Milkyway3 |
発売日:2005.04.28 / Witch |
CGはいくつか取りこぼしがありますがエンディングは一通り見たので終了。初回プレイ時間は6時間ほどでした。
登場ヒロインが多い上に2ndプレイでも結構時間がかかるし難易度も比較的高いと思われるので全エンド達成までは下手なRPGより時間かかると思います。
平凡な大学生である主人公「大野敬樹」はある日テレビを見ていて一昔前に一世を風靡した喫茶店「Milkyway」が復活することを知る。
そして画面に映ったウエイトレスの中には憧れのネットアイドルや幼なじみである「森下魅是琉」の姿があった。
敬樹は魅是琉にMilkywayのバイトとして雇って貰うよう頼み込み、なんとか面接まで漕ぎ着けた。
そこで敬樹を待っていたものは…というあらすじ。
前作『Milkyway2』から約20年後が今回の舞台。
世代が変わったため前作から引き続き登場するキャラはそう多くはありませんが、新規で登場するヒロインもほとんどは過去作に登場したキャラと関わりがあるので過去作は一通りプレイしてる方が楽しめることは確かです。
ヒロイン総数は11人と多めですけど、今回はとある条件を満たすと副店長である「鈴木幸広」でプレイすることが可能で、11人中2人はその幸広ルートでしかハッピーエンドが見れません。
他のヒロインもサブキャラとして敬樹ルートでは見れないエピソードがあったりしてなかなか面白い試みと思います。
今回のゲームシステムは移動先を選択するものではなく「どのヒロインをフォローするか」というもの。
ヒロインキャラはランダムで「キッチン」「レジ」「倉庫」「フロア」に割り振られていて、基本的にはお目当てのヒロインのいる場所のヘルプに入ればOK。
一応経営シミュレーションという形式になっていて、ヒロインの配置によって店のステータスや売り上げ額が変動したり、一部のヒロインは店の売り上げ額が登場のトリガーになっていたりしますので注意が必要。
更にヒロイン同士での相性の良し悪しというのがあり、同じフロアに相性の良いキャラ同士で入ると店の売り上げが飛躍的に上がりますが、逆に相性の悪いヒロイン同士で組ませると売り上げが激減します。
これによりヒロイン同士の横の繋がりがある程度描かれていたのは好評価しているのですけど、ほとんどのヒロインの場合はあまり売り上げを気にする必要は無く、特別ゲーム性が増すとも感じられなかったので、シミュレーションパート自体はどうにも中途半端な印象を受けるんですよね…。
キャラ配置による挿入イベントが比較的多い前半はともかく、後半は淡々とシミュレーションパートをこなすだけの毎日が続くこともあるので個別ルート確定後は必要無かったんじゃないかと思います。
あとゲームデザイン云々以前にバグが多い。
立ち絵の不整合、既読スキップ誤動作、一部でBGMが再生されない等々(2005年5月8日現在修正パッチなし)。
制服チェンジ仕様のお返しCDなどのユーザーを煽る方に力を入れる前に、まずはゲーム本体をしっかり作り込んで欲しいものです。
CGは差分含めずで166枠と結構多め。立ち絵のパターンもかなり多くてこのあたりはかなり頑張ってる感じですね。
各ヒロインのシナリオ展開は過去作と比較するとかなり向上してる印象を受けました。
キャラの心情の変化や、立場や性格による掘り下げが割と良い感じで描かれていたのはもちろんですが、お目当てヒロイン以外のキャラも脇役として結構関わってきたりして良い感じ。
主人公も自分の非を素直に認められる大人な言動をしてくれるのでプレイしやすかったです。
ただ従来の長所だったコメディタッチのドタバタ描写は控えめな印象を受け、この点がちょっと物足りないかな。
コメディ要員が偏ってる上にほとんどが旧作キャラというのが原因で、キャラのインパクト(濃さ)は明らかに下がってきてるなぁと感じます。
もし続編が出て、今回のヒロイン達が話しに関わったとしても旧作キャラほどのインパクトを与えるのは難しいんじゃないかと思えてちょっと心配。
エロシーンは1キャラあたり1〜2回。
いくつか導入時に唐突さを感じたし、エロ描写自体も愛撫→挿入とセオリー通りで尺も短めですけど、某ルートでは3Pシーンがあってちょっと驚いた。
ただルートによって主人公が童貞だったり経験済みだったりするのはプレイしていて混乱するので止めてほしかったですし、ヒロインキャラによっては一部「朝までHした」という記述だけでエロシーンを描かない場合があってしょんぼりです。
以下、キャラごとの雑感。
後に続編が出た場合に自分で読んで今回の内容を思い出せるよう、いつも以上にネタバレぎみに書いてます。未プレイの人は読み飛ばし推奨。
メーカー倒産したので続編が出ることはなくなりました(苦笑)
森下 魅是琉
主人公の幼なじみ。
仔犬のように主人公を慕ってくる言動は可愛いけど、学習能力が無さすぎたり空気読めない池沼っぷりがプレイしていてちょっと疲れた。
シナリオ展開的には最優先で好意を寄せてくるみぜるに対して素直になれない主人公の言動や、何気ない主人公の一言を真に受けて思い悩む様などラブコメ定番幼なじみ物と言った感じ。
でも冒頭から頻繁に幼き日の回想シーンが挿入され、二人の関係がプレイヤーに理解しやすい構成になっていて、過去作の幼なじみのように「設定だけ」という印象を受けなかったのは好感触かな。
幼みぜるにも不覚にも萌えたし(ぉ
横内 円
魅是琉の親友で「楠花梨」という有名なコスプレアイドル。初代に登場した楠本さゆらの娘。
前作の礼でも思ったけど個人的にはもう少しコスプレに対する思い入れを描いて欲しかったし、普段の地味な性格とコスプレ時とのギャップももう少し欲しかったところ。
シナリオは魅是琉の主人公に対する想いを知っているという事もあり、円がケジメを付けるシーンがあったのは驚いた。
恋愛ゲームとして見ると少々弱めの描写かも知れませんが、このシリーズにしては凄い進歩なんじゃないかと(笑)。
工藤 悠璃
主に海外で活躍しているモデル。初代主人公と工藤亜由美の娘(母方の性なのは亜由美が愛人だから)。
属性的にはツンデレ系になるのかも知れませんがデレ描写は弱め。
でも個人的には自分の気持ちに素直になれない意地っ張りな言動がかなり萌えましたし、母親同様にプリンに目がなくて幸せそうにプリンを貪る悠璃の図はちょっと癒された。
エロシーンでは前戯でイキまくる描写がよさげ。
キラ・ラファール
いつも工藤悠璃と一緒にいるデザイナーで初代主人公と倫の娘。悠璃とは異母姉妹で本名は七瀬綺羅。
主人公は中盤まで男だと思い込んでいるので男友達として接する主人公に次第に惹かれていくキラ…というシナリオ展開。
個人的には女だと気付いてからの反応も含めてもう一押し欲しかったですが、特に描写不足という印象はなかったです。
まぁ悠璃との姉妹仲に関する話はもう少し知りたかった気もしますけどね。
脇役では二人が必要以上に親密にならないよう結託する魅是琉と悠璃が割と良かった。
あとは何と言ってもエロシーンですね。
まさかこのシリーズで3P…しかも悠璃&キラの姉妹丼を拝めるとは思わなかったので驚きました。スタッフグッジョブです。
坂上 柚香
現役トップアイドル。二作目主人公と沢木祐美の娘で本名は沢木祐姫(何故母方の性なのかは不明)。
シナリオ展開は芸能活動とMilkywayの仕事を含めた私生活の両立…というアイドルヒロインの定番物。
芸能活動が忙しくてバカンスに行けなかったときの電話での言動や主人公との仲をゴシップ記事にされた後の反応など、普段の明るい性格の裏に隠された脆さが良い感じで描けていたんじゃないかと思います。
でも主人公に好意を持つようになったきっかけが不明なのがちょっと物足りなさを感じてしまい、この点は惜しいです。
結城 雪花
結城藍の娘(養女)で恋文のボディーガードという名目でやってきた雪女。
このキャラも設定などの掘り下げは悪くないとは思うけど…母親(藍)との終盤の展開は正直引いた。
序盤は無口で無愛想だが、個別ルート中盤以降(バカンス後)は主人公に対して一途で素直な態度になり、序盤とのギャップにそこはかとなく達成感を感じられて悪くないです。
また恋文や柚香などの他ヒロインも割と良い感じで絡んでくるのも好印象。
サラ・マクスウェル
恋文に経営の英才教育を叩き込まれた少女で特定の日付まで売り上げが一定額以下だと登場する(その場合は柚香は登場しない)。
恋文の期待に応えようと張り切るものの、どうにも空回りぎみ。
主人公に怪しげな苺料理を試食させる流れはちょっと笑えましたけどね。
終盤はちょっと「ラブひな」のスゥを思い出した。
まぁ主人公に気を許してからの甘えっぷりは良い感じでしたし、ドタバタな日常描写も他ヒロイン以上に良く感じられて個人的には結構お気に入りなキャラとなりました。
決して炉キャラだからという理由ではないです。ないはず。なければいいなぁ。
三石 友梨香
恋文付きのメイド。恋文と副店長の幸広とは幼なじみ。
このキャラは幸広に想いを寄せているためハッピーエンドは幸広ルートのみで、敬樹ルートではバッドエンドしか見れません。
幸広ルートでは傍にいることを当たり前のように感じていた友梨香が、自分以外の男から好意を寄せられていることを知って動揺する…という展開。
したがって敬樹はいわゆる道化なのですが、自身にケジメを付けるために敢えて玉砕する様や、それをフォローする魅是琉の行動はなかなか好感触。
もっとも個人的には大きく嗜好を外れるヒロインなので友梨香に惹かれる敬樹には全く同調できませんでしたけど。
ともかく、一人のヒロインを二人の男の視点から描くというちょっと珍しい構成になっていて、この点は割と楽しめました。
鷹梨 恋文
今回のMilkywayを再建した張本人。初代のヒロインだった恋水の娘で前作にもサブキャラとして登場していた。
エンドがあるのは幸広ルートのみ。
女帝として王道をひた走る彼女が自身の立場を危うくしてまで望んだもの…それは幼い頃にMilkyawayで過ごしたような楽しい日常だった…という話で、このシナリオをプレイすると魅是琉や敬樹に対する態度も理解できて良かったのではないかと。
声優さんの演技は悪くないのですが一部でダミ声になる事とエロシーンのようなしおらしい描写が少ないのが個人的に残念かな。
御影 咲夜
初代から3作連続で攻略対象なキャラ(笑)。
個別ルートへ入るための条件はかなり厳しいですけど、世代が変わっても相変わらずの不幸っぷりを披露してくれて嬉しいです。
推定年齢の割に見た目が若いですが、この若さの秘訣に仕掛けがあったのは笑えた。
シナリオ展開は主に前作からのキャラ(恋文や礼)を巻き込んで…というか巻き込まれてのドタバタ系だが中盤以降はしんみりとした雰囲気。
咲夜のMilkywayに対する想いなどが描けていて悪くないと思います。
ただ立ち絵の不整合が目に付いたのとエロシーンはあっちの咲夜のほうと両方とも描いて欲しかったです。
鷹梨 夏菜
名字がら推察できる通り過去作の某ヒロインの娘。
咲夜ルートからの派生シナリオですが他ヒロインと異なりかなり重い設定です。
てっきりご都合主義エンドになるかとも思ったんですけど。
エロシーンはあの状況だと某キャラはギャラリーしていたんでしょうかね。
シナリオ構成やキャラの掘り下げ描写に関しては格段に良くなってると思える反面、ゲームデザインの変更に関してはもうちょっと錬り込んで欲しかったし、何より従来の長所だったドタバタコメディ描写に物足りなさを感じたことが残念です。
今回のシナリオに加え、従来のノリが復活したらもっと良くなっていたんじゃないかと。
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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