グリーングリーン3 〜ハローグッバイ〜 |
発売日:2005.08.05 / GROOVER |
全CGと回想を補完してコンプ。
1stプレイ約6時間、コンプまでは約23時間くらいでしょうか。
一部のルートに入るのに苦労したことと選択肢によって結構後のイベントが変化するのでCG補完は大変でした。
恋人の「朽木双葉」と喧嘩したまま夏休みを過ごした主人公「高崎祐介」。
彼は新学期の始まる前日に女子寮にある双葉の部屋で仲直りすることに成功するが、その直後に天神達の仕掛けた女子寮爆破事件が発生。
女子達は男子寮に一緒に住むことになり、祐介達の部屋には何故か双子の姉妹「葉月」と「花月」が一緒に暮らすことになった。
更に新学期早々に祐介の幼なじみである「樫谷ちとせ」が転校してきて祐介と双葉に再び試練が訪れるのだった…というあらすじ。
私立鐘ノ音学園を舞台にしたシリーズ3作目。
初登場キャラは双葉を除いた4人のヒロイン達だけで、他は過去の同シリーズで登場したキャラばかりとなっているので過去作は一通りプレイしておいた方が良いと思います。
ゲーム自体は選択肢を選んでいくだけのオーソドックスなタイプ。
ヒロイン攻略の難易度はそれほど高くはありませんが、似たようなイベントでもそれまでの選択肢で若干状況が変化したりするのでCGの補完は苦労しました。
ちなみに攻略可能なヒロイン数は過去の同シリーズと同様に5人です。
とりあえず過去作を一通りプレイした身としては相変わらずの濃いキャラ達とのドタバタ展開は楽しめます。
ただ今回の3バカの野郎達は最高学年になって将来の事を考えたりしていて落ち着いてしまってたり、主人公のサポートや相談役になる事も多く、過去作のような欲望剥き出しの犯罪まがいのノリは鳴りを潜めていて少々物足りなさも感じました。
まぁ女子寮を爆破したのは流石に洒落じゃ済まないと思うけど(苦笑)。
そんな3バカ達に代わって今回トラブルメーカーになっているのがヒロイン達。
と言っても犯罪行為ではなく、優柔不断で流されやすい主人公が幼なじみの ちとせ や同室の双子姉妹達の騒動に巻き込まれ、双葉に誤解されたりヤキモチ焼かれたり癇癪を起こされたりしていくうちに二人の関係がギクシャクしていく…という流れのラブコメ展開。
ただ個人的に個別ルートに入るまでの展開は正直言うと微妙かなぁと感じます。
なにせ主人公は双葉と付き合っているのに他のヒロインに流れるときの葛藤がほとんど感じられない。
加えて他の娘を意識する描写も弱く、双葉と恋人同士という大前提が唯の“足枷”にしか感じられないルートもあって勿体無く感じました。
一部では割と修羅場なシーンなどもありますが、出来れば全ルート・全ヒロインに対してやって欲しかったですよ。
個別ルートに入った後のヒロイン達が抱えてる悩みの描写は割と良い感じでした。
共通ルートの時からある程度の伏線は鏤められていて、個別ルートでの伏線の明かし方なども(ある程度予想通りだったとは言え)上手かったと思います。
特にちとせは初代『グリーングリーン』を未プレイだと訳わからないかも知れませんが、プレイ済みだと「うわ、そうきたか…つか強引だなオイ(笑)」と驚かされたと同時に苦笑もできて結構満足。
ですが残念なことに上記の好感触な要素を台無しにするものが一つありまして…とにかくもう主人公がヘタレすぎなのがキツかったのです。
その場の思い付きとなんとなくで日々を適当に過ごしているくせに自尊心だけは一人前。
ヒロインとの話の進展に関わることで自発的に行動することはほとんどなく、何か提案するのは全て女の子の方から。
優柔不断な上にグチグチと甘ったれた言い訳を脳内で繰り返した挙句、友人達にケツ叩かれてようやくアクションを起こすという一連の流れを見てるとこの主人公に惚れたヒロイン達の魅力も下がろうというものです。
ここまで鬱陶しく主人公の心理描写を描けるなら、共通ルートで双葉と他ヒロインとの間で葛藤する描写をもっと入れて欲しかったし、そうしないと個別ルートでの鬱陶しさが不自然に思えてきます。
どのルートも「そこまでヘタレにしなくてもいいじゃん」と感じられるヘタレっぷりだったので、この点だけがホント残念ですね。
エロシーンは双葉が最も多くて7種類。
しかもそれまでの選択肢によって途中で邪魔が入って失敗するパターンと最後までできる成功パターンの二通りが存在します。
どちらも回想モードに登録されるのでイベントコンプには両方見る必要あり。
空き教室や保健室、風呂場などでのシーンもあり、メイドプレイや足コキなど結構バリエーションも豊富でしたが、尺はやや短めかな。
対して他ヒロインは1〜2回と少な目。
ただ、双葉とのエロシーンは共通ルートで発生するものがほとんどですが、他ヒロインは個別ルートでとなるので1プレイでのエロシーン回数はそれなりに発生します。
基本的に状況描写と喘ぎ声がほとんどですが、花月などは尺も長く声優さんの声質も個人的に好みなこともあってお気に入り。
まさかこのシリーズで気に入ったエロシーンが発生するとは思っていなかったのでちょっと嬉しかったですよ(笑)。
システムまわりで特に不満はありませんでしたが、一部で発生してないはずのイベントが発生したことになっていたりとシナリオ展開での不整合がいくつかあったのが気になりました。
あとはスキップ既読判定がちょっと変な箇所もあったような気がします。
CGは枚数的に不満はなし。塗りのほうも相変わらずと言ったところでしょうか。
キャラデザインは初期の頃と比べ、だいぶ目が大きく描かれてる感じがしますね。まぁ良いですけど(笑)
音楽は…これも過去作同様ちょっと無音状態が多すぎる気がしました。
ヒロイン別にエンド曲が用意されているのは良いですね。
特に某エンドでの「グリーングリーン」のアレンジ版は懐かしくて嬉しかった。
他にはOPの「ハローグッバイ」、舞エンド「君がくれたメロディー」、葉月エンド「Love Bell Sound」もお気に入り。
やや展開が強引に感じる箇所があったり主人公のヘタレっぷりが難でしたが、初代や前作のような鬱系の展開は全くなく、どのルートでも最後は何だかんだでハッピーエンドとなるのでプレイ後の後味は良かったです。
特に双葉やちとせはシリーズ完結編に相応しい展開でしたし、最後の卒業式は轟の挨拶などなかなか感慨深いものがあって個人的には割と満足できたタイトルでした。
以下、キャラ別の雑感(ネタバレあり)。
朽木 双葉
初代の試験編入の頃からのヒロインで祐介の恋人。
ツンデレ系に属するのかも知れませんが、デレ描写は弱めで色々と不器用な娘という印象。
特にセーターイベントは双葉の性格や手先の不器用さが良く現せていたんじゃないかと。
シナリオ展開は全編に渡って主人公のヘタレっぷりが際立ってましたな…。
反面、一番星をはじめとした野郎達がなかなか良い味だしていたと思います。若葉も出てきたし(笑)。
しかし…あのエンディングであの展開ってことは、他ヒロインルートの時でも…ってことですよねぇ?
オマエなどは親父の刀の錆にされてしまえ(ぉぃ
樫谷 ちとせ
主人公の幼なじみ。シナリオ展開が双葉と被るし一応最大のライバルにあたる…のかな。
幼い頃の思い出を忘却してたり、主人公の無神経な一言がヒロインの気持ちを押し留める要因になっていたり…と幼なじみものの定番ネタも結構ありますが、シリース過去作と絡めるシナリオ展開は割とお気に入り。
実際あの帽子を見たときはちょっと鳥肌立った。
多少強引さは感じましたが完結編としては一番無難なエンドかも知れませんね。
個人的に一番のお気に入りキャラですし、キャラの設定を考えると他ヒロインを攻略する際、最も後ろめたい気持ちになるのは双葉よりもむしろちとせの方が強いです。
葉月
双子姉。
喧嘩好きで色気の欠片もなかった葉月が主人公を異性として意識していく様は結構よさげでした。
相手が主人公というのが不幸ですが、夜逃げしようとした主人公に付いていったりと結構尽くすタイプな描写があったのは葉月の良さを良く表せていたと思います。
花月
双子妹。
主人公の「学校なんか消えてしまえ」という願望が不自然すぎて花月の能力がプレイヤーに即バレするのが勿体無かった。
ただ普段の花月の言動と頭痛との絡ませ方は良かったんじゃないかと。
それとエロシーンは一番気に入ってるのでキャラ的にも思い入れがあったりします(笑)。
美杉 舞
元芸能人の無口少女。
他ヒロインルートでは登場すらしない場合もあって全ヒロイン中で最も影が薄いのがなんか不憫です。
シナリオ展開は学園祭までが少々テンポが悪いですね。
でも主人公のそばを「自分の居場所」として心を許す描写は悪くないし、主人公の前半での行動力と後半の悩み方は全ルート中で最もマトモだったのは良かったのではないかと。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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