます。 で、全ての属性のパラメータが90代になると女の子のレベルが一つ上がり、イベントが発生する仕組みになってました。
 全部のイベントを見るにはレベルを10前後上げる必要がありますけど、誰かがレベル6を越えると、他の二人のイベントは以降は発生しなくなります。

 ゲーム期間は6月中旬から夏休みの7月中旬までの約1ヵ月。 注意点として、各パラメータは日を追うごとに減少していきますので、零にならないように攻略対象外のヒロインもまんべんなく相手にする必要があり。 パラメータが零になった時点でBadEndへ突入しますが、実は難易度は全然高くないです。


◇ システム

 インストール時に「フルインストールしますか?」と(声入りで)聞いてくるので「はい」と選ぶと約240MBほどのデータがインストされます。 「いいえ」と答えた場合の処理は不明。 ちなみにフルインストして音源をMIDIにすればメディアレスで起動可能。

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通り。 メッセージスキップはテキスト窓の下部にあるスキップのスイッチかメニューバーより可能で、設定によっては未読・既読判別もしてくれます。 またメッセージの巻き戻し機能もありますので私的には結構快適でした。
 セーブやロードはゲーム中ならいつでも可能で計35ヶ所まで登録できるようになってました。 これも十分な数が用意されていて有り難いです。


◇ グラフィック

 原画は「あきよしよしあき」さん。 眼が比較的大きめの可愛い感じのキャラデザインになってますね。 立ち絵なんかは結構気に入ってますが、欲を言えばもう少し表情パターンが欲しかったところ。

 イベントCGは背景にやや不満を感じますけどヒロイン達は良い感じに描かれてたと思います。 枚数は少し物足りない感じで、通常イベントのものが若干少なめでエロシーンのCGがやや多め。
 CGモードは最初からトップメニューにあっていつでも入ることが可能。 エロシーン等の回想はありませんでした。


◇ サウンド

 音源はCD-DAとMIDI(GS・GM)から選択可能で、曲数は12曲。 この手のゲームらしく琴を使用した曲が雰囲気出てて良い感じでしたが、エロシーンとかでかかる静か目な曲が結構気に入りました。 でも1番気に入ったのはエンドの「木霊幻想」。

 音声は主人公以外…つまり女性キャラはフルボイスです。 演技の方は皆さん比較的レベルが高いと思いますが、無表情ヒロイン「葛葉」がやや聞き難いシーンがありました。
 音楽モードは最初からトップメニューにあって、いつでも入ることが可能です。


◇ 感想まとめ

 このゲームのメインは何と言っても施術シーンにあると思うんですけど、画面には五芒星の各点に5つの属性と数値が表示され、そして対象ヒロインの立ち絵が左側にあるだけという何とも寂しい構成が後押しして、ゲーム中に何度も何度も繰り返す施術シーンにすぐ飽きてしまうのが残念でした。
 せめて御札を貼って成功・失敗した時に何らかのリアクションを入れるとか、プレイヤーに「早くヒロインのレベルを上げたい」という気にさせる要素がもう少しあっても良かったのではないかと思います。

 構成としてはよくある悩み救済型のストーリーで、他のゲームでは選択肢や好感度で進行するのに対し、このゲームでは施術によって上がるレベルでシナリオが進行していきます。
 そのシナリオ自体は若干小粒ながらもシナリオを通してプレイヤーに言いたいメッセージは凄くわかりやすくて私的には好感持てました。 悩みというのは誰もが持っていて、それは最終的には自分自身で解決すべきこと。 他人に背中を後押ししてもらう分には良いが、自分で解決しようとせずに他人任せでいるとどうなるか…ってあたりになると思うんですけど、「どうなるか…」がどうにかなっちゃった主人公とヒロインが取った行動というのが少々納得がいかなかったですね(苦笑)。

 エロシーンは3人のヒロインは2〜3回発生します。 大体中盤くらいで最初のエロシーンが発生する感じでシナリオとの関連性もこの手のゲームとしてはそれほど違和感ありませんでした。 一度のシーンで3〜4枚のCGが使われていて、声優さんもいい演技しているので私的には特に不満はなかったです。

 学校内でヒロインと会った時の会話が淡白で、主人公やヒロイン達はいつ互いに惹かれたのかが今一つ不明だとか、義妹の「愛希」や従姉の「深青」の扱いをもうちょっと良くして欲しいとかの不満点はまだ幾つかありますけど、やはり施術シーンでどう感じるかが一番の鍵だと思います。 正直言うと、私は何度か寝ちゃいましたから…。


◇ お気に入りキャラ

 大きなリボンが特徴の「木花 莉乃」ですね。 私的には他のキャラがどうもパッとしなかったというのもあるんですけど…。


◇ 備考

 所要時間: 3.5時間 × 3人 + 2時間 = 12〜3時間


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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