Rascal・改 − Game Impression
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Milkyway2
発売日:2002.06.28 / Witch
 CGは制服のパターン違いが数枚埋まってませんがエンドは一通り見たので終了。 所用時間は1stプレイ3時間、2nd以降は1〜2時間と言ったところです。

 ある夏の日、街中で偶然出会った七瀬晶に主人公は一目惚れをしてしまう。 そして後日友人に連れられて訪れたMilkywayで晶と再会し、彼女がMilkywayのウエイトレスをしている事を知るのだった。 主人公は駄目元でMilkywayのアルバイトに応募し、1200倍の倍率の中から見事採用されることとなった…というあらすじのラブコメADV。

 前作から4年後が今回の舞台。 ゲーム期間は7月中旬から8月末までで攻略ヒロイン数は10人とエロゲの中では比較的多め。 ゲーム開始時にピンク系か青系かの制服を好みで選べますが…CG補完が面倒臭いので個人的には固定にしてくれた方が有難かった。
 ゲーム進行は店内MAPから移動場所を選んで移動先にいるヒロインと会話していくことで仲が進展する…という前作同様のシステム。 一応メインの6人に関しては何処に居るのかが判るようになってますが、他の4人は表示されません。 またCGコンプするにはお目当てヒロインだけ追いかけていても駄目なので難易度はちょっと高めだと思います。

 ヒロイン同士の会話などコミカルで楽しく、このあたりのノリの良さは前作譲りではありますけど…ヒロインキャラのインパクトは少々パワーダウンしている印象を受けます。 と言うか前作キャラが跋扈しすぎじゃないかと。 前作だとキャラのインパクトとノリの良さで楽しめましたけど、今回は前作ネタが多すぎで流石にどうかと思った(特に恋水)。
 前作未プレイだと会話等で盛り上がる登場キャラ達に付いていけず疎外感を感じるだろうし、プレイ済の私ですら「ええい、恋水はもういい!新キャラを出せ、新キャラを!」と感じたほどです。 パッケージ裏には「懐かしい旧メンバーもチラホラと…」と記述されてますけど、チラホラどころか総出演のサバト状態なので前作プレイは必須。
 加えて今回の主人公は割と真面目な良識人タイプで性格そのものは個人的に好印象なんですけど、主人公自身がMilkywayのノリに付いていけずに取り残されてる感じがするので、この辺もちょっと物足りない印象をうけました。

 シナリオ展開のほとんどは日常のドタバタコメディタッチの会話とノリが暫く続いた後、急速に結ばれてHしてエンド…というもので、これも良くも悪くも前作譲りですね。 ドラマ性はあまり無いですけど変に捻った展開やドロドロした恋愛描写が無い分、安心してプレイできるとも言えるし、それこそがこのシリーズの売りにもなっているのではないかと。

 エロシーンは1人1〜2回ほど。テキストは「ジュプジュプ」と効果音と喘ぎ声を書いてるだけって感じで薄いですね。 まぁこのゲームにはCGモードはあるけど回想モードが無いので、そのあたりからもエロに力を入れていない事は明白でしょうし、個人的には全くと言っていいほど期待してなかったので良いんですけどね。
# 余談ですが上の文章、前作の感想からそのまんま使い回しです(ぉぃ

以下、キャラ毎の雑感(ネタバレあり)。

七瀬 晶
 前作主人公の妹で今回のメインヒロイン。 前作は意地っ張りなブラコンでちょっと少年っぽい幼さのある感じでしたが、今回は普通に美少女って感じ。 主人公も晶もお互いが気になる存在で、そのことを周囲にからかわれたときの反応や普段の会話などで初々しさを感じてちょっと心地良かった。 割と早い段階で付き合うようになるが、いちゃつき描写は不足ぎみ。まぁ萌え度は思ったより高めでしたけどね。

犬塚 ありす
 特技が貧血という犬っ娘。 いつもニコニコと仕事を頑張るけど体力が続かず主人公や沙耶に休憩室に運ばれる…というやり取りが大部分を占めるため展開に飽きやすいのが難ですが、この設定や展開にはちゃんと意味があった事に驚いた(ぉぃ。 いや、だって他のヒロイン達はノリの良さやインパクトのある娘が多いけど、キャラの掘り下げ描写は前作も含めて皆無ですし(笑)。 そういう意味ではちょっと浮いてるキャラと言えますね。 設定自体には特に目新しさがある訳では無いけど個人的には良かったんじゃないかと。

結城 藍
 前作ヒロイン倫の妹で古風な大和撫子風味な性格。 暗殺格闘術の使い手で異常な強さで暴動鎮圧時などに活躍するが他ヒロインの個性が強烈でちょっと影が薄い印象をうけます。 初めてMilkywayの制服を着た時や主人公を男として意識するようになって尽くすシーンなど、他ヒロインには無い淑女的な癒し方面にもっと力を入れて欲しかった。

沢木 祐美
 主人公の幼なじみで母親は『Alive』のヒロインだった沢木祐里子(父親は祐二だと思われるので前作の高坂繭とは異母姉妹)。 主人公を「お兄ちゃん」と呼び慕っているが無口で無表情。 Milkywayへのバイトは「眼鏡っ娘が欲しかった」という理由で雇用される(笑)。 他の多くのヒロインと同様に設定だけが服を着ている感じでキャラの掘り下げが弱く、幼なじみである事を活かしたイベントがほとんど無かったのが残念。

坂本 礼
 テリルのコスプレ娘。前作ヒロインのさゆらに憧れている。 Milkywayのムードメーカーということで会話のノリは良いのですが、コスプレに対する想い入れなどがほとんど描かれていないのが残念。 一般人な主人公をヲタの道に引き込んでいく過程は礼の性格の割にはソフトな描写。 まぁ敢えて濃い内容を避けたのかも知れませんけどね。 余談ですが今時先行者ネタはどうかと思った。 発売当初も旬は過ぎていた気もするし、こういうネタって時期を過ぎると見ていて痛々しいモノがあるなぁと再認識(笑)。

神月 沙耶
 いつもありすを気にかけて世話をしているボーイッシュなお姉さん。 終盤の展開がありすと同じなのが物足りなさを感じます。 日常シーンでは事情を知らない主人公が好き勝手に首を突っ込んでただけって印象しかなかったので「元気付けられた」とか言われてもプレイヤー視点的には空回りぎみ。 例えば某キャラ絡みで沙耶が取り乱すような展開を入れてそれを主人公が助ける…というようなイベントでもあれば良かったのですけど。

嘉神 麻衣
 主人公の友人の妹。特定のエンドをいくつか見ると登場するようです。 巫女さんで更に主人公への好感度がMAX状態だけど言動は控えめ…と設定的にはかなりツボなヒロインなのですが…エロシーン無しと言うのは何かの陰謀か? 明らかにおまけっぽいし他ゲームへの伏線も兼ねてるのかも知れませんが、この仕打ちはあんまりではないかと。

御影 咲夜
 Milkywayの最古参ウエイトレスで前作でも登場したヒロイン。 シナリオ展開は恋水&恋文の母娘にいぢられる or 真面目に仕事してる主人公との会話くらいなので飽きやすいが、前作をプレイしてれば相変わらずの不幸っぷりや「うえぇぇん」と泣き叫ぶ様に癒されるのでまぁ良いんじゃないでしょうかね。

東条 悠
 咲夜と同様に前作から引き続き登場。 妹の恋水は既に子持ちだが悠はいまだに独身で、姪の恋文に「おばちゃん」と言われると激しく落ち込む。 余談だが恋水の旦那は元々は悠の婚約者だったがちょっとした行き違いから恋水を孕ませてしまったという経緯あり(このあたりの話は『Milkyway1.8』に収録されている)。 シナリオ展開は恋水&恋文の母娘にいぢられる or 真面目に仕事してる主人公との会話くらいなので飽きやすいが、後の無い必死さは割と伝わってくるのでまぁ良いんじゃないでしょうかね(笑)。

高坂 繭&久遠
 ひたすらトイレに移動してるとこの母娘のエンド。 内容は『Alive Renewal』から続いているファンタジー物。 と言っても判ることと言ったら繭には柚木が見えていたが今は会えなくなった事と由里子(祐美の母親)は芸能人で「坂上柚木」と名乗ってることくらいか。 『Alive』未プレイだと見る必要性は全く無いですし見ても意味不明だと思います。

 まぁ前作ネタ多しとは言え、相変わらずコミカルなノリは楽しめたし、前作とセットでシナリオやエロに期待しないという前提でならそれなりに楽しめたかなと言ったところです。

私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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