Maple Colors |
発売日:2003.07.25 / CROSSNET |
全CGと回想を埋めてコンプリート。
所要時間は1stプレイ約8時間、コンプまでは途中のセーブデータを使いまわして大体15〜16時間くらいだったと思います。
問題児ばかりが集められた紅華学園2年B組に転校してきた主人公「佐久良次郎」。
彼は転校後まもなく暴力事件を起こしてしまい、2-Bを疎ましく思っている教頭達によってクラス全員に対して重い処分が下されようとしていた。
そしてその処分の取り消しの条件として演劇部と2-Bとで演劇勝負を行い勝利することを告げられるのだった…というあらすじ。
学園内をてくてくと歩き、フィールド内に居るチップキャラに話しかけることで物語が進行する「フィールドAVG」。
移動可能な時間帯は14時から18時までで、移動せずにその場でボケーと突っ立ってるだけでも時間が経過していきます。
その上で各キャラ毎のイベントを探していく必要があるのですが、ほとんどのキャラは時間帯によって出現場所が微妙に変化するし、特定の時間帯に特定のアイテムを所持して会話することがイベント発生の条件になってたりするので難易度は割と高め。
また一部のイベントではミニゲームが発生し、勝利しないとエロシーンが拝めなかったりゲームオーバーになったりもします。
エンディングの存在するヒロインは6人でした。
プレイ感としてはコミカルなギャグが心地良いラブコメ物といったところ。
開始直後は主人公のとばっちりで理不尽な処分を受ける事になったクラスメイト達との関係改善を目標として進行していくのですが、この主人公は馬鹿だけど気持ち良いくらい前向きな思考と行動を取ってくれるので居心地の悪さというものは全く無く、地道に努力して次第にクラスメイト達の信頼を得ていく流れが中々に達成感を感じられて良かったです。
2-Bのクラスメイト(男子12人・女子19人・計31人)も問題児集団なだけあって曲者揃いですけど、それ故に特徴が掴み易くてキャラ立てに貢献していた感じですね。
特に女性キャラは20人超という大所帯ながら、どのキャラにも持ち味があって好印象。
そしてその20人以上の味のある女性キャラほぼ全員とH可能という本作の構成に心より賛辞を送りたい。
だって自分の高校時代を振り返ってみても当時のクラスメイト全員とHなんて色々な意味で想像できませんよ。
しかもコレはエロゲーですから平安時代の美女も女ドワーフも存在しない訳ですよ。
まさに男のロマンです、素晴らしい。
シナリオ展開としてはクラスメイト全員が揃った後に演劇のヒロインを決める事になり、そこで抜擢されたヒロインと共に演劇部の妨害工作やヒロイン自身の問題を解決していく流れ。
妨害工作やその他諸問題を克服する度に結束力が高まっていき、クラスメイト達も含めた「絆」とか「信頼」と云ったものが分かり易く描かれていて全体的には悪くは無かったと思いますけど、キャラによって描写力やボリュームに差があるのが少々勿体無く感じました。
特に鈴原空や咲守素子に関しては配役的にヒロインでは無い事もあってかなり物足りない。
ただ、小者っぷりたっぷりな妨害工作を画策していた演劇部部長などは分相応な末路を辿るので、このあたりは割とスッキリできて良かったかと。
ミニゲームの種類は10種類と豊富で、いくつかのゲームは難易度を「かんたん」にしても割と歯応えがありました。
具体的には「コオロギ捕獲」と「ハエ叩き」に苦労した。
まぁハエ叩きは裏技を使えば無問題だしハエの動きが思いっきり『ギャラガ』してて笑えたけど2回目のコオロギ捕獲はちょっと血圧上がりました。
エロシーンはエンディングのあるヒロインは2回、クラスメイト女子は大体1回ずつ。
1プレイでH可能な最大人数は16人(咲守ルート)と言ったところです。
場所は全て学園内のどこか。
処女率はそれなりでしたけど破瓜描写はほとんど無し。
ヒロインキャラとのエロは導入部での気分的な盛り上げ方がなかなか良好。
行為に合わせてCGを拡大させることで一部分を強調させたりとビジュアル的な演出もなかなかです。
いくつかのシーンでは2回戦に突入したりと尺も十分にあり声優さんの演技も良好で実用性は高いと思われます。
システムまわりではテキストログを閲覧できないのがやっぱり不満ですね。
あとはフィールド画面上で一定時間を経過させる際の時間の進み方も個人的にはもう少し早めて欲しかったところです。
シナリオとかボリュームとかシステムまわりなど探せば不満点は結構出てくるゲームではありますが、個人的には細かい不満など気にならなくなるくらい展開に“勢い”があって楽しめました。
ほぼ全員のサブキャラとH可能な入れ食いゲーとしても非常に満足です。
以下、ヒロイン毎の雑感(ネタバレあり)。
葵 未来
後の「伝説のツンデレ」である。
キャプテンと呼ばれている2-Bのリーダー的存在。
元演劇部で脚本家としての才能もあったが、顧問の部費横領を目撃してしまった事で嵌められて退部へ追いやられた上に脚本も盗用された経緯あり。
演劇での恋愛シーンでお互い意識してトチりまくる描写がなかなか微笑ましい。
展開としてはとにかく演劇部の妨害がひたすら続く流れですね。
スパイの炙り出しとか隠された小道具の場所を尾行して探り当てたりとか割と未来の策士っぷりが際立っていた。
んで、そんな策士っぷりを見た主人公に軽蔑されたんじゃないかと内心ビク付いてる未来がまた可愛いのです。
エロシーンでも局部アップからのアングルとか視覚的にかなりエロさを感じられて非常によろしゅうございました。
秋穂 もみじ
元演劇部。
普段は間延びした口調で喋るが演技は天才的で役に嵌りきって勝手に台詞を変えてしまう事もあるほど。
また父親が居ないことでかなりのブラコンらしい。
ちなみに兄はほとんど間柴ですな。フリッカージャブは飛んできませんけど。
個別ルートでは恋人を演じるというお約束な展開から始まるけど、狸のポコリンや熊との格闘を経て主人公との仲が急接近する波乱に満ちた流れでした。
演劇部の妨害は主に本番中に発生し、結果的にはその妨害工作がより迫真な演技を呼ぶことになる…という展開。
かなり力の入ってるシナリオだとは思いましたが普段のもみじの行動や口調にかなりイライラさせられたので個人的にはそれほど思い入れは無かったりします。
卯月 あむ
現役の芸能人。芸能活動でスランプに陥り活動休止中。
愛想の良い言動をしているが芸能人としてしか見ていない周囲に辟易しており「謎のメッセージ」に応えた主人公に対しては本来の性格を表に出す。
個別ルートでは芸能人ではなく2-Bのクラスメイトとしてヒロイン役を承諾し、主人公にも好意的な態度を取るようになるが、それを新聞部の顔文字キャラがスキャンダルとして報じた事で主人公と2-Bのメンバーとで関係が拗れる…という流れ。
この時のハッキリした主人公の主張はなかなかに好印象でした。
それとエロシーンも炉体系キャラとしての特徴を上手く強調していてお気に入りです。
桃井 葉子
眼鏡&おさげという地味な外見ながらソフトボール部のエースピッチャー。
過去に演劇で失敗したトラウマからプレッシャーに異様に弱い。
重圧が臨界点を超えると「加速装置」が発動する。
個別ルートの展開は実はあまり印象に残っていませんが、葉子にプレッシャーを与えようとした不良チビが主人公を貶した際に激しく言い返すシーンは割と印象的でした。
ただやっぱりヒロインとしてはあまりにも影が薄く、サブキャラにもインパクトの面で負けていた不憫なキャラでした。
鈴原 空
水泳部の選手候補。
他の選手候補達からは2-Bという事で水着を盗まれたりの嫌がらせを受けている。
実はゲーム開始時点で密かに主人公に好意を持っていて、未来に対して強いライバル心を抱いている。
プールでこのあたりの心情を語るシーンはかなり印象に残ってます。
しかもヒロイン確定の時期が他のキャラより早いので、他ルートを目指す場合は空の告白を振り切らないとならないのが辛かった。
咲守 素子
学園近くの神社の巫女さん。
合気道の実力者で演劇でのアクションシーンの指導者に選ばれる。
実は主人公とは幼なじみだった…というおまけ設定もありますが、ちと唐突すぎと言うか師匠とやらも交えてもう少し盛り上げて欲しかったです。
エロシーンでの涙流しながら喘いでる表情は普段の凛とした態度とのギャップがあって結構そそりますな。
お気に入り順は
未来 > 空 > 素子 >> あむ >> 葉子 > もみじ
私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆
| |
|
|