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PARADISE LOST
発売日:2004.01.16 / light
 全5章構成で、1章平均3時間くらいかかったと思うので1stプレイは約15時間程度…。思ったよりボリュームありました。

 主人公は2人。「隔離街」と呼ばれる修羅街でも最強の部類にありながらどの勢力にも属さない男と、隔離街で最も底辺にいながらも義妹のために体を張る男の、それぞれの立場から物語の核心に迫っていく話で…まぁどちらも基本的にダークです。 聖書やミルトンの失楽園に登場する天使や悪魔や用語などが大量に出てくるシナリオ展開、文明崩壊後の世界が舞台だったり天使がわらわらと沸いてくるシーンがあったり“式”と称する所謂呪文の詠唱などはどことなく「バスタード」っぽい。

 戦闘シーンでの緊迫感や状況理解のし易さはニトロの虚淵氏に一歩及ばないかなぁという感じはしましたが、全体の雰囲気を踏まえた上での演出やストーリー展開はかなり良かったと思います。 BGMや声優さん達の演技も非常に良く、演出に貢献していました。それだけに全キャラフルボイスじゃないのが非常に勿体無い。ボイスなしでも味のあるキャラが結構いましたが、これらのキャラにも声があれば一層盛り上がっただろうに…。

 物語序盤のほうのリルとエニスが主人公を取り合うシーンなど萌え笑うイベントもあったりして単に暗めの話だけに留まってないのはプラス要素でした。 ただ終盤になるとライターさんが息切れしてきたのか、ちょっと置いて行かれてるなと感じる箇所がいくつかあったのが残念。 それとあとはやっぱりミルトンの「失楽園」に出てくる固有名詞をある程度知ってないと何が何やら…となる可能性があることでしょうか(ある程度はゲーム内で説明されてますけど)。 逆に本家に詳しい人やファンの人は色々とツッコミたくなるかもしれませんけどね。

 エロシーンは…あまり期待しない方が吉だと思います。プレイ後にエロシーン思い返すのにも苦労するくらい印象薄い。 それに個人的にこのゲームは女性キャラよりも野郎共のほうが魅力的に描かれてると思いますし。

 まぁ色々書いてしまいましたけど、シリアス系の話で燃え展開もそれなりにあり、世界観のに合った雰囲気の良いゲームで個人的にはすごく楽しめた作品であることは確かです。

私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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