Rascal・改 − Game Impression
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ちょこっと☆ばんぱいあ!
発売日:2006.11.17 / Meteor
 全CGとエンドを補完してコンプ。 プレイ時間は1stで6時間くらい、コンプまでは26時間くらいかかった気がします。

 馬飼野市の市長を父に持つ主人公「化野洋一」は平凡で普通の生活を望む普通の学生…のはずだったが、彼の父が汚職疑惑で失踪してから状況が一変する。 父は馬飼野市の市長であると同時に魔王だったらしく、父が失踪した事で主人公が魔王の後継者となってしまう。 そして一族の血を絶やさない為にと3人の花嫁候補の中から后を選ぶことを要求されるのだった…というあらすじ。


 選択肢分岐型の「ドタバタ学園コメディADV」。 分岐に関わる選択肢は1〜2箇所だけなので難易度は皆無。 攻略対象ヒロインは6人+ハーレムエンドですが、ハーレムルートは3人の人外ヒロインをクリアした後、最後の一人はハーレムルートを含めて全てのエンドを見た後に入れるようになる模様。
 それと一応前々作である『恋Q』と前作『ゆ・め・く・み!』絡みのネタがいくつかあったりするので過去作をプレイしてるとより楽しめるかと。 過去作プレイ必須という程ではありませんが、時系列としては『恋Q』→今作→『ゆめくみ』の順になっているので『恋Q』くらいはプレイしておいた方がいいかも知れません。


 ヒロイン達はツンデレ吸血鬼、ノーテンキ人狼娘、体のパーツが分離する人造人間、おっちょこちょい退魔師など、いわゆる人外系のイロモノ揃い。 性格や言動はエロゲキャラとしてのテンプレート通り(例:ツンデレ→「べ、別にあんたのためにやったんじゃないんだからねっ」等)なので取っ付き易く、キャラゲーとしては無難なラインナップになっていたと思います。 逆に言うと新鮮味はあまり無く、『恋Q』のマナのような強烈な個性を持つキャラもサブヒロイン的な立場のため些かインパクトに欠ける感じはしました。


 私がこのタイトルに対して期待していた事は過去作でも見られたようなエロコメ展開なのですけど、どうもこのあたりに関しては物足りなさを感じてしまいました。 それと言うのも「H系ハプニング」が極端に少ないのですよ。
 過去作でも主人公の会話などはそれほど面白いものでは無かったけど序盤からかなりの頻度でエロ系イベントが発生してテンションを高めてくれたのに対し、今作は「ヒロインの常識外れな言動」に翻弄されたり、時には諌めたりと言った展開がメインになっていて、ヒロイン達による主人公争奪イベントのようなものをほとんど見かけられなかったのが拍子抜け。

 ヒロイン達は次期魔王の后になる為に来たのだから、主人公を篭絡するために色仕掛けで迫ったり、そこに抜け駆けは許さんとか言いながら別ヒロインが乱入してくんずほぐれつ…という展開を期待してしまうのは仕方のない事でしょう?ですよね?
 だのに、プロローグ終了直後に個別ルートへ分岐するゲーム構成も影響して、発生するイベントはほとんどヒロイン個別…しかもイロモノキャラに対して主人公が常識を説く内容(私的には主人公の思想を押し付けてるだけに見えました)が多くて退屈、他のヒロインは邪魔したり牽制するどころか「じれったい」とか言って個別ヒロインと結ばれるのを後押ししたりもします。 もちろんこのノリでも楽しめる人は居るでしょうが、私はそんな普通の恋愛ゲーみたいな展開は求めてなかったんで少々肩透かしぎみ。

 …などと思っていたら最後のハーレムルートでやってくれました(笑)。 一人に決められないのなら全員が后になるとかで初Hから4P。 その後も早朝の寝込みを襲いに来たヒロイン同士が鉢合わせして「どっちのテクが上か勝負よ」的な流れになってWフェラを始めたりとか凄く理想の展開で楽しめましたです。 ただ他のルートに比べて短めなのが残念。 なんか最終コーナーまわって末脚を使おうとしたけど既にレースは終わってた…みたいな感じなので、どうせなら最初からこのノリで行って欲しかった。


 シナリオ展開は各ヒロインの立場や種族に関連する問題を対処していく流れで、簡潔にぶっちゃけると「種族の違いによる偏見や蟠りに固執せず仲良くしようぜ」って感じでしょうかね。 ただし軽いノリな上に超御都合主義展開で説得力が薄いので話の流れとして用いただけという感じがします。 ルートによってはかなりグダグダな展開もありましたし。


 エロシーンは個別ルートごとに5〜7回ほど発生。 ハーレムルートでは3回、最終ヒロインは1回という構成。 ヒロインは全員初物で主人公は今回もやっぱり皮余りでした(笑)。 もうここまで来たら今後も主人公は包茎で通してください。
 シチュエーションやコスチュームはそれなりに豊富。 CGの使い回しが無く、各シーン毎にそれぞれ用意されていたのも高ポイント。 CGのズームアップ機能、毛のON/OFF機能という従来の機能に加え、射精場所を固定にしておく事で選択肢を表示させずに済む機能も実装されました。
 ただ尺やテキスト描写はやや物足りないかな。 操はなかなか良い感じでしたが他ヒロインは今ひとつと言った印象。 個別ルートでのまったり系Hよりもハーレムルートでのヒロイン同士が意地を張り合いながらWフェラするシーンの方がそそられます。 まぁコレは私の嗜好なのかライターさんのテキストの影響なのかの判断は難しいところですけどね。

 あとはやっぱり音声面でしょうかね。 凄くこもった声で再生されるのが最後まで気になりました。 一応12月末に音質向上アップデートファイルを公開するそうなので、それを当ててからプレイした方が良いかも。


 システムまわりは特に問題なし。 CG枚数は各ヒロイン毎に差分抜きで18枚、立ち絵のポーズや表情パターンも豊富で良かったですが、一部のキャラ…具体的には主人公が超ダサく描かれててちょっと萎えた。 エロゲ主人公らしく目が前髪で隠れてるんですけど、その前髪が真横に切り揃えられていて、何処のお坊ちゃんだよ…と。 もうちょっと見栄えのする主人公にして欲しかった。
 BGMもなかなか良好。 同名タイトルの主題歌は脱力系でしたが、エンド曲はカノン(パッヘルベル)のアレンジになっていて良さげです。 主題歌はねぇ…『ゆめくみ』の時はポップス系の曲としては割と気に入ったんですけど『恋Q』路線に戻しちゃったようで個人的にはちょっと残念。


 まぁ期待していた主人公争奪バトル絡みのエロハプニング系ラブコメは食い足りないものがありましたが、人外ヒロイン達との軽いノリを楽しむキャラゲーとしては悪くは無かったと思います。 もしハーレムルートが無かったら満足度はもっと低くなっていたでしょうけど、逆に共通パートがハーレムルートのような展開だったら満足度は跳ね上がったと思えるだけに惜しまれます。


以下、ヒロイン毎のルート概略と雑感。(ネタバレあり)


アリア
 ツンデレバンパイア。強気で傲慢だが世間知らず。 かつて天界の住人に攻め込まれた事で天界の住人に強い敵対心を抱いていて、ヒロインの中では操との折り合いが悪い。 また父親が病のため早く魔王の后となって一族を再興させようと願っている。
 個別ルートは天使アナエルの狩りに対処する展開。 アリアは馬飼野市に到着してから血を摂取していない事で本来の能力が出せずにいたが主人公が魔王の血を与えた事でパワーアップ。 アナエルは軽く捻られる。 タイトルの意味的にも一応メインヒロインっぽい展開にはなっていたと思います。 俳音や麻衣の正体も分かりますしね。 アリア本人の印象としては照れた時や自身の世間知らずが露呈した時の立ち絵の表情が可愛いかった。 両手を後ろにまわしてる事で胸が強調されて思わずむしゃぶr(以下略

リオ
 人狼族。人化したときは耳+尻尾付きのケモノ系娘。 道端で主人公に拾われる事になり主人公に対しては后候補というより飼い主に懐いてるような感じ。 オツムは弱いが天真爛漫というか物事を深く考えないので割と和めた。
 個別ルートでは人狼族の男が現れ、人間と共存している魔族に対して誇りを説き、クーデターをけしかける流れ。 なんかこの流れって「美しい国、誇れる国」を政策に掲げたどっかの内閣総理大臣に対する左思想家からの主張のように感じてしまうんですが…捻くれて見すぎでしょうかね? 誇りを持つ事→クーデターと安易に繋がる展開とか何だかなぁと感じましたよ。 カボチャ頭の執事もリオの一族は多産だから困るとか言って主人公に反旗を翻したりしてましたが…だったら最初からリオを候補に選ばなきゃ良いじゃんとか思ったのは私だけでしょうか。

フランチェスカ
 バラバラのパーツのまま主人公宅に届けられた人造人間。 主人公の魔力によって起動するが、動揺すると身体のパーツが取れる。 頭が取れるとリオに転がされて遊ばれる…というのがお決まりのパターン。 色々と型外れな能力を保有していて、もう何でもアリな感がありました。
 個別ルートはフランの創造主を名乗る転校生が現れてフランを回収しようとする流れ。 ちびフラン隊とか吹いたけど、ラストでヤツが良い人っぽく逝ってしまったのがどうもすっきりしません。 アリアやリオに手を付けなかったけど、他の犠牲になった花嫁候補達へのフォローは無しですか。 それとラストバトルCGでの主人公の迫力の無さは異常。

天宮 香菜
 主人公の幼なじみ。料理が得意だが九九の七の段が言えないくらい脳たりん。 主人公は昔からそんな香菜の世話を焼いている。
 個別ルートでは魔族では無いという事からどこか遠慮している香菜に対して周囲の人間が色々と後押しする流れ。 終盤は主人公が魔族では無い香菜を選んだということでロステルがクーデターを起こそうとするが、突如帰宅した父の登場で一件落着…という何ともグダグダした展開で苦笑ものでした。 んでクーデターを起こしたロステルから逃げる最中、自身に何の能力も無い事に憤る主人公に対して…
香菜  :「大丈夫。洋ちゃんならナントカ砲みたいの出せるよ!」(根拠無し)
主人公:「お前がそう言うならやってみる!」
主人公:「でりゃあああ!」(手から光球が飛び出し炸裂)
…あーもうね、テキスト読んでて凄く疲れました。

徳川院 操
 天界から派遣された魔物ハンター見習い。 川原でテント生活…しかもザリガニなどを取って食料にするくらい極貧。 特徴としては早とちり・おっちょこちょい・大食らい・巨乳。
 個別ルートでは魔王探索の任が遅々として進まない操に痺れを切らせた天使アナエルが直接乗り込んで来る…ということで皆であたふたする流れ(笑)。 終盤のゴタゴタはアリアルートと大体同じでした。 巨乳な上に母乳プレイとかあるけど、そういう特殊嗜好的なものを除いてもエロは結構良かったんじゃないかと。 主人公が買った服とかコスチューム面でも恵まれてたし魔力を封印する儀式での触手化とかシチュも豊富。 精子製造工場からの直訴は吹いた。

黒羽 麻衣
 主人公の幼なじみ。『恋Q』の麻奈の妹だが両方ともその存在には気付いていない模様。 せっかく強烈な個性を持っているのだからもっと全ルートで出番が欲しかったですよ。
 個別ルートはハーレムルートからの派生シナリオで短め。 混沌の王バアルゼブブである事を明かし、時空の狭間へ引き篭もるが俳音の計らいで元の世界へ帰還。 俳音はその後『ゆめくみ』の舞台へ行ったようなので、おそらくこれが正史ルートになるのかな。 とりあえず言える事は…麻衣のエロ分が足りません。


お気に入り順は
 麻衣 > アリア = 操 = フラン > リオ > 香菜


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO